関西空港です。これから出発します。
カタール航空で、まずはドーハまで飛びます。三浦カズの「ドーハの悲劇」くらいしか思い浮かばない砂漠の都市です。
こんな時間に出発するのは初めてです。機内食ってどうなるんでしょう。ま、ワインでも飲んで眠れたらいいのですがね。
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サンティアゴ巡礼に連れていくカメラはどれにするか? というほどカメラコレクションはありませんが、とりあえず4台。
右から、NIKON D500+TAMURONズーム めっきり出番は減りましたが、わたしのメーン機です。
RICOH GXR+A12 四国88カ所のお遍路カメラとして導入しました。交換レンズ(感光ユニットごと交換)も追加して、満足の写りです。昨年のチェコ・ドイツ旅行でもいい記録を残してくれました。このユニットの欠点は、マクロ(接写)機能がないため、食事が写せないことです。
次は、RICOH GRDigitalⅢ わたしの「昼飯カメラ」として、いつも一緒でした。これでわたしの撮影スタイルが確立されました。19ミリという単焦点と、抜群のレンズの明るさが長所でもあり、短所でもあります。
サンティアゴ巡礼は、すべての持ち物を背負て歩きます。10グラムでも軽いに越したことはありません。「余分なトイレットペーパーでも捨てたくなる」といった体験談を読みました。愛する「GRDⅢ」だけにするか。ずいぶんと迷いました。
そこに登場したのが、「CANON PowerShot S110」(左)です。ネットの評判に、どんなものかと最安値のショップから購入しました。で、最近は、こちらに乗り換えてしまいました。小さな図体ですが、レンズはそこそこ明るく(f2.0)、4倍ズームです。画質も文句ありません。
というわけで、愛するGRⅢを押しのけて、わたしの常用カメラに昇格していました。これを持ってサンティアゴ巡礼に出発します。
予備カメラは、この画像を撮影したiPhoneです。
巡礼中の荷物は、当然のことながらすべてをわが背に負って歩きます。
四国のお遍路でもやっていることです。学生時代の縦走登山では、1週間分の食料までキスリングで背負ってました。
でも、もう歳です。できる限り軽くしようと持ち物は厳選しました。とはいえ、あれもこれもと、ザックは膨らみます。
天気予報を見ていると、スペイン北部はこの週末に雨が降り、その後、ぐっと気温が下がるようです。最高気温が20度なんて予報の日もあります。日本もそうですが、一気に秋到来のようです。
暑い夏のつもりで準備してましたが、これは大変です。長袖Tシャツを追加し、ユニクロのウルトラライトダウンのジャケットまで引っ張り出してきました。
ザックはOSPRAYの38Lです。同容量のザックでは、比較的軽いです。
ブランドのOSPRAYは、猛禽類のミサゴ。米軍が沖縄に配備するの垂直離着陸機と同じですネーミングです。
張り付けたワッペンは、サンティアゴ巡礼に関する情報を入手してきた「Pilgurim Forum」のものです。巡礼路の方向を示す矢印がデザインされています。
ハポネ(Japanese)とわかるように日の丸も縫い付けようかと思いました。でも、8日にはオリンピックの開催地が決まります。東京が勝てば(ならいいですが)、マドリードでは反感を買うのではと懸念して、やめました。
「巡礼中の荷物は、体重の10分の1を目安に」といわれています。
ちょっとオーバーしてますが、まあ、こんなものでしょう。
イエスの十二使徒のひとり、聖ヤコブ、スペイン語ではサンティアゴの遺骸が発見された町、サンティアゴ・デ・コンポステーラは、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教3大聖地のひとつです。ヨーロッパ各地からそこを目指して巡礼者が旅をしてきました。
いくつもの巡礼路ができましたが、そのひとつが「フランスの道」です。遠くパリまでも延びてますが、現代ではフランス北西端のサン・ジャン・ピエ・ド・ポー(SJPP)がポピュラーな出発地となってます。ここから徒歩でピレネー山脈を越えてスペインに入り、はるか780キロも西にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。5週間かかります。
わたしもそこを巡礼したかったのですが、いまは時間的余裕がありません。完全フリーとなる数年後に体力的余裕が残っていれば再チャレンジするとして、今回はそのトライアルという位置づけです。最後の100キロ超を5日間で歩く計画です。
Sarria/サリアという町がわたしのスタートです。そこから歩き始める人が一番多いそうです。
