「蘭花譜」 加賀正太郎の美意識

蘭花譜1

蘭花譜2

 「大山崎山荘」(アサヒビール大山崎山荘美術館、京都・大山崎町)に「蘭花譜(らんかふ)」が展示されてました。
 「これが加賀正太郎の蘭花譜か」と、その美しさに見とれ、カメラを構えました。影が映り込んでいて、あまり出来はよくありません。

大山崎山荘1

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 山荘の2階に上がる踊り場には印象的なステンドグラスがはめられています。その上の壁に、「蘭花譜」は飾られていました。2階に上がると、説明文もありました。

蘭花譜01

 「蘭花譜」のパンフレットです。要約しますと-
 大山崎山荘を建てた実業家、加賀正太郎(明治21-昭和29)は、欧州歴訪で洋蘭と出会う。その美しさに感銘し、帰国後、大山崎山荘を建築、そこで洋蘭の栽培を始める。苦労のすえ、栽培のみならず交配による品種改良に没頭し学名に「Yamazaki」とつく新品種を次々に誕生させた。その花の姿を後生に残すため、優良種104種を絵師・池田瑞月、彫師・大倉半兵衛、摺師・大岩雅堂によって手刷り木版画にしたのが版画集が「蘭花譜」だ。昭和21年に300部限定で刊行された。
 なぜ製本されずに、箱にはいったままになっていたか? そんなストーリーについては、かつてテレビ番組で見たことがあります。

蘭花譜4

蘭花譜5

蘭花譜6

 新たに発見された木版12点(版木にすると1点あたり9枚から21枚)から時代を経て再び刷られた「蘭花譜」は、100部限定で57万7500円だそうです。