QUAD22邂逅(6) 昔のLPに聞き惚れる

 反田恭平&ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)コンサート2025が始まりました。わたしは来週の奈良公演のチケットを確保しています。そこで反田くんが弾き振りするモーツァルトのピアノ協奏曲を予習しました。
 YouTubeで音源を探していると、ルーマニア生まれの女性ピアニスト、クララ・ハスキルの演奏がありました。懐かしい名前でした。素晴らしい演奏でした。
 LPを持っていたはずだと探しました。出てきました。20番と24番のP協でした。QUAD22とつなげて夕食後のレコード鑑賞会となりました。

 ジャケットに「S47.10.11 ビーバー」と鉛筆で記されています。
 ビーバーというのは、京都・河原町六角の京宝会館1階にあったレコード店です。下鴨の家に帰るバス停が、その前にありました。バス待ちにのぞいていました。学生時代のそんな日に買ったのです。

 英国製プリアンプ、QUAD22の修復は続いています。
 課題は、プッシュスイッチを使ったセレクターです。6つも並んでいます。1つのスイッチに12個もの接点があります。6×12=72。これらすべてが正確にON-OFFを切り替える必要があります。

 根気よく、接点を無水アルコールで清掃して汚れを取り除きました。それにも限界があります。
 スイッチをちょっと動かすと、つながったり、切れたり。その繰り返しで動作が安定しませんでした。

 スイッチ回路は、まるで迷路です。
 カラーペンで結線を追い、ホワイトマーカーで余分は線を消して。毎夜のごとく「ボケ防止!」と自らに言い聞かせて回路図とにらめっこしました。
 

 真空管ソケットも古くて、接触不良が疑われました。タイト製の新しいものと取り替えました。

 オリジナルのムラード製真空管、EF86の1本のフィラメントが断線していることもわかりました。ショックでした。

 あれこれと課題山積ですが、とりあえすはハスキルの素晴らしいモーツァルトを奏でてくれました。

QUAD22邂逅(5) たったの抵抗1本で

 モーツァルトのディヴェルトメントK.136のヴァイオリンがきれいに響きました。
 古い英国製のプリアンプ、QUAD22を同じ英国製のスピーカー、TANNOY3LZにつないで聴きました。きれいな音が出てほっとする瞬間でした。そして「初恋の君」に聴き惚れました。
 前回の試しの音出しでは、チューナー(ネットラジオ)の音は出ていました。ところがLPを聞くためのフォノ入力は、片チャンネルしか音が出ませんでした。やはい古い真空管が死んでるのだろうかと気をもみながらも、あれこれと調べました。

 この抵抗1本の劣化でした。

 規定値は1.5MΩです。取り外してテスターで測ると、なんと7.72MΩもあります。これでは断線しているのに等しいくらいです。

 フォノ入力を増幅する初段管(EF86)のスクリーングリッド抵抗でした。同じ値の抵抗の持ち合わせがなかったので、適当に2本をシリーズにして仮接続しました。これだけのことで蘇生しました。

 コンデンサーのようにパッケージが割れるといった不良だとすぐにわかるのですが。

 赤い矢印が不良な抵抗でした。
 ステレオですので、この部分は左右が対称に配線されています。2つの抵抗の表示値はカラーコードが同じですが、明らかに外形が違います。誤差を表示するカラーは、金(5%)と銀(10%)です。他のパーツとも比較すると左はオリジナルではなく、後に交換されていたようです。
 なんだかここが怪しいと抵抗値を測定して異常に気付きました。 

 肝心の音です。なかなかいいんです。中低音の膨らみに欠けるようでもありますが、「こっちの方がヴァイオリンの音がしている」と、耳のよい奥さまの評です。
 寄る年波相応に潤いをなくしているようです。でも手を加えれば魅了を取り戻してくれそうな希望が見えてきました。

 

QUAD22邂逅(4) 緊張の音出し

 古い英国製のプリアンプ QUAD22の修復作業はぼちぼちと進んでいます。
 時代を経ると必ず劣化するパーツが電解コンデンサーです。どうしても直しておきたかったものを、新品と取り換えました。
 配線を確かめて、恐る恐る電源をオンにしました。しばらくして、それが長い時間に感じましたが、つないだネットラジオの音楽が鳴り響きました。
 ひとまずAUX端子の音出しは確認できました。

 取りはずした電解コンデンサーや音量調節用のボリュームです。

 古いままの状態です。

 電解コンデンサーなどを取り換えました。黄色いパーツや、右端の2個などです。

 電源平滑回路に使われているブロック・電解コンデンサー(左)は、頭の部分が膨れているようでした。
 同じパーツは手に入らないので、耐圧が同じコンデンサ3本を束ねて代用しました。容量は6倍ほどに増えています。 

