琵琶湖疏水と洞門石額      07/04/28

                                     大津−疏水取水口−小関越−山科−蹴上−阪急河原町


              

 琵琶湖から京都・蹴上を結ぶ琵琶湖疏水ができたのは、明治23年(1890)のことです。洞門(トンネル)の上には、明治の元勲らの筆になる石額が彫り込まれています。
 久しぶりにMy折りたたみ自転車DAHONで走りました。
 10:20

 JR大津駅を出発します。
 ハナミズキがきれいに咲いています。
 
 10:55

 琵琶湖畔。第一疏水の取水口です。
 10:41

 「われは湖の子」の碑があります。

 第一疏水取水口をちょっと入ったところに旧制第三高等学校(現京都大学)漕艇部の艇庫があります。その脇に、この記念碑があります。
 10:49

 第一疏水が流れ込みます。
 10:38

 左側から流れていくのが第一疏水です。

 右側のすぐにトンネルに入るのは、たぶん第二疏水です。
 取水口のあたりをずいぶんとうろうろしました。琵琶湖競艇の警備をしている警察官に尋ねたりして探したのは、この碑でです。

 「萬物資始(ばんぶつとりてはじむ)」 久邇宮邦彦 筆
 すべてのことがこれによって始まる(易経)

 でも、どうしても見つかりませんでした。立入禁止区域内にあるのでしょう。最後に訪れた琵琶湖疏水記念館に、写真がありました。


 
 11:10

 疏水の上を京阪石坂線が走ります。向こうの山の中腹が三井寺です。
 11:15

 桜は終わりましたが、新緑がすがすがしいです。
 「氣象萬千(きしょうばんせん)」 伊藤博文 筆
 千変万化する気象と風景の変化はすばらしい(宋・岳陽樓記の一部)

 琵琶湖畔からまっすぐに第一疏水は三井寺に向かって流れ出します。
 第1トンネルは長さが2436メートルもあります。ほとんど人力だけで掘った難工事だったそうです。 
 11:41

  京から大津に抜けるメインルートは逢坂越ですが、もうひとつ小関越というのがあります。かなりの急坂を越え、山科に下りました。
 11:57

 山科の住宅地が山にせっまているあたりに、第一トンネルの出口はありました。
 「廓其有容(かくとしてそれかたちあり)」 山縣有朋 筆
 悠久の水をたたえ、悠然とした疏水のほろがりは、大きな人間の器量をあらわしている
 12:02

 疏水沿いの道を気持ちよく走って、次のトンネルまできました。ところが、いくら探しても石額がりません。壁面もコンクリートでちょっt様子が違います。その気になってあたりをみると、左側に疏水が流れ亭ていたであろう広い道が続いています。このトンネルは、後世に掘られたバイパスのようです。
 12:10

 疏水が埋められた、ゆったりとした遊歩道。
 12:15

 ここまできて、トンネルが後世のバイパスであることを確信しました。
 12:20

 遅咲きの八重桜の下は、ピンクのジュータンです。
 12:26

 護岸を整備する必要はあるでしょうが、どうしてこんな「とゆ」のようにしてしまうのでしょう。
 12:28

 クラシックな洞門ともアンバランス。そんなことを現代の設計者は考えないのでしょうか。
 「仁似山悦智為水歓歡(じんはやまをもってよろこびちはみずをもってなるをよろこぶ)」 井上馨 筆
 仁者は知識を尊び、知者は水の流れをみて心の糧とする(論語)
 13:20

 予想外ににわか雨が降ってきました。
 国道1号に出て飛び込んだラーメン店「来山軒」です。雨宿りがてら、昼食としました。
 13:34

 
 第2トンネルの出口は、きれいな煉瓦が積まれています。

 「隨山到水源(やまにしたがすいげんにいたる)」 西郷従道 筆
 山にそって行くと水源にたどりつく
 13:37

  第3トンネルの手前には、日本で最初の鉄筋コンクリート製の橋がかかっています。
 13:38

 「本邦最初鉄筋混疑土橋」の碑。
 13:39

 第三トンネルの入り口です。
 「過雨看松色(かうしょうしょくをみる)」 松方正義 筆

 第3トンネルの手前には、日本で最初の鉄筋コンクリート製の橋がかかっています。
 13:58

 インクラインの上部から見える洞門です。かなり距離があるので、望遠レンズ(420ミリ)に、1.7倍のテレコンバーターをつけて写しました。
 「美哉山河(うるわしきかnさんが)」 三条実美 筆
 なんと美しい山河であることよ
 「一身殉事萬戸霑恩(いっしんことにじゅんずるはばんこおんにうるおし)」 田邊朔郎 筆

 昭和35年、田邊が私費で建立した第一疏水殉職者慰霊碑。裏面には、第一トンネルの難工事などでなくなった十数人の名前が刻まれている。


 
 14:10

 若き田邊朔郎の碑。
 工部大学校を卒業したばかりの田邊が、土木技師として琵琶湖疏水を開削した。
 「雄觀奇想(ゆうかんきそう)」 北垣国道 筆
 見事なながめとすぐれた考えである

 北垣は、第三代京都府知事。明治維新による東京遷都で沈みきった京都に活力を呼び戻すため、琵琶湖相疏水の建設にとりかかった。

 14:15

   インクラインをくぐる「ねじりまんぽ」。この向こうに私の出生地がる。
 14:27

 琵琶湖疏水記念館に架かっている田邊朔郎と北垣国道の経歴。
 14:33

 琵琶湖疏水記念館の脇にある「楽百年之夢」。今川雅彦市長の揮毫。
 14:32

 平成元年にできた琵琶湖疏水記念館。初めて入った。
【きょうの走行記録】
走行時間 2:29:04
走行距離 25.71km
平均時速 10.3km/h
最高時速 26.7km/h
積算距離 893.8km