OeBBの旅 「ジパング倶楽部」の大恩恵

 インスブルックからザルツブルクを経てウィーンなどへの移動の足は、すべて自前で確保しました。団体ツアーとは違って、バスが迎えにきてくれるようなことはありません。
 お世話になったのがOeBB(ÖBB=オーストリア国鉄)です。おまけにJRの「ジパング倶楽部」のOeBB版ともいうべきフォアタイルスカード(VORTEILS card Senior)をゲットしました。
 63歳以上のシニアは1枚(1人)で29EURしかしません。それで乗車券の普通運賃がなんと45%割引になります。すぐに元が取れます。このカードさえ見せれば、「葵の印籠」のごとく何度でも、ポストバスにでも。

 改札口がないので持ち帰った乗車券(上部の2枚は座席指定券)です。
 すべてが45%OFF。2人旅が、ほぼ1人分の料金で済みました。

 インスブルック駅のコンコースです。ここのチケット売り場でカードを手に入れました。
 フォアタイルスカードは、留学など長期滞在者向けに発行され、1年間有効です。「地球を歩く」によると、駅窓口かOeBBのサイトから申し込み、正式カードは郵送されてくるということです。
 その存在に気づいたのは、旅の直前でした。郵送を待っている時間はないので、駅窓口に直接行きました。駅員に「どれくらいいるんだ?」と聞かれたので、「2週間」と答えると、パスポートを確認して1カ月間有効の記名入りカードを発券してくれました。 

 インスブルック発、ウィーン行きのレイル・ジェット(特急)車内です。ザルツブルクまで乗りました。

 ザルツブルク中央駅で降りました。近代的なきれいな駅になってました。
 初めてやってきた2004年は、まだ地上の昔の駅舎でした。次に来たときは駅舎の工事中でした。

 ザルツブルクは素通りで、駅前からバート・イシュル行きのポストバスに乗りました。乗車を待っていると、アルバイト学生風の女性駅員(?)が近づいてきて、チケットをその場でハンディー券売機で発券してくれました。もちろん、カードは有効です。

 「Senior」の文字も、割引とあれば気になりません。

 ザンクト・ヴォルフガングで1泊して、ウィーンに向かう途中のバート・イシュルです。
 OeBBの時刻表サイトでは、ポストバスから鉄道への接続時間はたったの3分でした。スーツケースもあることだし、乗り継ぎは大丈夫かと不安でした。
 向こうに停車しているバスに乗ってきました。降りたところがホームです。接続時間は十分でした。

 乗車する列車は、数分遅れて到着しました。待ち時間は十分です。

 車窓から眺めるトラウン湖です。
 ハルシュタットに向かっていた前回は、この辺りの区間が不通になって、代替バスに乗り継いだことを思いだしました。

 近郊区間の普通車両です。スーツケースを置く場所がなくて、自転車と混載です。

 ウィーン・ハウプト・バーンホフ(中央駅)に到着です。方面ごとにあった終着駅をまとめるために新しくできた駅です。この駅を利用するのは初めてでした。

トラムって素敵 ウィーン交通博物館

 ウィーンの町は、今も縦横にトラム(路面電車)が走っています。ひんぱんにやってくるので、リンク沿いの最寄りの地下鉄駅から1区間のホテル前の停留所までも乗ってしまいます。
 そのトラムが大集合している交通博物館です。交通局の大車庫に19世紀後半の公共交通手段としての馬車から、歴史的なバスやトラムが展示されています。

 蒸気機関車(SL)で引っ張っていたのです。

 横から見ると長方形。街を走るためか、動輪などは覆われています。

 簡単な運転席の上にも、つり革がついています。それほど乗客が乗り込んだのでしょうか。

 ボディーにはハプスブルク家の紋章の双頭の鷲がいます。

 出窓が好きなんですね!

