3月26日
11:49
へんろ道を進む。途中には番外札所から名もなきお地蔵さんまでが並んでいる。
東京出張の帰途、八重洲口の八重洲ブックセンターに寄りました。歩き遍路には必携の書といわれている「空海の史跡を尋ねて 四国遍路ひとり歩きの同行二人」(へんろみち保存協力会編)が店頭に並んでいるというからです。ありました、ドサリと平積みで。それだけ需要があるということなのでしょう。手に取ってみると、やはり欲しくなり、「地図編」(2500円)、「解説編」(1000円)のうち、地図編を買ってしまいました。おかげで帰りの新幹線は、退屈しませんでした。
この地図は、基本的にへんろ道に沿って上から下へ、右から左へ進むように編集されています。ページによって北の方向がまちまちです。これでは全体の道程が把握しづらいです。進行方向がいつも上にある車のカーナビに頼っていると、一度走った道でもまるで覚えられないのと同じです。おまけに縮尺までページによってさまざまとあって、距離感もつかめません。それでも細かな分かれ道を迷わないで歩くには、これも手放せないようです。
すでに「四国遍路地図1(第一番霊山寺~第三十三番雪蹊寺)」(東海出版、900円)は持ってます。こちらは50000分の1地図で構成されてますので、方位、距離はばっちりです。そのかわり1枚の大きな地図で、へんろ道の詳細まではわかりません。一長一短です。両方に頼ることになりそうです。
それにしても、旅を前に地図やガイドブック、最近ではネットでも情報を集めるのは、本当に楽しい時間です。
還暦を過ぎたら歩いてみたいと思っていた「四国八十八個所巡礼」です。いまもフルタイム勤務の身ですので、「通し打ち」(1番から88番までを続けて一度に巡礼すること)はとても無理ですが、歩きにこだわらずとりあえず「発心」することにしました。学生時代以来の友とふたりでのお遍路の旅に出発します。
大阪・梅田の阪急イングスにウォーキングシューズと並んで巡礼グッズ売り場があります。とりあえず最低必要な品を買ってきました。菅笠、白衣、輪袈裟、金剛杖、納経札、納経帳です。合わせて9000円ちょっとしました。レシートの細目を見ると、すべて「スポーツ用品雑貨」とプリントされています。さして信仰心があるわけでもなく、スタンプラリーのノリですから、当たっていないとはいえません。それだけに、格好から入ったわけです。
ネットにはお遍路情報はあふれています。「線香やローソクは、門前の売店では高価。百均で買うべし」というのを読んで、ダイソーで入手しました。線香くらい「鳩居堂製」とまではいわずとも、それほどケチることはなかったかもしれませんが。
地図やガイドブックを買い込み、ルートをにらめっこです。
「因幡堂」とか「因幡薬師」と呼ばれる平等寺です。大きな香炉の脚は、邪鬼が支えてます。
四条烏丸のすぐ近くです。外人の参拝客にも出会いました。
赤い幟を奉納するようです。
「不明門通」。これは京都の地名でも難読の部類です。「あけずとおり」と読みます。平等寺の門がいつも閉ざされていたことから、通り名になったそうです。「京都検定」を受験したときに勉強しました。
泉涌寺を出るとすぐに今熊野観音寺があります。西国三十三個所の札所でもあります。その折は、紅葉の季節で、参拝者でいっぱいでした。
5日は、訪れる人もまばら。ゆっくりと歩きました。
日差しこそありませんでしたが、ずいぶん暖かくなりました。「お散歩カメラ(RICOH GXR)」をぶら下げて東山の泉涌寺を歩きました。
皇室の菩提寺として「御寺(みてら)」と呼ばれています。さすがに立派です。大門をくぐると、木立の中に仏殿がそびえます。
大門は重要文化財です。もちろん仏殿も。
入ってすぐの左手に楊貴妃観音堂があります。ここに観音像が祀られています。
楊貴妃観音像(重要文化財=いただいたパンフから)は、絶世の美女をいわれる楊貴妃を偲ぶ等身座像にかたどった聖観音菩薩像です。
月輪山には天皇陵が多くあり、菊の御紋章が。
御座所からみた勅使門です。
御座所の庭園です。
紅葉の頃はきれいでしょう。
仏殿の甍です。
洛陽三十三所には、観光寺院は多くありません。ほとんどが拝観料とは無縁ですが、ここは違います。門前と庭園の2個所で拝観料が必要でした。その値打ちはあります。