琵琶湖から京都・蹴上を結ぶ琵琶湖疏水ができたのは、明治23年(1890)のことです。洞門(トンネル)の上には、明治の元勲らの筆になる石額が彫り込まれています。
久しぶりにMy折りたたみ自転車DAHONで走りました。
「氣象萬千(きしょうばんせん)」 伊藤博文 筆
千変万化する気象と風景の変化はすばらしい(宋・岳陽樓記の一部)
(訳文は京都市上下水道局のHP「琵琶湖疏水の洞門石額や石碑をご案内」から=以下も同じ)
第一疏水は、琵琶湖畔からまっすぐに三井寺に向かって流れ出します。
第1トンネルは長さが2436メートルもあります。ほとんど人力だけで掘った難工事だったそうです。
「廓其有容(かくとしてそれかたちあり)」 山縣有朋 筆
悠久の水をたたえ、悠然とした疏水のひろがりは、大きな人間の器量をあらわしている
京から大津に抜けるメインルートは逢坂越ですが、もうひとつ小関越というのがあります。かなりの急坂を越え、山科に下りました。住宅地が始まるあたりに、第1トンネルの出口はありました。
「仁似山悦智為水歓歡(じんはやまをもってよろこびちはみずをもってなるをよろこぶ)」 井上馨 筆
仁者は知識を尊び、知者は水の流れをみて心の糧とする(論語)
護岸がきれいに、あまりに人工的に整備されています。これじゃ、まるで「とゆ」です。どうしてこんなことをするのでしょうか。
「隨山到水源(やまにしたがすいげんにいたる)」 西郷従道 筆
山にそって行くと水源にたどりつく
第2トンネルの出口は、きれいな煉瓦が積まれています。
「過雨看松色(かうしょうしょくをみる)」 松方正義 筆
第3トンネルの手前には、日本で最初の鉄筋コンクリート製の橋がかかっています。
「美哉山河(うるわしきかなさんが)」 三条実美 筆
なんと美しい山河であることよ
武者小路なにがしの専売特許のような言葉ですが・・・。
インクラインの上部から見える洞門です。かなり距離があるので、望遠レンズ(420ミリ)に、1.7倍のテレコンバーターをつけて写しました。
「雄觀奇想(ゆうかんきそう)」 北垣国道 筆
見事なながめとすぐれた考えである
インクラインをくぐる「ねじりまんぽ」の上にあります。
北垣国道は、琵琶湖疏水の建設にあたった第3代京都府知事です。
琵琶湖から京都・蹴上までの詳細は、HP版「琵琶湖疏水の洞門石額」をごらんください。