JR水郡線常陸大子駅、午前6時12分-
一番列車には時間があるのに、お嬢さんが独り、無人の改札を通り抜けた。きょうは日曜日。東京にでも出かけるのだろうか。
水郡線は、茨城県水戸から福島県郡山に向かって単線が延びている。正確には水戸から、郡山のひとつ手前の安積永盛間137.5キロと、支線の上菅谷-常陸大田間9.5キロを走っている。
常陸大子(ひたちだいご=茨城県久慈郡大子町)は、久慈川に沿った奥久慈連山の山懐にある。
夜明け前のプラットホーム。始発列車が待機線で暖機運転していた。
常陸大子の駅前には、お決まりの丸いポストが現役で。
駅前で円陣を組むかのような暴走族風。でも「原チャ」ばかりで、懐かしいスーパーカブも。無言でひと時を過ごしたあと、「じゃ」と静かに帰途に着いた。数少ない信号のある駅前の交差点では、だれもこないのにお行儀よく青になるのを待っていた。
6時32分。東の山から太陽が顔を見せた。きょうも良い天気だ。
6時34分、始発列車が水戸に向けて出発していった。
キハE130系の気動車ばかり。それでも1両の両端に運転台があるタイプと、片側だけで2両固定編成のがある。
もう少し走ると福島県になる。
水郡線は、昭和52年に「開業50周年」を迎えてた。
3時39分、帰りの列車が郡山からやって来た。
夕闇に包まれた常陸大子駅(撮影は前夜)。
かつては日本のどこにもあったであろう、懐かしさを感じさせてくれる駅だった。