my camino=5日目 聖地に向けて「フランス人の道」を行く 

 人通りが途切れることのない巡礼路です。
 「フランス人の道」といいますが、様々な国からやって来たペルグリーノが歩いてます。

 聖地のサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、ホタテ貝をモチーフにしたモホンに導かれて歩みます。
 右側がわたしの影です。常に西に向かって進み、太陽に追いかけられます。

 フランス人の道を歩いてきたカミーノは、プエンテ・ラ・レイナで「アラゴン・ルート」と合流します。町の入り口に立つ巡礼像の台座には「ここですべての道は一つになる」と書かれていました。
 サンティアゴ巡礼は、元々は自分の住んでいる地からサンチアゴ・デ・コンポステーラを目指したそうです。日本のお伊勢参りと同じ発想です。
 スイス北東部のザンクト・ガレンから歩いてきたという若者と出会いました。「(観光客が訪れる)インターラーケンやツェルマットなんて、物価が高くて。でも巡礼は安上がりです」
 3か月近くも歩き続けるというペルグリーノもいます。でも、クレデンシャル(巡礼証明書)がいただける条件の「徒歩で100キロ以上」というサリアからスタートする人が、今では一番多く、25%ほどを占めています。わたしも3年前の巡礼ではサリアから歩きました。
 ここからだと普通に歩いて4泊5日の行程です。日本からマドリードに飛び、そこかrenfe(スペイン国鉄)でサリアへ。帰りはサンティアゴ・デ・コンポステーラからマドリードを経由して日本へ。この最短コースで9泊10日となります。
 夏休みにでも月曜から金曜日まで休暇を取り、前後の土日を加えると9日。あとは、翌週の月曜日が祝日となる週でも選べば、それほどハードルは高くもなく日本からもカミーノを歩くことができます。
 次に多いのが、サンジャン・ピエ・ド・ポーからで、10%ほどです。さらにフランスンのル・ピュイから1500キロを歩く長いルートも人気です。北の道はフランス人の道より北側の海岸沿いを進みます。ポルトガルからのルートも魅力的です。
 人それぞれ、好きなところをスタートして、何度でも新たな気持ちで歩けるのがサンティアゴ巡礼です。リピーターが多いのもうなずけます。

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 イエスの十二使徒のひとり、聖ヤコブ、スペイン語ではサンティアゴの遺骸が発見された町、サンティアゴ・デ・コンポステーラに向けて、ヨーロッパ各地からいくつもの巡礼路つながっています。そのひとつが「フランス人の道」です。遠くパリまでも延びてますが、現代ではフランス北西端のサン・ジャン・ピエ・ド・ポー(SJPP)がポピュラーな出発地となってます。ここから徒歩でピレネー山脈を越えてスペインに入り、はるか780キロも西にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。普通のペースで約5週間かかります。
 地図の上では、ほぼ中央の赤い四角印(St.JEAN)とあるのが出発地。黄色い内陸部のルートを西に進み、左上の赤四角(SANTIAGO)とあるのがゴールです。

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 この地図は、John Brieleynoの「Camino de Santiago Maps」のものです。ネットで英国の書店から購入しました。10.99EUR(約1300円)でした。平均的な巡礼者が1日に歩くペースに合わせて編集されています。ルートマップはこれ1冊で十分です。