力餅なら衣笠丼(きぬがさどん)があるかなーそんな気持ちで松原橋を渡りました。川端通の角にある「力餅食堂北垣商店」です。
これが「衣笠丼」(850円)です。京発祥の丼です。甘く炊いた揚げに九条ねぎをふわりとした玉子が覆っています。金閣寺近くの衣笠山が雪をかぶった姿に似ているところから、そう呼ばれるようになりました。
山椒をふっていただきます。箸からこぼれそうに柔らかいです。
きつね丼に玉子丼、天丼、木葉丼・・・とメニューは並びます。ところが衣笠丼が見当たりません。「衣笠丼はないのですか」と尋ねると、おばちゃんは「できますよ」。裏メニューの注文となりました。
京都五花街の一つ、宮川町の入り口にあります。きれいどころの団扇が並んでいます。舞妓さんも、ここの丼を食べるのでしょうか。
力餅の商標が額に収まっています。
力餅食堂は、兵庫・豊岡で明治22(1889)年に創業した餅屋から始まった大衆食堂です。独特ののれん分け制度によって京都を中心に店舗網を広げ、昭和の終わりごろには180店まで増えました。その後は商圏の変化や高齢化により、現在は半数ほどになっているいるそうです。
力餅食堂北垣商店
075-561-1077
京都市東山区宮川筋5丁目345
1軒おいて隣は「グリル富久屋」でした。「洋食弁当」を何度か食べたことがあります。
10年ほど前に産経新聞の夕刊に掲載された記事です。筆者は「どたぐつ」こと、わたしです。
病院からの市バスを四条河原町の一つ先の河原町松原で降りて、鴨川にかかる松原橋を渡りました。
松原通は昔は五条通でした。義経と弁慶が出会ったのも、実はここだったという説もあります。
さすがにこの時間には、カップルが腰かける「等間隔の法則」も証明されません。
宮川町は、まだシーンと静まり返っています。