仏師がつくるスピーカー

スピーカー1

 京都・寺町をふらふらと歩きました。ガラスの向こうに、気になるシロモノを見つけました。

スピーカー2

 店内に静かな音楽が流れます。ゆったりと鳴っています。その音源が、口径10センチほどのコレでした。

スピーカー6

 全容はこんな具合です。

スピーカー3

 作者の「石川眞水」をネットで検索してみました。なんと、滋賀・水口の仏師だそうです。インタビューの動画もありました。

スピーカー4

 四角錐のメトロノームのようなデザインも、きれいです。

スピーカー5

 「紙司柿本」にそのスピーカーは展示されていました。ここの和紙が使われているからです。
 柿本は創業が江戸末期という、紙の老舗です。いろんな和紙のほかに、デザインされた祝い袋などの小物もあって、人気ショップになってます。

ウィーン版ミュージカル「エリザベート」

 《お詫び》 このところ、サーバーがトラブルの連続で、作動していない時の方が長くなっています。その間にアクセスしていただいたかた、申しわけありません。改善に努めていますが、まだまだ不安定な状態が続きそうです。お許しください。

Elizabeth1

 ウィーンで長期公演されている人気ミュージカル「エリザベート」の引っ越し公演を、大阪・梅田の梅田芸術劇場で観ました。その存在は、知ってましたが、観たのはもちろん、初めてです。

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 記念に手に入れたプログラム(2000円)です。

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 セリフはほとんどなく、全編が音楽とともに流れるように進みます。舞台装置も、途切れることなく動きながら、各場面に移っていきます。
 なによりも、キャストがすばらし歌を聴かせてくれました。
 エリザベートのマヤ・ハクフォートは、素顔はそこそこのおばさんのようですが、若々しいシシーも魅せました。トートのマテ・カマラスも舞台中を駆け回るエネルギッシュな演技でした。
 カーテンコールです。ウィーンでは、クラシック・コンサートでも最後の拍手の場面はカメラ・フリーです。1枚、撮りましたが、露光があってません。おかげで、中央で頭を下げるマヤが、真っ白にとんでいます。

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 エリザベート大好きの知人から借りているCD、DVDです。中央のDVDは、会場でも売ってました。これは、その知人がウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で買われたものです。もちろんドイツ語で、字幕なんてありません。左は宝塚版です。まだ、観る時間がありません。

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京都・岡崎 「jazz spot YAMATOYA」でコーヒーを

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 「京都・広小路」が、昨日のS新聞に出ていました。立命館大学広小路学舎があったところです。「二十歳の原点」(高野悦子)の時代がテーマになり、荒神口の角にあったジャズ喫茶「しあんくれーる」も登場していました。きょうもクルマで通りましたが、ここにあったのかというほどの狭いスペースは、数台分の駐車場になっています。
 木屋町四条にあったクラシック喫茶「みゅーず」も姿を消しました。
 岡崎にある「jazz spot YAMATOYA」は、昔のままです。

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 わたしが学生時代を送った70年代ですら、すでに「幻の名器」だったバイタボックス製の「クリプシュホーン」が正面に鎮座しています。磨き抜かれた木目が美しい家具の風情です。

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 コーナーに置くようにできています。上部には、中高音用の横長のホーンがはいってます。低音は、曲がりくねったボックス内のホーンを通って、両側から出てきます。
 アコースティックな音がします。悪く言えば、低音は響かず、高音は抜けません。それでも、ピアノ・トリオの音は、人の温もりを帯びていて、いつまでも安心して聞いておれます。

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 マッキントッシュの真空管プリメインアンプ「MA2275」です。
 写真がすべてブレているのをお許しください。薄暗い店内ですが、ストロボを光らせるなんてことはできません。

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 LPがのっているターンテーブルは「ガラード401」。アームは「SME」。カートリッジは「シュアー」と、あまりにも教科書通りの組み合わせです。

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YAMATO8

 

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 すぐ近くにあった音楽高校に通った女房は、「昔とちょっと場所が違うみたい…」と、ママに聞いてました。でも、30数年前の開店当初からここにあるようです。
 ヤマトヤ 地図
 TEL 075-761-7685
 〒606-8392 京都市左京区聖護院山王町25 

敬愛なるベートーヴェン

15番

 ベートーベン 弦楽四重奏曲15番イ短調 作品132 スメタナ四重奏団
 古いLPです。ジャケットを開けたら「S47.7.21 大十(難波)」という書き込みがありました。学生時代に買いました。
 第3楽章「病気が癒った者の神へ感謝する聖なる歌」。久しぶりに聞きました。タンテーブルの回転が安定せず、ときにズッこけうるほど音程が狂いますが、それでも引き込まれました。

チケット

 「はり」にいって、一年分の肩の凝りをほぐしてもらいました。ああ、気持ちがよい。
 で、京都・JR二条駅の東宝シネマ二条で、映画「敬愛なるベートーヴェン」を見ました。

