デュアル・ピルグリム 中辺路を歩く1日目

 世界遺産の2つの巡礼路、サンティアゴ・デ・コンポステーラの道と熊野古道は、姉妹参詣道となっています。両方の巡礼を達成した人は「デュアル・ピルグリム」として認定されます。わたしは両方の道を歩いたことはありますが、認定は受けていませんでした。
 「共通巡礼手帳(クレデンシャル)」(画像下)をいただいて中辺路(なかへち)を歩き、続けて5月にはポルトガルの道を巡るつもりでいました。ところが予期せぬコロナウイルスの大流行で、あえなく挫折。中辺路だけを歩いて、過去のサンティアゴの記録とあわせてデュアル・ピルグリム認定を目指しました。

 中辺路の起点、滝尻王子です。1日目は、ここから高原熊野神社(トップの写真)までを歩きました。
 熊野本宮大社まで37.5キロあり、2泊しました。 

 高原霧の里休憩所からは、熊野の山々が臨めました。風が強くて肌寒かったですが、きれいに晴れ上がりました。


 【2020/03/23 08:40】
 熊野へは、JR大阪駅からジェイアールバスで向かいました。白浜マリンワールドに向かうカップルでいっぱいでした。

 【12:01】
 紀伊田辺で下車しました。駅の隣にある観光センターに飛び込み、共通クレデンシャルとルートマップをいただきました。

 昼飯をと駅前を探しましたが、適当な店がありません。
 仕方なく、塩ラーメンとチャーハンのセットで済ませました。あっさりとしたうまいラーメンでした。

 【13:37】 
 田辺から竜神バスで40分ほどで滝尻にやって来ました。ここで降りたのは外国人女性3人グループと、日本人女性2人連れでした。

 2014年に日帰りバスツターで何度かに分けて中辺路を歩いたことがあります。それ以来の懐かしい風景です。

 ひっそりとした滝尻王子です。

 クレデンシャルに押印しました。

 王子というのは、熊野権現の御子神だと考えられています。 熊野詣がブームとなった後白河法皇らの時代に、紀伊路・中辺路に沿って多くの王子が生まれました。それらは総称して熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)と呼ばれました。
 わたしは九十九王子にそって、大阪・天満にある熊野街道の始点から、途中の紀伊宮原まで歩いたことがあります。そこから滝尻までは、未完のルートです。

 【13:52】 
 きょうのゴールの熊野高原神宮まで3.4キロは山道の連続です。

 初っ端から急坂となります。

 胎内くぐりという大岩です。

 潜ってみましたが、ザックがつかえるので引き返しました。

 乳岩は、奥州の藤原秀衡にまつわる逸話が残っています。

 不寝(ねず)王子です。石碑が建つだけです。

 道標は500㍍間隔で立っています。

 この数字を数えていると、歩いた距離や、目的地までの距離がわかります。
 サンティアゴ巡礼路のモホンとよく似ています。

 お地蔵さんもいたるところにおられます。

 【15:34】
 尾根伝いに進んで高原熊野神社に着きました。

 彼方に果無(はてなし)山地が連なっています。小辺路(こへち)を歩いたときに通ったルートです。

 高原霧の里休憩所に翻る鯉のぼりです。

 【15:55】
 予約していた今夜の宿、「霧の郷たかはら」に到着しました。

 滝尻のスタート地点でスマホアプリのYAMAPをスタートさせるのを忘れていました。実際にはもう少し歩いてます。