みんなといっしょに食べるコミュニケーション・ディナーです。偶然にもテーブルの隣や前に座った人たちと会話を楽しみながらいただきます。何を食べるかではなく、いかに楽しく食べるかということが味付けになります。
2日目に宿泊したアルベルゲ「el palo de avellone」では、夕飯も食べました。選択の余地はありませんでした。13eurのディナーは7時から始まりました。一斉に席に着きました。まずは自己紹介からー。
ペルグリーノ・メヌー(巡礼定食)はサラダから。
ワインは地元・ナバーラ産の赤。飲み放題でした。
スープは、隣に座ったイタリア娘、リサがサーブしてくれました。
バルセロナ出身の陽気なニックが座を盛り上げてくれます。スウェーデンからの女性が相槌を打ちました。
ライスのなんとかかんとか。みんなでつまみました。
ポークリブ、ポテト添え。「イタリアでは手で食べるのよ」と、隣のリサは豪快にペロリと平らげました。
テザートはティラミスでした。
スビリには昼前に着きました。泊まろうと心づもりしていだアルベルゲはまだ閉まってました。午後1時のチェックイン開始を待って、一番乗りです。
2階のベッドルームには、10台ほどの2段ベッドが並んでました。屋根の傾斜にあわせて天井が低くなっている壁際には、数台の平ベッドがありました。選び放題のわたしは、隅の平ベッドの上にシュラフ(寝袋)を開けました。これで今夜の寝場所が確保できました。
私営のアルベルゲで、1泊は10ユーロ(当時のレートで約1200円=以下同じ)でした。眠るベッドとシャワーがあるだけの、男女同室のコンドミニアムです。でもこれで十分です。食事は、夜朝2食で13ユーロでした。
この夜のペルグリーノ・メヌー(巡礼定食)です。エントランス(前菜)は、ミックスサラダでした。レタス、トマト、コーン、ニンジンにシェリー・ビネガーがかかってました。野菜が新鮮です。次に出てきたのは「レレロ」。地元・ナバーラのローカルフーズで、米団子のトマトスープ煮といったものでした。
お次のファースト(プリメロ)は野菜スープ。隣に座ったイタリア娘のリサがサーブしてくれました。トロリとおいしいです。メーンはポーク・リブのポテト添え。リサは「イタリアでは手で食べるの」と豪快にしゃぶりついてました。デザートはティラミスでした。
ここまでくるまで1時間半ほどはたってました。実は大変でした。これがコミュニケーション・ディナーというものでした。
たまたま同じテーブルに腰かけた何人かが、おしゃべりをしながら食事を楽しむのです。
その時、テーブルを囲んだのは、マドリードからやってきた陽気なニック。スウェーデンの2人組女性。それにリサとわたし。ニックがあれこれとおしゃべりして座を盛り上げてくれました。わたしはおいしい食事を口にしながらも、みんなの会話についていくのが必死でした。
それでも、日本のこと、どこからやって来たのかなんかをボソボソと英語で話すと、みんな聞き耳を立てくれました。
まだまだ緊張が解けない2日目でした。歩くことは何とかなりそうでしたが、このコミュニケーションに関しては、ちょっと先が思いやられました。
とはいえ、コミュニケーション・ディナーの機会は、それほど多くはありませんでした。わたしはもっぱらひとりでレストランやバルに出かけ、だれに気兼ねもなくゆっくりとワインを傾けていました。