 古いコンデンサーをテスターで計測しました。案の定、大丈夫なのは1回路だけで、あとの2つはとんでもない数値となりました。

 ボリュームも、古いのは回転にスムーズさが欠けていて、いかにも雑音が出そうでした。
 新しいものと取り替えました。

 セレクタースイッチの接点は真っ黒く汚れていました。綿棒に無水アルコールを浸して1ヵ所づつ清掃しました。
 作業はまだまだ続きます。

QUAD22邂逅(3) 電源の製作

 古い英国製プリアンプ、QUAD22の蘇生です。
 このアンプは、メーンアンプとセットで使用する前提で、電源はそちらから供給されます。わたしは単独で使用するので、電源が必要です。いうなれば心臓を手配する必要がありました。
 ジャンク箱を漁り、買い足したパーツを追加して人工心肺ができ上がりました。ケーブルで本体と結んでみました。電源をONにするのは、まだ先です。

 アルミケースをネット通販で購入しました。ドリル、シャーシパンチ、ハンドニブラーといった工具を使って加工しました。久しぶりの力仕事でした。

 トランスなどは古いパーツの流用です。

 おおかたの配線ができました。

 恐る恐る電源を入れました。爆発音は響かず、ヘンな煙は上がらず、臭いもしませんでした。
 テスターでB(高圧)電圧を測定すると、ほぼ予定通りの350Vとなっていました。安定化させたヒーター電圧も6.1Vと予定通りでした。
 電源はこれで完成です。いよいよ次段階は本体のテストです。

QUAD22邂逅(2) 後ろ姿をリフレッシュ

 思いがけずもヤフオクで競り落とした英国製プリアンプ、QUAD22です。「初恋の君」とはいえ、製造から半世紀ほどがたっており、さすがにその容姿に老いが目立ちます。まずは背面のリフレッシュにとりかかりました。
 上がアフター、下がビフォーです。
 入力端子のRCAコネクターが、どれも劣化しています。これでは接触不良を起こすのが確実です。すべて新品に取り換えました。

 太いケーブルが2本、ゴムブッシュで引き込まれています。
 QUADⅡというシングル・メーンアンプ2台と結んでセットで使用するようになっています。電源はメーンアンプから供給されます。
 しかし、セットのメーンアンプを導入する予定はありません。コントロールアンプとして単独使用するには不要です。

 2本のケーブルを撤去しました。

 空いた丸穴はアルミ板で埋めました。左側に出力用のピンジャックを新設。右には電源供給用のコネクターをつけました。

 フォノやCD、チューナーなどの各メディアの入力用のピンジャックも配線し直しました。

 なんとか使用に耐えられそうな格好がつきました。

QUAD22邂逅(1) 初恋のプリアンプ

 半世紀も昔となったわたしが学生だったころの話です。それまでのアマチュア無線からオーディオにも興味をもつようになりました。
 初めて作った真空管式のプリ(コントロール)アンプは、英国製のQUAD(クォード)22の回路をコピーしたものでした。オーディオ雑誌に製作記事が掲載されていました。残念ながら使用のレベルまで完成させることができなかった、いわば「初恋」のアンプでした。
 ホンモノなんて高嶺の花。大阪・日本橋の電気店街で拝んだような記憶はあります。
 それが今、わたしの机の上にあります。ヤフオク(ヤフー・オークション)で破格の低価格で落札したのです。 

 プレートにはACOUSTICAL MFG社製と書かれています。英国・ケンブリッジ近くのハンティングドンにある、1936年創業のオーディオメーカーです。
 QUADⅡというメーン(パワー)アンプとセットするコントロールアンプとしてQUAD22は1957年に誕生しています。
 シリアル(製造番号)は2万9000台ですが、それでも製造から60年ほどは経過しているのでしょう。
 真空管式のラジオやテレビなんて、もう家庭で見かけることはありません。そんな時代の製品をありがたがっているのです。

 音量調節のためのツマミが欠品となっています。それでヤフオクの競争相手が少なかったのでしょう。
 さて、どうしたものか? 大きな課題です。

 ケースをはずしてみました。ホコリはそれほどありませんでした。
 比較的小さなケースにきっちりと組み込まれています。ケーブルやパーツの足が直角に曲げられるなど、びっくりするほどの几帳面さです。これが英国人気質だったのでしょうか。

 上面もすっきりとしています。

 真空管を抜いてみました。オリジナルのものがささっているようです。
 左2本のEF86は英ムラード製です。右のECC83(12AX7)はMAZDAとあり、なんとポーランド製です。初めて見たブランドの球です。

 ブロックコンデンサ―など各所にMade in Englandの文字があります。

 プッシュスイッチの動きが鈍いので、分解修理のためにパネルを取り外しました。

 肝心の動作ですが、このプリアンプには電源がついていません。その製作から始める必要があります。
 ネットから拾ってきたきれいなQUAD22の画像です。ここまで修復するのは無理とわかっていますが、しばらくはこれで遊びます。

