ムジーク・フェライン(楽友協会)の黄金ホールです。お正月のニュー・イヤー・コンサートでおなじみです。
ベートーベンの交響曲第9番「合唱付き」が響き渡りました。
管弦楽は残念ながらここを本拠とするウィーン・フィルハーモニーではなく、ブルーノ・ワルターという名指揮者の名を冠したブルーノ・ワルター交響楽団でした。指揮者もちょっと地味で、ゆったりとした重厚な響きでした。
それが合唱の加わる第4楽章で爆発します。バスが圧倒的迫力で歌い、ソプラノがそれに輪をかけたように響き渡ります。合唱も素晴らしいボリュームです。
シューボックス(靴箱)型のこのホールは、それほど容積が大きくありません。そこが大音量であふれかえります。
ベートーベンは聴覚を失ってから第9を作曲しています。だからこんな曲が作曲できたのかと、ヘンに納得させられました。
チケットは、ネットで予約しました。日本人も、たくさん聞きに来ていました。
黄昏のムジーク・フェラインです。また、ここに戻ってこれました。
演奏が終わりました。みんな、立ち去りがたいようでした。
ワルターはウィーンで大変愛された指揮者でした。オケの名にワルターを戴いているのも頷けます。米国に亡命後も戦後、ウィーンフィルを何度か振ったのをLPでよく聴いたものです。今はCD化されてるかも知れません。