大阪・天満橋から歩き始めた「熊野九十九王子を往く」は、早くも「その6」になりました。梅雨の真っ最中だというのに、真っ青に晴れあがった日曜日(29日)、JR海南から紀伊宮原まで15キロほどを歩きました。暑かった。予定ではこの先の湯浅までのつもりでしたが、あまりの陽ざしに降参しました。
熊野古道は、今回初めて古道らしい雰囲気となりました。急坂の峠を2つも越えました。
五体王子社のひとつ、藤代王子社を祀る藤白神社は大きなクスノキに覆われています。
アガパンサス (紫君子蘭)の薄紫がきれいです。アゲハチョウが忙しく飛び回ります。
【08:57】
自宅最寄りのJR島本を6時15分ごろに出発しました。大阪から紀州路快速に、さらに和歌山で各停に乗り換えてやって来ました。日帰りも今回が最後でしょうか。
JR海南駅前の歩道には、熊野古道とデザインされています。
【09:14】
前回との中継点、一の鳥居跡です。これからスタートです。
【09:18】
民家の間を抜けて、山道に入ります。
古道に沿って、ずらりと四国八十八カ所巡りの石物が並んでいます。これまでに目にしたことがに光景です。
【09:22】
祓戸王子跡は、ちょっとした峠のような見晴らしが良かったと思われるところにあります。今は灌木の中です。
【09:28】
街道に戻り、次の藤白神社を目指します。
【09:34】
全国の鈴木姓のルーツという「鈴木屋敷」です。庭には源義経ゆかりの松もあります。
【09:38】
藤白神社は、九十九皇子の中でもひときわ格式の高い五体王子社のひとつ、藤代王子社を祀っています。
あちこちでアジサイが満開です。
【09:38】
悲劇の皇子、有馬皇子(みこ)の墓があります。
「家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る」
そんな歌碑が立っています。
その傍らには丁石地蔵が祀られています。藤白峠まで17体の丁石地蔵が続きます。多くは近年に再建されたのだそうですが、風情が残る峠道です。
【09:55】
このあたりはどちらを向いてもミカン山です。搬出のための小型モノレールがあちこちに設置されてますが、ほとんどが使われずに、朽ち果てつつあります。ミカンは収穫されなくなったのでしょうか。
【09:56】
四丁石からは、登りが急になります。
【10:03】
にぎやかに祀られた七丁石です。
【10:05】
海南のコンビナートから、遠く和歌浦までが見渡せます。
【10:08】
十七丁石の半分くらいが峠かとも考えてましたが、のぼりはまだまだ続きます。
【10:15】
「硯石」と名付けられた大きな石が、道の真ん中に横たわっています。
【10:24】
やっと峠を登りつめたと思ったら、そこに道路があり、民家がありました。ちょっと拍子抜けです。
民家の横に大きな石造宝薬篋印塔が立っています。
【10:27】
藤白塔下王子跡がある地蔵峰寺です。
背後に回ると、和歌山県の朝日夕日百選に選ばれている「御所の芝」があります。はるか紀伊水道が見渡せます。
アザミが大きな花をつけています。
何の脈絡もなく、中島みゆきの「アザミ嬢のララバイ」ってどんな歌だっかな・・・。
【10:41】
「柏手ポイント」とあります。手を打ってみると、1秒ほどのタイムラグで「ポン」とはっきりとした反響音が返ってきました。
【10:43】
いったん、みかん山を向こうの谷底まで下ります。
【11:00】
橘本王子跡がある阿弥陀寺です。
ノウゼンカヅラが大きな花を開いています。
【11:05】
木製の「土橋」を渡ります。
こちらのチョウもいそがしそうです。
【11:13】
所坂王子跡が残る橋本神社です。
【11:26】
暑いです。古いガイドブックには、ここから先は紀伊宮原まで飲料水販売機はないとあります。あわててペットボトルと飲料缶をゲットしました。
【11:33】
一壺王子跡の山路王子神社です。
九十九王子が次々に現れて、気がまぎれます。
【11:49】
民家のひさしに「熊野古道」の提燈がかかっています。
それにしても急坂です。拝ノ峠はまだ先です。
【12:18】
やっと峠を越えると、下津の町が見えます。
【12:26】
海南市から有田市に入ります。
【12:30】
蕪(かぶら)坂塔下王子跡です。
【12:33】
有田市に入って、熊野古道の案内板のデザインが変わりました。
【12:58】
紀伊宮原の町が見えてきました。向こうに有田川が流れてます。当初はこれから2時間ほど先の湯浅まで歩くつもりで出発しました。でもあまりの暑さにダウンしました。無理をせずにリタイアするかと考えながら歩を進めます。
山口王子跡で、コンビニで仕入れいたにぎり飯をほお張りました。ちょっとは元気回復です。
【13:27】
宮原の町を進みます。
【13:37】
JR紀勢線の踏切までやってきました。左に進むか、右に曲がっておしまいにするか。で、あまり迷わずに、本日打ち止めの道を選びました。
【13:41】
JR紀伊宮原駅で、本日のゴールです。
駅前にはコンビニ一軒ありません。ということは、クールダウンのための缶ビールもゲットできません。仕方なく自動販売機のアイスキャンディーで我慢です。
JR紀伊宮原から大阪までで片道運賃は2000円近くかかります。時間的にも日帰りはほぼ限界でしょうか。
紀伊宮原に到着しても、NEXUS7のアプリをオフにするのを忘れてました。
JRでひと駅、箕島に着いたときに思い出してオフにしました。この間は4.4キロです。ということは、この日の歩行距離は13.5キロという勘定です。その割には、もっと歩いたのにという感想です。暑かったうえに、急坂の峠を越えたからでしょう。