ルートマップ「Camino de Santiago Maps」はネットで英国の書店から購入しました。10.99EUR(約1300円)でした。平均的な巡礼者が1日に歩くペースに合わせて編集されています。
開けているページは、わたしが巡礼1日目に歩くサリアからPortmarin/ポートマリンまで22.4キロのコースです。
サンティアゴ巡礼のパスポートとなるのが「巡礼手帳」です。Credencial/クレデンシャルといいます。本来は、自分が住む地区の教会で「巡礼者である」と証明されることで、旅の安全が保証されました。
わたしの巡礼手帳には東京カテドラル聖マリア教会の証明印が押されています。クリスチャンではありませんが、「スピリチュアル(精神的理由)で巡礼する」ということで認められました。実際には、日本で唯一公認されている「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」が発行してくれます。
これを持っていると、アルベルゲという巡礼者用の宿泊所に安価で泊まれます。博物館や美術館入場がサービスされたり、急な医療を受けることもできます。
蛇腹式に折りたたまれていて、スタンプを押してもらうスペースがあります。巡礼の記録帳でもあり、途中の教会やアルベルゲ、レストランやバール(軽食堂?)などでスタンプを押してもらいます。
徒歩による巡礼は、最後の100キロ以上を歩くとが条件です。それが証明されると、コンポステーラと呼ばれる「巡礼証明証」をもらうことができます。
スタンプラリーのノリです。西国33所や四国88カ所のお遍路も、納経帳に朱印を集めていきます。どこか共通するようです。
「Paso a paso」というのを、わたしのサンティアゴ巡礼のタイトルにしました。スペイン語で「一歩一歩」という意味です。読んで字のごとく「パソ・ア・パソ」と発音します。
この春から、NHKのラジオ講座「まいちにちスペイン語」の音声をi-Phoneにダウンロードして、毎朝の通勤車内で聞いてきました。そのサブタイトルが「Paso a paso めざせ96番地」です。半年間の放送が96回あることからのネーミングです。さしずめわたしは「どたぐつをはいて Paso a paso めざせサンティアゴ・デ・コンポステーラ」といったところで、一歩一歩ゴールを目指します。
肝心のスペイン語は、まだ二三歩しか歩んでいない感じです。ほんの少し、その音に慣れたかな。ま、「オーラ!」とあいさつしていれば、なんとかなるでしょう。
どうしてもという場合の秘密兵器はこちら。タブレット端末「NEXUS7」にインストールした「指さしスペイン語」です。
「La cuenta,por favor.」を指さして、お勘定を頼む段取りです。オリジナルは紙に印刷された本ですが、アプリ版をNEXUS7にいれているので、指さすとスペイン語で発声してくれる機能までついてます。
初めてウィーンを訪れた時も「ドイツ語」を持っていきましたが、出番はありませんでした。さて、今回はどうなるでしょうか。
来週は、ちょっと遅い夏休みを取ります。今夜、関西空港を飛び立って、独りでスペインへ旅立ちます。
サンティアゴ巡礼のことを知ったのは、3年半前に立ち読みから購入してしまった「世界遺産 サンティアゴ巡礼路の歩き方」です。その後、四国88ヵ所の区切りお遍路を始めました。まだ、結願までに讃岐路が残っています。
でも、気持ちは先に先に進みました。この間に、病を患った影響もあります。歩けるうちに歩きたい。今年の初めには「初夢 サンティアゴ巡礼」と書いてました。もう行く気満々だったのです。映画「THE WAY(星の旅人たち)」のDVDをゲットました。
8回目のヨーロッパとなります。一番安いチケットを春に予約しました。初めての南回りで、ドーハ(カタール)を経由してマドリードへ。サリアという町までスペイン国鉄に乗り、そこから5日かけて100キロ超を歩きます。目指すは、キリスト教3大聖地のサンティアゴ・デ・コンポステーラです。
サンティアゴ巡礼に関しては、こちらをご覧ください。
今回の旅には、タブレット端末のNEXUS7を持ってい行きます。スペインは、WiFiが普及しているようです。できるかぎり、このブログを更新していきます。
60余歳にしての、初めての海外独り旅でした。
サンティアゴ巡礼の「フランスの道」。その一部分、サリアから聖地・サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの110キロ超を歩きました。
コンポステーラ/巡礼証明書をいただくことができました。
わたしにとっての人生のひと区切り。それを明確に刻むことができた巡礼路でした。
【プロローグ】
・サンティアゴ巡礼の旅に出発します
・「一歩一歩!」 サンティアゴを目指す
・わたしの「巡礼手帳」
・サンティアゴ巡礼「フランスの道」
・8キロ超のザックを背負って
・1ユーロ=135円 ああ、円安!
