ウィーンの町を、電動キックボードで「ういーん!」と

 シャーフベルクの登山鉄道で知り合った東京のお嬢さんがやり残したとLINEしてきたのは、「ウィーンの町を、電動キックボードで『ういーん!』と走ること」でした。
 奥さまは「主人は、『転んで骨折したら大変だから、辞めておきます』と悔しがっています(笑)」と返信していました。
 あちこちの町角で見かけたレンタルの電動キックボードです。この半年ほどで、飛躍的に増えたそうです。
 レンタサイクルのように一定の駐輪スペースではなく、不要になったところにほっぽられているようです。 

 さっそうとー。

 トラムにも、そのまま持ち込んで。

 オペラ座の前で、二人乗りも。

 フンバート・ヴァッサーハウスの平らでない廊下にも。

 不夜城のようなインペリアルホテルの前にも。

 ウィーン国立音大でも。ここに留学中のお嬢さんは「授業が遅れそうになった学生も、乗ってきますよ」。
 あらかじめスマホ・アプリにクレジットカードを登録しておき、空いている電動キックボードのQRコードを読み込めばすぐにスタートするそうです。料金は15分ほどで400-500円とか。どこで、いつ、充電するのかはわかりませんが、ヒットするはずです。

 まぁ、われわれ世代の王道はこちらなんでしょう。このフィアカー(観光馬車)にも乗ったことはありませんが・・・。

 ベルリンのブランデンブルク門の前でも、電動キックボードを見ました。遅からず、日本にもやって来るのでしょうか。

ウィーン国立音楽大学に「入る」

 「音楽の都」と呼ばれるウィーンの、音楽の最高学府がウィーン国立音楽大学です。
 2日前に一緒に食事をした知り合いのお嬢さんは、ここに留学してヴァイオリンを学んでいます。
 無断でしたが、キャンパスに立ち入るのは無試験で大丈夫でした。

 「名誉会員」と書かれた銘版です。錚々たる名前が並んでいます。
 指揮科は世界最高峰といわれ、ワルター、カラヤン、アバド、アーノンクール、メータ、シノーポリ、ヤンソンス・・・と、みんなここで育ちました。

 日本語が混じるその夜のコンサートの案内が掲示されています。
 受賞者8人のうち、なんと4人が日本人です。誇らしい限りです。

 キャンパスには枯れ葉が舞っています。まだ夏休み中なのか、学生の姿はありません。

 宿泊しているホテルから、U3路線の地下鉄に乗るためウィーン・ミッテに向けて歩きました。
 そういえば、お嬢さんが「大学はミッテから7分」と話していたことを思いだして、寄り道しました。

 ペンキの文化なんですかね。日本建築では、こんなことはありえません。

 ヨハン・シュトラウス像のあるシュタットパーク(市立公園)の樹々の向こうに、シュテファン大聖堂がそびえます。

グラーツ どこで食べてもマクド

 どこで食べても「マ・ク・ド」です。グラーツからの帰り道。改札わきの店で「1st Set」を買って、ウィーン行き列車に乗り込みました。確か4.8EURだったはずです。日本とそれほど変わらないという印象です。レタスが細く刻んであるくらいで、お味もそれほど変わりません。

 注文すると、番号のプリントアウトをくれます。その番号がディスプレーに表示されるまで待ちます。

 McDonald’s Graz
 Conrad-von-Hötzendorf-Straße 91, 8010 Graz,Austria

 グラーツの駅舎です。真っ赤な驚かされる天井です。

 何もない駅前です。以前は、ここにトラムが停車しました。

 ウィーンのハウプト・バーンホフ(中央駅)から出発しました。OeBBの電気機関車で引っ張ります。

 隣国・スロベニアのリュブリャナ行き急行です。スロベニア国鉄の水色の客車との混成です。

 日本のJRからは姿を消した食堂車も健在です。

 アルプスを越えた最初の鉄道、セメリンク鉄道を設計した技師、ゲガの碑と世界遺産のプレートが、このセメリンク駅にあったはずです。でも見あたらないまま通過しました。
 記憶違いで、逆方向でした。

 帰りは、反対側の窓から気をつけていると、確認できました。

 石造の二重アーチが美しいカルテリンネ橋も通過します。カメラを構えてましたが、わかりませんでした。
 こちらは二重になっていないので、よく似た橋のようです。

 

わたしのみやげ アンペルマンの毛糸帽子

 アンペルマンは、旧東ドイツで使われていた歩行者用信号の「止まれ(赤)」「進め(緑)」のシンボル・デザインです。親しみやすいデザインから東西統一後も生き残り、ベルリンの歩行者用信号のほとんどがこれです。
 アンペルマンが描かれたグッズは、ステッカーやマグカップなど600種にのぼり、ベルリンみやげになっています。
 ハッケシャー・マルクトのハッケシャー・ヘーフェにはショップがあります。見ていると毛糸帽子が欲しくなりました。 

