京都・東山 六道珍皇寺に「六道まいり」

 「六道まいり」で京都・東山にある六道珍皇寺に参りました。「お精霊(しょうらい)さん迎え」とも呼び、京都では13日から始まり16日の五山の送り火に終る盂蘭盆(うらぼん)を前にして、7日から10日までの4日間に精霊(御魂 みたま)を迎えるために六道珍皇寺に参詣する風習があります。
 わが家にも、初盆を迎える新仏さんがおられます。それほど信心深いわけでもなく、バッハの宗教曲に耳を傾け、スペインのサンティアゴ巡礼に心を寄せる身ですが、初めての参詣でした。

 門をくぐった参道わきに、高野槇(こうやまき)の枝を売る店が並んでいました。
 古来より、精霊は槇の葉に乗って冥土より帰ってくるとされています。 

 一枝、600円でした。

 本堂前で、水塔婆(みずとうば)に父と母の戒名を書いてもらいました。

 「迎え鐘」を打つ順番を待つ行列から見えるところに、六道まいりの手順が説明されていました。

 迎え鐘を打ちました。垂れ下がった綱を引っ張ると、「ゴーン」。鐘は見えません。
 長い行列を覚悟していましたが、朝が早かったせいか、それほど待たなくてもよかったです。

 本堂にロウソクを灯しました。

 本堂にお参りしました。

 線香を灯し、水塔婆を浄めました。
 「仙壽院佳心妙道大姉」というのが、5月に亡くなった母の戒名です。

 地蔵尊宝前で、用意された高野槙で水回向を行ない、水塔婆を納めました。

 六道珍皇寺の裏庭には、平安時代の陰陽師、小野篁(おののたかむら)が夜毎、冥府通いのため使っていたという井戸が残っています。

 この日の京都は、最高気温が38度近くありました。

 名物の「子育飴」です。

 「菱六もやし」のもやしは麹菌のことです。

 あちこちに路地(ろーじ)があります。

 「六道」とは、仏教の教義でいう地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六種の冥界をいい、人は因果応報により、死後はこの六道を輪廻転生といわれています。この六道の分岐点で、いわゆるこの世とあの世の境(接点)の辻が、「六道の辻」です。
 平安京の東の墓所であった鳥辺野に至る道筋にあたり、この地で「野辺の送り」をされたことや、小野篁の冥界への井戸があったことから「冥土への通路」とされたのだそうです。