真空管プリアンプ 「球転がし」を楽しむ

 わが家の真空管式オーディオ装置のうち、プリ(コントロール)アンプの球(真空管)を交換しました。故障したわけではなく、球によって出てくる音が微妙に違うからです。まあ、アクセサリーをとっかえひっかえしているようなものです。
 左側の2本が12BH7Aという規格の真空管です。新たにゲットした米国のGE(General Electric)製と交換しました。
 真空管は、昭和の時代にトランジスタにその座を追われ、ほぼ姿を消しました。それでも「音が柔らかい」といった理由から、一部オーディオ・マニアの間では今も愛用されています。 

 これまで使ってきたのはMade in USAのSylvania製でした。

 GE製は、わたし自身へのお年玉としてヤフオクでゲットしました。
 昔はテレビで使われていたポピュラーな球でした。現在では生産されておらず、当時の球が細々と流通しています。

 これまでの球転がしの歴史です。5種類もあります。
 左からGE、Sylvania、日本の東芝の12BH7A、ロシアのerectro-harmonix製の12BH7AEH、スロヴァキアのJJ-Electronic製ECC99(12BH7A同等管)と、差し替え可能なほぼ同一規格ですがメーカーが異なります。 

 並べてみると、太さや高さ、プレートの大きさなどが微妙に違います。

 Sylvania製は、使っていなかった2本と合わせて4本もあります。
 白箱は、これまた使っていないCV4024が4本です。

 このCV4024は、今後も使う予定がないので目下、ヤフー・オークションに出品中です。わずかですが、転売での高収益を期待しています。

 リビングのオーディオ装置です。左下がプリアンプ、右が300Bシングルのメーンアンプです。
 ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団のモーツァルト・ディヴェルティメントK136のLPが心地よく響きます。
 わずかなことですが、高音がすっきりと響くようになり、あわせて中低音もまろやかになったというのが、今回の球転がしの感想です。もっともプラシーボ効果を含んでいます。ゴールは存在しないようなものですが、そこへのルートを楽しんでいます。

 このプリアンプとは、もう10数年のつきあいです。
アナログ回帰 コントロールアンプも管球式に

ミクロブライト・ワンマンLIVE in 島本町 爆音に驚愕!!

 ミクロブライト(MikroBritz)というヴァイオリンとピアノのユニットのライブを体験しました。わが町・島本町出身の2人による「我らが地元への恩返しがしたいねんLIVE!」でした。
 響くんは、なん分の1かの小さなヴァイオリンを弾き始めたころから知っています。その今、が奏でる柔らかな調べや、初体験の炸裂する爆音に曝されながらも、目指している音楽の片鱗に触れることができました。

 クラシックは、「タイスの瞑想曲」の1曲だけでした。
 この曲って、響くんのお母さんのヴァイオリン、わたしの奥さまのピアノの2人が、息子たちの通う保育園で演奏した30数年前を思い出しました。

 「高校(堀音)の先輩の髪の毛もじゃもじゃの・・・を演奏します」で始まった「情熱大陸」です。

 2部を前にペンライトが配られました。真ん中からポキリと二つ折りすると、中の成分が化合して発光するということを初めて知りました。

 なるほど赤と青に光ります。これを音楽に合わせて振りました。

 オリジナル曲が次から次へ。アンコールもあって、熱演は続きました。

 会場は、わたしの住むマンションの窓から見下ろす歯科医院の2階囲碁サロンでした。たぶん、わたしが会場に一番近くに住むリスナーでした。
 わたしがお世話になってきた歯科の善先生も、囲碁教室の関山利光九段も最前列におられました。

 ミクロブライトのファーストCD「共震」が、全国発売されました。

 ミクロブライトに詳しいです。

凧をつくる その2 四面体凧は浮上せず

 お正月に孫娘と揚げるのを楽しみにじーじが製作した四面体凧です。
 きょうは朝から風が吹いていました。車で5分ほどの淀川河川敷の公園に出かけました。
 風を受けてフワリ!! とはまいりませんでした。浮力が足りません。せいぜい地上2ー3メートルほどを不安定に上下するだけでした。

 なんとか片手でタコ糸をもち、もう一方でデジカメを構えて撮影した画像です。

 淀川の起点近くの右岸です。向こうは天王山です。

 マンションの窓から、前の木の枝の揺れを見る毎日でした。きょうはざわざわと小枝が揺れていました。

 いざ出撃! でも結果は無残でした。

 製作編はこちらです。
 凧をつくる 2025モデルは「四面体凧」

X’masに「ヒンメリ」を飾る

 フィンランド伝統のクリスマス装飾、「ヒンメリ」を飾りました。日本のお正月の松飾りみたいなもののようです。
 つくったのは大小2つの生八面体が重なっている基本形です。上の星形は今夏につくりました。 
 サンタクロースは、3日連続でこのブログに登場です。

 ライ麦の穂でつくります。でもそんなものは手に入りません。夏にホームセンターで買ったヨシのすだれの節がない部分を切りました。両端が割れないように、木工ボンドで処理しました。

 ピアノ線を使って糸を通していきます。

 2つのヒンメリを組み立てている最終段階です。

 先日、のぞいたJR京都のジェイアール伊勢丹の北欧展でもぶら下がっていました。いい値がしてました。