日帰りバスツアー「語り部と行く! 熊野古道を歩く旅」(阪急交通社トラピックス)は、この秋になって初めてでした。9、10月の2回は、発心門王子から湯の峰王子を経て熊野本宮大社に到着するルートでしたが、わたしはパスしました。今回は、発心門王子から伏拝(ふしおがみ)王子を経てまっすぐに熊野本宮大社を目指しました。
伏拝王子は、はるか京の都から中辺路を歩いてくると初めて熊野本宮大社が見えるところです。その喜びのあまり、伏して拝んだところからこの名前がついています。写真右中央の谷間に白く見えるところの上部が、かつて熊野本宮大社があった大斎原です。
スペインのサンティアゴ巡礼路にも、初めてサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂が見えるモンテ・ド・ゴソ(歓喜の丘)がありました。まるで同じです。
「紀の国」は「木の国」でもあります。
古道沿いの切り株には、必ずと言っていいほど石が積まれてました。サンティアゴ巡礼路の0.5キロごとの距離石、「モホン」の上にも、石は積まれてました。
【12:29】
発心門王子を出発します。この日は大型ツアーバスが4台もやってきて、中辺路は大にぎわいです。
ガイドの語り部さんを中心に、まずは恒例の体操で体をほぐします。
発心門王子は、五体王子として格別の崇敬を受けています。
藤原定家は、「熊野御幸記」でこの辺りを紅葉の名所と記録しているそうです。
【12:47】
この日の語り部さんは、初めて男性でした。訥々とした語り口ですが、博識で健脚でした。
この日のコースは「62」の手前から始まりました。500メートルごとに道標はあり、ゴールの「75」、7.5キロ先を目指します。
二ホンハチミツの巣箱です。
ホンシャクナゲは春過ぎに開花します。これはつぼみなんでしょうか。
【13:03】
八咫烏(やたがらす)が導いてくれます。
【13:13】
「歯痛の地蔵」です。この辺りは昭和40年代まで歯医者がなく、歯痛になると拝んだそうです。よく効いたそうです。
分校となっている地が水呑(みずのみ)王子です。
青空に紅葉が真っ赤です。
「木」も「気」も感じます。
【13:43】
杉や檜の間を、古道が抜けていきます。
【13:55】
美しい日本の里山の風景です。
果無(はてなし)山脈で、東西に18キロ連なります。
向こうのとんがっている山の右肩あたりが、高野山からやってくる「小辺路」の果無峠です。
正面の最も高い山は、大峰奥駈道に続きます。
【14:06】
2001年のNHK連続テレビ小説「ほんまもん」は、熊野・那智の山で育った主人公(池脇千鶴)が、料理人を目指し奮闘する姿を描いていました。あまり覚えてませんが、そんなのがあったような。
【14:12】
伏拝王子に到着です。立派な休憩所があります。
ツアコン嬢は、真っ先に到着して、押印張に参加者全員分のスタンプを押しています。
名物の「手作りしそジュース」でひと息入れました。
南天の実が真っ赤です。
【14:59】
小辺路との合流点、三軒茶屋です。石に「右かうやみち(高野道)」とあります。
西国札所1番の那智山青岸渡寺を旅だった西国巡礼者は、2番札所の紀三井寺を目指しました。
小辺路は、高野山まで78キロの道のりです。遠いです。
【15:53】
古道の石畳を下ります。もう熊野本宮大社は近いです。
ゴール間近の「75」です。向こうに熊野本宮大社の鳥居が見えてます。
【15:58】
最後の九十九王子となる祓殿(はらいど)王子です。
【16:03】
熊野本宮大社の境内です。郵便ポストは真っ黒で、八咫烏がとまっています。
拝殿に上がって正式参拝しました。
【16:42】
熊野本宮大社に参拝します。
これでわたしの「中辺路を歩く」はひとまずのゴールです。
京都から歩き続けている熊野古道は、紀伊宮原でストップしたままです。こちらも中辺路がスタートした滝尻王子まで歩き続けます。
霊験あらたかな「ヤタガラス導き御守」を購入しました。
ツアーです。完歩証や祝の箸を授かりました。