ベートーベン

 カタログは写真に収めただけで、買いませんでした。
 
 やはり「交響曲第9番 合唱付き」は素晴らしいです。
 SQ15番も印象的に使用されていました。さっそくLPでとなったわけです。

最高の一夜 サイトウ・キネン・フェスティバル 松本

サイトウ・キネン1

 圧倒されました。全員が、その存在感をいっぱいに発揮した演奏でした。 
 ことばはなく、ただ拍手しました。スタンディング・オーべーションです。思わず立ち上がって、大きく手を打ちました。シャッターを押すことも忘れませんでしたが、「写真禁止」と制止する係員の目を盗んだ1枚です。
 右から5人目くらいで左上を見ているのが小沢征爾です。一人おいた隣がヴァイオリンの潮田益子です。
 すごい!! それが感想のすべてです。

サイトウ・キネン2

 Saito Kinen Festival Matsumoto が開かれた長野・松本市の県松本文化会館です。
 駐車場にクルマをとめましたが、意外なほどに「松本」ナンバーが多く、県外、まして「大阪」にはでくわしませんでした。

サイトウ・キネン3

 右が公式パンフレット(2,000円)です。その上が2人分のチケット(奮発したS席は、1枚21,000円)。左は、15周年の歩みを伝えるチラシです。
 9月11日の演奏会は「Bプログラム」でした。
 ホールにはいると、でハープ奏者が音合わせをしていました。吉野直子です。まだ始まっていないのに、緊張感が漂います。
 武満徹:ディスタンス
 宮田まゆみの笙とオーボエが、不思議な時間を刻みます。リズムも拍もない。もちろん、初めて聞きました。息をつめて聞きました。
 ベートーベン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
 オケが入ってきます。先頭は、クラリネットを手にしたカール・ライスターです。元ベルリン・フィルの首席奏者です。モーツァルトのクラリネット協奏曲のCDは大好きです。ああ、あの人…と、テレビのサイトウ・キネンの映像などで見た顔が並びます。コンサート・マスターは潮田益子でした。
 内田光子と小澤の登場です。ものすごい拍手です。
 ピアノが鳴り響きます。あんなに細い体で、どこからあんなパワーがでるのかという音です。出だしにちょっと音をはずしましたが、そんなことは関係ない。ただ、すごい。グイグイと引き込まれました。
 「あれだけバンバン弾いているようで、指はずーっと鍵盤から離れていない。タッチが滑らかで、フォルテになっても音が荒れないし、弱音は澄み切っている。モーションは激しいけれど…」とは、ピアノがわかる女房の感想です。
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47
 かつては社会主義的リアリズムの忠実な作品とみなされていました。近年はショスタコーヴィッチが、旧ソ連の体制に批判的な姿勢をもていたことも明らかになっています。
 そんなことより、テレビ創世時代にABCテレビが「部長刑事」という番組を放映していました。そのタイトルバックに流れていた、あの印象的な旋律で耳に残っています。ショスタコーヴィチの生誕100年ということで、登場したようです。
 それにしても、小澤らしい選曲で、これでもか、これでもかといわんばかりに楽しませてくれた。第1楽章の圧倒的な盛り上がりでは、このところ耳が不調な女房がまた「聞こえなくなった」と言い出すのではと心配になるほどの大迫力だでした。コンマス・矢部達哉のヴァイオリンが弱音を綴り、吉野のハープが響き、工藤重典のフルートが歌います。管楽器は、残念ながらだれが吹いているのかよく見えませんでいたが、これまたヴィルトーゾがソロのオンパレードを聞かせてくれました。

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フジ子・ヘミング”音のないコンサート”

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 大阪・心斎橋筋を歩きました。若者向けの衣料品店やら飲食店やらばかりで、オジサンには縁がないと人混みをかき分けていると、目にはいりました。
 「イングリット・フジ子・ヘミング”音のないコンサート”」
 「ART SPACE 心斎橋」(大阪市中央区心斎橋筋2-6-3)は、いわゆる画廊です。1階では、ヒロ・ヤマガタの展示をしていました。その2階に、フジ子の絵はありました。といってオリジナルではなく、シルクスクリーンなどの版画に複製したものが、即売されいてます。
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 フジ子に、そんな画才があるとは知りませんでした。
 経歴を見ると、「7歳の頃から日本画家の伯母大月吉野に絵を学ぶ」とあります。
 ピアノ同様に輪郭のピリッとした絵です。
 1999年2月11日、ふじ子のピアニストとしての軌跡を描いたNHKのドキュメント番組、ETV特集「フジコ~あるピアニストの軌跡~」が放映され、大反響を巻き起こす。
 1999年8月25日に発売されたファーストCD「奇蹟のカンパネラ」は90万枚を売り上げるという、クラシック界異例の大ヒット。
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 久しぶりに「ラ・カンパネラ」のCDを取り出しました。
 CDのいデザインもこれはフジ子が描いていたんですね。
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 このCDが発売されたのは99年のことです。
 あの不思議な「鐘の音」の調べに驚かされたものです。