・サンティアゴ巡礼カメラは 「CANON S110」
【2013/09/06】
・行ってきます
【09/07】
・ドーハ空港は、暑いです
・近代的なドーハ空港
・マドリードは人でいっぱい
・マドリード 「Cafe de Levante」 サングリアで乾杯
・トウキョウ おめでとう from Madrid
【09/08】
・巡礼前日 マドリード~サリア
・サリア 「Meson o Tapas」 MENU
【09/09】
・巡礼1日目 サリア~ポルトマリン
・いよいよ巡礼を始めます
・サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと100キロ
・ポルトマリン 「BAR A COBA」 巡礼者の胃袋
・ポルトマリン 「Posada del Camino」のピルグリーノ・メニュー
【09/10】
・巡礼2日目 ポルトマリン~パラス・デ・レイ
・サンティアゴ巡礼にも「お接待」
・パラス・デ・レイで食べたボカディージョ
・パラス・デ・レイ タコに舌つづみ
【09/11】
・巡礼3日目 パラス・デ・レイ~アルスーア
・「HOTEL SUIZA」のハプニング
・コーラって、こんなに美味しかったの
・ピルグリーノになりました
・アルスーア 木陰でスパゲティとWiFi事情
・Arzua Hotel SUIZA で風に吹かれて
・ 「HOTEL SUIZA」の満足すぎる夕食
【09/12】
・巡礼4日目 アルスーア~ラバコージャ
・Labacolla 「SAN PAIO」食前酒はシードラ
・「SAN PAIO」の失敗ディナー
【09/13】
・巡礼5日目 ラバコージャ~サンティアゴ・デ・コンポステーラ
・モンテ・ド・ゴソの丘の上 あれがサンティアゴだ!!
・わたしのコンポステーラ
・何度も仰ぎ見る大聖堂
・サンティアゴ大聖堂の巡礼者ミサ
・大聖堂のボタフメイロ
・サンティアゴ大聖堂 聖ヤコブに抱擁
・サンティアゴ・デ・コンポステーラ 「Bispo」のタパス
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの夜をリングワンデリング
【09/14】
・巡礼翌日 サンティアゴ~マドリード
・マドリード 「プラド美術館」でマルガリータと逢う
・続・マドリードは人でいっぱい
・マドリード 旅の最後は丸くまーるく大団円
【09/15】
・マドリード・バラハス空港 帰国のザックはグルグル巻き
・QATAR AIRWAYS 長い長い帰り道
・ドーハ空港の不思議なビール
・カタール航空の機内食(帰国編)
【コラム】
・renfe(スペイン国鉄) 「Alvia」に乗る
・サンティアゴ巡礼の旅 朝食は簡素
・マドリードの地下鉄
・モホンに導かれて
・The pilgrimage to Santiago in September 2013
【エピローグ】
・自慢のコンポステーラを飾る
・「東京カテドラル聖マリア大聖堂」を訪ねる
・「Paso a paso Camino de Santiago 2013」 CDが完成