奈良・橿原の県立橿原文化会館大ホールで、「反田恭平ピアノリサイタル2023」を聴きました(13日夜)。
1000人を超す大きなホールです。それがソールド・アウトの満席でした。大阪や京都などからもファンが詰めかけていたのです。
開演直前まで、念入りに調律が行われていました。
前から4列目の中央の席でした。
目の前のスタインウェイのふたの裏側が、弦を反射して光っているのが印象的でした。
プログラム(一部変更あり)は、近代ロシアのスクリャービン、ラフマニノフとショパンの影響を受けた2人から始まりました。
わたしは、その日に病院で受診した2つの検査で疲れていたのか、不覚にもこっくりとする瞬間もありました。
後半のショパンは、これは圧巻でした。雷が落ちたのかと思わせるほどの爆音が、ホールに鳴り響く場面もありました。でもそれは一瞬のこと。心にグイグイと迫ってきたのは、圧倒的な弱音!でした。これまでに聴いたことがない最弱音に息をのんでいると、その音色はいく重にも変化して、一音一音がしみわたりました。そのバリエーションの豊かさに驚きました。
拍手にスタンディングにブラボーが途切れません。5曲もアンコールを弾いてくれました。
その極みが、アンコールで弾いてくれたラルゴでした。何度も聴いています。でも、この夜のラルゴが、ショパンの母国・ポーランドに対する思いを、これまでになく静かに熱く表現しているように思えました。聴くたびに限りなく進化する反田くんでした。
なんだか反田くん一座がどさ回りしているような案内です。
ホール前には「増長天」が飾られていました。、
近鉄・大和八木から歩いて5分ほどのところにありました。
近鉄特急で帰宅しました。
大和八木のホーム内にあるコンビニで、缶を買って乗り込みました。ガラガラの車内で、余韻とともに楽しみました。