念願のサイトウ・キネンをゲット

サイトウ・キネン
 今から楽しみです。
 「サイトウ・キネン・フェスティバル 松本」のチケットです。内田光子がベートーベンのピアノ協奏曲「皇帝」を弾きます。指揮は小沢征爾、オケはもちろんサイトウ・キネン・オーケストラです。
 ファンにとっては、プラチナチケットです。わたしも、過去に何度か入手アタックしたことがありました。でも、取れませんでした。
 
 先週の土曜日午前10時が一斉発売でした。私はネット販売のパソコンに向かい、女房は電話のダイヤルを回しました。ネットは10分ほど前から「回線混雑」でつながらなくなりました。もちろん電話もだめでした。5分ほど過ぎて、女房があきらめた後に、「くじ運抜群」の娘がダイヤルすると、2回目に「つながったよ!」。あとは、オートコールに応えていくだけでした。第一希望の土曜日はすでに「残席なし」でしたが、月曜は確保できました。思いがけない結果でした。「これで夏休みが決まった」と、さっそくその夜の松本のホテルもネット予約しました。
 ヤフーオークションで「サイトウ・キネン」を検索してみると、昨夜は「座席引替権利」がいっぱい出品されていました。私が入手した「コンサートBプログラム」は、ペアで1万円か1万5000で落札されていました。現代のダフ屋は、こんな場所で商売をしているんですね。でも、どうして同じ業者が、何枚もの引き替え権利を入手しているのか不思議です。
 引替期限が過ぎた今夜は、チケットの現物がぞろぞろ出品されています。
 でも、こんなヤカラにお世話にならなくても、小沢の指揮が聴けます。幸せです。
 

アナログ回帰 タイトルバックはレコード針

タイトルバック
 タイルバックを変更しました。DenonのDL-103がLPをトレースしているところです。
 
 LPは30年以上も前に買ったアルヒーフ盤のバッハ「ブランデンブルク協奏曲」です。今でもさわやかな響きを聞かせてくれます。

なつかしの真空管アンプ 50CA10 ~アナログ回帰

真空管アンプ1
 なつかしの真空管アンプです。タンノイ(といっても25センチですが)のスピーカーとの組み合わせで、バロックや室内楽を中心に聞いてました。
 元の所有者である兄が、大手オーディオメーカーを退職して、第二の人生は真空管アンプの製作にたずさわることになりました。なつかしのアンプを、押し入れの奥から引っ張り出してきて、「記念品」として返還しました。

真空管アンプ2
 6267-6AQ8-50CA10 という構成のアンプです。
 初段の6267は、独Telefunken製のEF86という球がささってます。
 50CA10 は、NECが開発した最後の3極出力管だったはずです。5年ほど前に、もう一度、この真空管の音が聞きたくて、東京出張の折りに秋葉原の電気街で同じ真空管を探したことがありますが、見つかりませんでした。
 ネットで検索してみると、中国製(そんなのがあるのだ!!)がペア(2本)で3万8000円なんて、とんでもない値がついています。

真空管アンプ3
 シャーシ(ケース)やトランスなど大物部品は30数年前のものです。それをベースに20年ほど前に一度ばらして、抵抗やコンデンサーなどの消耗部品を取り替えて組み直し、愛用してました。

真空管アンプ4
 内部の配線の様子です。半田付けは、中学校の放送部以来の得意科目です。

真空管アンプ5
 ラックスという真空管アンプで人気を誇ったメーカーの回路をコピーしています。

真空管アンプ6
 ラックスの出力トランスのあたりの配線です。実は一方の出力トランスが断線して、使用不能となっています。兄の友人は、同じように一方が断線したアンプを持っておられるということです。二つを合体させると懐かしの音がよみがえります。その日が楽しみです。

アナログ回帰 レコードの音 DENON DL-103

レコード

 フルトヴェングラーの「英雄」が聞きたくなり、LPに針を落としました。久しぶりに回り始めたターンテーブルは回転が安定せず、ウワン、ウーヮンと変な音を出しました。でも、しばらくすると懐かしい音を奏で始めました。

DL-103

 ゆっくり聞きたかったのですが、リビングのテレビに追われました。CDケースの隅にあったカートリッジ(レコード針)の箱を手に、パソコンの前に避難してきました。
 DENONのDL-103 です。
 「このDL-103はDENONが放送用として高性能、高信頼度を目標にNHK総合技術研究所と共同で開発したもので、NHKのFM放送をはじめ、民放各局において長期間にわたって採用されております」-と取扱説明書にあります。
 DENONはデンオンです。当時は日本コロムビアのブランドでしたが、前身は日本電気音響、だからデンオン(電音)です。それが、デノン(最近は社名変更でこう読ませています)ではねえ。

DL-103(2)

 なんと手書きの性能証明書まであります。
 ケースに張られた価格は19,800円。領収書には14,300円とあります。針だけの交換は不可能なムービング・コイルという構造ですが、古いカートリッジを持っていくと「針交換」の名目で5,000円ほど値引いてくれたものです。
 かつては1年か2年に1個は交換するほど愛用してました。でも取り扱いが楽なCDに軍配があがりました。
 この針の購入は93年11月19日。「これが最後だろう」と交換したのを思い出しました。