フェニーチェ堺 反田恭平と佐渡裕の響き

 「新日本フィルハーモニー交響楽団50周年記念演奏会」をフェニーチェ堺の大ホールで聴きました。指揮の佐渡裕が舞台あいさつでも話してましたが、お目当てはピアノの反田恭平です。生で聴くのは3回目です。
 堺での音楽会らしく、こんな方の花も飾られていました。

 反田くんは、佐渡さんの指揮をバックにベートーベンのピアノ交響曲第5番「皇帝」を、あまり偉ぶらない優しくてしなかやかなエンペラーのように弾きました。アンコールのシューマンの「献呈」は、さらに愛を込めた響きになってました。
 2000人収容の大ホールです。オペラ公演を想定して、舞台両脇にはライトもついています。そのためかどうか、ちょっとデッドなのでしょうか。コンサートホールで聴くような金管楽器の華やかな響きは聞こえてきませんでした。
 S席を奮発しましたが、2階2列目という席も、ちょっと遠すぎたようです。
 昨秋のショパンコンクールで目を引き付けた長い髪を後ろに束ねた「サムライヘア」をカットしたのも、あまりわかりませんでした。この夜は燕尾服姿だったようですが、それすらも判別できませんでした。

 新日フィルは、50年前に小澤征爾と山本直純が立ち上げました。テレビの「オーケストラがやってきた」で聴いたものです。
 ベートーベンの交響曲第7番に続いてアンコールは、チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ(オーケストラ編)」。弱音が限りなく美しい弦の調べでした。
 チャイコフスキーがウクライナを旅して聴いた民謡をもとにした名曲です。「ウクライナにあるチャイコフスキーの家が破壊されました」と佐渡さんも話していました。ウクライナに平和な日々が戻ってくることを祈るような演奏でした。

「フェニーチェ堺 反田恭平と佐渡裕の響き」への1件のフィードバック

  1. フェニーチェ堺、当日私も2階の6列目で聴きました。
    素晴らしい演奏会でした。
    オペラグラスを準備し、反田さんの指運びに注目して聴いてました。ピアニッシモであっても会場中に聞こえるpp何なんでしょう?不思議でした。キラキラした音に包まれていたら、いつの間にか第三楽章が終わってて、拍手の嵐でした。
    アンコールの献呈の最後に携帯の音が後ろの方から聞こえてきて興醒めでした。

    ベト7も素晴らしく、自宅でCDなどで聞く折は、第三楽章を飛ばすのですが、さすが佐渡裕 聴き応えがありました。
    アンコールのチャイコフスキーも優しい音色でしたね。
    反田さんの皇帝 もう一度聴きたいです。

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