信州木曽・上松 赤沢森林鉄道のかわいい車両たち

 赤沢森林鉄道の米国・ボールドウィン製蒸気機関車(SL)です。動態保存されています。
 木曽谷のヒノキを搬出するため大正初期に木曽森林鉄道が敷設され、その動力車として導入されました。
 森林を走るため、煙突から火の粉が出ると山火事が危険です。そのため、煙突に集塵設備をつけており、こんな愛敬のある顔になりました。日本林業遺産に指定されています。

 年齢を感じさせないたくましい動輪です。

 スチーム釜が、運転席にまで張り出しています。運転は、熱気との闘いだったのでしょう。

 1929年製造のプレートがついています。

 車庫内には、他にもいろんな車両が保存されていました。

 4人乗りのかわいい小型モーターカーです。最大出力は、20PSしかりません。
 作業現場との連絡や、線路の点検などに使われたそうです。

 こちらのモーターカーは、もう少し大きいです。作業員の家族らが町に出る足として使われたのでしょうか。

 C4型ディーゼル機関車です。10トン級の馬力を誇り、運材列車20両をけん引することができました。

 特製C型展望客車です。乗り心地を改良して6席の展望席が設けられています。
 昭和32年に、当時の皇太子殿下が乗られたそうです。

 こちらの客車も立派です。

 横に回ってみると、なんと「理髪車」でした。

 内部には、理髪店の椅子が備え付けられています。
 森林の作業員は、理髪のために町に降りなくても、散髪屋さんがやって来たのです。

 長編成の運材列車は、最後尾には非常制動用の小型車両「カブース」を連結していました。それが朽ち果てる格好で残っていました。

 展示室に飾られていた資料写真の1枚です。こんな雄姿を見てみたかったです。

 蘇った赤沢森林鉄道は、長い煙突がユーモラスな北陸重機製のディーゼル機関車、ATF-01がけん引しています。

 トロッコ車両は5両、木曽5木の木の名前が車両名になっています。