 カーレンベルク行きのバスです。

 線路工事用のレールを積んだ、クレーン付きの車両もいます。

 おもちゃのトラムを真剣な表情で動かす奥さまです。孫もつれてきたかったです。

 ウィーンの街には、この赤が似合います。

 地下鉄UバーンのU3系統のSchlachthausgasseで下車。200メートルほどのところにある。

 remise( ウィーン市交通局交通博物館)
 Erdbergstraße 109, 1030 Wien

 

シャーフベルク登山鉄道で ♬ドレミの歌の世界へ

 映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、家庭教師のマリアが子どもたちと山の上で「ドレミの歌」を歌うシーンから始まります。その舞台となったのが、シャーフベルク(1783m)です。映画にも登場した登山鉄道で登りました。
 山の上からは、ザルツカンマーグート地方の山々と、ヴォルフガング湖などの雄大な風景が広がっていました。
 一泊したザンクト・ヴォルフガングの村はずれにある湖岸駅です。真っ赤な蒸気機関車が待機しています。

 山のこう配に合わせてタンクが傾いています。

 SLが押し上げるこの光景は、絵ハガキでしか見ることができませんでした。

 山頂までの往復切符(39EUR)を買って乗り込みます。帰りの列車も指定してくれました。

 9時20分発の始発列車は、ディーゼル機関車が押し上げました。力強くてスムーズな動きですが、ちょっと風情には欠けるようです。

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蒸気機関車に押されてアッヘンゼーへ

 インスブルックからOeBB(オーストリア国鉄)の各停で東へ半時間ほど。イェンバッハという駅の隣のホームからアッヘンゼーバーン(アッヘンゼー鉄道)は走り始めます。アルプス山中の澄んだ湖へ、蒸気機関車で向かいます。
 アッヘンゼー(アッヘン湖)まで7キロほどの区間に、19世紀末に製造された蒸気機関車が走っています。急こう配を登るラックレール式の蒸気機関車で定期運行されているものとしては世界最古だそうです。
 130年も前に製造されたとは思えない蒸気機関車です。胴体のタンクが傾いているのは、急こう配でもタンクを水平に保つための工夫です。

 急こう配を登るため、蒸気機関車は後部から押します。連結器が外れて、客車だけが坂を下ってしまうアクシデントがないようにしています。

 汽笛一声、列車がスタートしました。おじいちゃんの車掌は、客車のステップを伝って検札に回ってきます。

 シュッシュ、ポッポと白い煙を噴き上げ進みます。

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京都水族館 ~孫娘と一緒に

 京都水族館に初めて行きました。孫娘(2つ)のお相手です。
 ジャンプ!! イルカのショーが始まりました。
 さすがに台風がやって来る前の日です。

 よく教育されています。というか、イルカの賢さがわかります。

 かわいいイルカたちでした。でもー
 牛豚はOKでもイルカはNO。有無をいわせず水族館を閉鎖に追い込もうとするSSの無法には、賛同しかねます。

 京都水族館
 京都市下京区観喜寺町35-1(梅小路公園内)
 075-354-3130

 梅小路公園の入り口に、懐かしい京都市電が止まっていました。「935」です。
 「京都市電の残影」を探していたのは10年も前のことです。

汗だらだらで登った 摩耶山

 六甲山系の摩耶山に登りました。暑さは覚悟してましたが、この日は曇天となった代わりに湿度はたっぷり。これまでに経験したことがないほどに汗をだらだらと流す、予想外にハードな山行となりました。
 標高は698.6mとしれていますが、ほぼ海抜0メートルからのスタートとなり、急坂の連続でした。
 それでも頂上近くには「槍と穂高」もあり、別世界のような光景が広がっていました。もちろん北アルプスではありません。穂高湖に影を落とすシェール槍です。

 わたしにとってはうれしいことがありました。
 山麓の摩耶ケーブル駅は、「近畿の駅百選」に選ばれています。朝礼中の駅員に認定プレートの場所を尋ねると、事務所の壁に固定されていた認定プレートをわざわざ外して写真を撮らせてくれました。
 プレートを掲げた写真は、92駅目にして初めてです。

 300段の階段を上りました。旧天上寺の参道です。急な登りばかりのルートでしたが、とりわけ汗がほとばしる難所でした。

 杣谷川に沿って下る徳川道は、先日の豪雨で荒れていて、何度も渡渉を繰り返すルートでした。下りなのに、またも汗が噴き出しました。

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信州木曽・上松 赤沢森林鉄道のかわいい車両たち

 赤沢森林鉄道の米国・ボールドウィン製蒸気機関車(SL)です。動態保存されています。
 木曽谷のヒノキを搬出するため大正初期に木曽森林鉄道が敷設され、その動力車として導入されました。
 森林を走るため、煙突から火の粉が出ると山火事が危険です。そのため、煙突に集塵設備をつけており、こんな愛敬のある顔になりました。日本林業遺産に指定されています。

 年齢を感じさせないたくましい動輪です。

 スチーム釜が、運転席にまで張り出しています。運転は、熱気との闘いだったのでしょう。

 1929年製造のプレートがついています。

 車庫内には、他にもいろんな車両が保存されていました。

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信州木曽・上松 赤沢森林鉄道に乗る

 平均樹齢300年以上のヒノキ天然林が広がる赤沢自然休養林。その中を走る赤沢森林鉄道に乗りました(15日)。
 かつては木曽森林鉄道として一帯に総延長500キロにも及ぶ線路が敷かれ、木材運搬に活躍しました。やがてトラック運輸に主役を奪われ、昭和50年に日本から姿を消しました。
 赤沢森林鉄道は昭和62年に、観光路線として復活しました。

 森林鉄道記念館と丸山渡間の往復2.2キロを、機関車が客車5両を引いて運行されています。

 森林鉄道記念館には、米国・ボールドウィン製の蒸気機関車も動態保存されています。

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森林鉄道 ジオラマをつくる その2

 森林鉄道のジオラマは、植樹計画が進まず前回撮影した「その1」のままで放置されていました。走らせるのもガソリン機関車だけでは格好がつきませんでした。
 そこで木材を積載する運材車を導入しました。それらしい雰囲気になってきました。
 動画は、ガーガーとうなりをあげながら重たい木材を運ぶという設定です。実際には、荷重とのバランスから機関車の動輪が空回りしているだけです。機関車にウエイトを付ければ、もう少しスムーズに動くかもしれません。

 急カーブもなんとか曲がれます。

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森林鉄道 ジオラマをつくる その1 

 森林鉄道のガソリン機関車を5月につくったまま、放り出していました。それを飾り、動かすジオラマ製作が徐々に進行しています。
 とりあえず写真撮影できるところまでになりました。

 森林鉄道が曲がりくねった谷を渡りながら下っていくイメージです。

 屋久島で歩いた安房森林軌道の情景も込めました。

 ガソリン機関車1両というのが寂しいです。木材運搬かなにかの貨物車を急造しなくてはなりません。

 高架の丸太は、ホームセンターで買ってきた9ミリのバルサ丸棒でつくりました。スケール的にはちょっと太すぎたようですが、難しいことはいいません。

 ほぼA4判の、ダイソー出身のコルクボードの上に組み立てています。

 工事開始は1カ月以上も前のことです。発泡スチロールで地形をつくりました。

 バルサ丸棒にノコギリの歯で筋をつけて丸太の雰囲気を出しました。

 高架部分を塗装しました。

 この後、レールの敷設、斜面の緑化と進みました。

 ダイソーに行ってブラブラしていて見つけた「ゼオライト」です。園芸用の小物ですが、砕かれた鉱石が、川原をつくるのにぴったりでした。一気に工事が進捗しました。
 あとは、山の植樹が課題です。

 「教会のあるパイク」以来のジオラマです。