 これで冬の山に行っても、頭を守ってくれるでしょう。
 キャップは蒸気機関車で行ったアッヘン湖岸の町、ペルティサウのみやげ物屋で買いました。チロル州紋章の鷲がデザインされています。

 見ているだけで楽しくなるグッズが並びます。

 ハッケシャー・ヘーフェは駅前の集合住宅の中庭と1階部分を結んで開発された人気の商店街です。
 このカバン屋では、前回はまだ現役勤務だったので、通勤用にショルダーバッグを買いました。

 ヒゲを生やしている身です。窓越しに見えるこんなものも気になります。あっ、剃ったらだめです。

 一角にはカフェもあり、にぎわってます。

 ハッケシャー・ヘーフェを出て、アンペルマンの信号に従って横断歩道を渡ると、向かいはこんな店です。
 角を曲がると、こちらもおなじみの店です。

 ちょっとひと休みしました。

 お相手はこれでしょう。カリーヴルストです。焼いたソーセージに、カレー粉を混ぜたケチャップをまぶしたベルリンのファースト・フードです。

 揚げたてのポテトもたっぷりとついているので、これだけで腹の足しになります。

 創業1840年というのが、そのまま店名になっている老舗です。

 Restauration 1840
 Am Zwirngraben 8-10 10178 Berlin, Germany

 キャップマニアというわけではありません。でも集まりました。
 左から、今回のチロル、スペイン・サンティアゴ巡礼、「I amsterdam」はオランダ・アムステルダム、ドイツ(どこで買ったか思いだせない)、そしてスイスの氷河急行です。

ザルツカンマーグート 湖岸の眺め

 ザルツカンマーグートには、2000m級の山々と、70以上の輝く湖があります。ザルツブルクからポストバスに乗り、湖岸を走ってバート・イシュルに向かいます。
 ザンクト・ギルゲンの町には、少年・モーツァルトがバイオリンを弾く像が立っていたのを思い出します。
 対岸のシャーフベルク(1783m)の上には、ホテルや登山鉄道の駅も見えます。山麓のカーブは登山鉄道の軌道でしょう。

 ザルツブルクからのポストバスは、途中で工事による対面通行の区間があり、大渋滞してました。そこを過ぎると気持ちの良い高原の道を走り、やがて見えてきた最初の湖、フシュル湖です。

 ザンクト・ギルゲンに停車すると、頭上にロープウエーがかかっています。ツヴェルファーホルン(1522m)に登ると、ザルツカンマーグートの山々が一望できるそうです。

 ヴォルフガング湖の向こうに、シャーフベルクがそびえます。

 ザンクト・ヴォルフガングの教区教会が湖岸に立ってます。

 これまでの画像は、いずれも走行中のバスの窓ガラス越しに撮影しています。

 ザンクト・ヴォルフガングの湖岸から遊覧船が離れます。

オーストリア応用美術博物館 「サロンプロフォン」のデザイン

 【Day 12nd 2019/09/18】
 リンク沿いにある応用美術博物館(MAK)は、中世から現代までのヨーロッパの家具、陶磁器などの工芸品を所蔵しています。
 まずは、MAK内のレストラン「サロンプロフォン」に直行しました。「エッグベネディクト」のデザインも凝ってます。
 イングリッシュ・マフィンの上にハム、ポーチドエッグが載り、ソースで覆われています。

 カボチャスープは、カレー風味です。パンプキン・シードルが味を引き立てています。

 広いレストランです。天井などの内装は、MAKと調和しています。窓際の席は、予約済みです。

 MAK中央の吹き抜けです。

 ヨーゼフ・ホフマンらが開いたウィーン工房の家具です。

 繊細なデザインです。

 グスタフ・クリムトが、ブリュッセルのストックレー邸壁面装飾画のために制作した下絵が展示されています。

 ベルヴェデーレ宮殿のオ―ストリー美術館にある有名な「接吻」とは、男女の向きが反対ですが、まるで下絵かと思わせます。

 廊下にさりげなく置かれていた椅子が秀逸です。あまりの座り心地、いや寝心地に、しばしまどろんでしまいました。こんなのが欲しいです。

 Museum für angewandte Kunst(MAK)
 Stubenring 5 , 1010 Wien

 MAKの玄関わきには、レストランに直接入れる入り口もあります。

 Salonplafond at MAK
 Stubenring 5, 1010 Wien

ウィーン 真っ赤なトラムの心憎い配慮

 真っ赤なトラム(シュトラーセン・バーン)は、ウィーンのリンク(城壁を取り除いてできた環状道路)によく似合います。
 黄昏のオペラ座前にあるOperでやってくるトラムを待ちます。行先ごとに、右端には到着するまでの時間(分)が表示されています。地下鉄にもこの表示はあり、いつやってくるのかとイライラして待つことはありせん。

 ムジーク・フェライン(楽友協会)でベートーベンの「第九」を聴いた帰り道です。午後9時を回ったschwarzenbergplatzでトラムを待ちます。
 到着時間の表示を見ていると、「14(分)」となっているのが突然「4」に変わったり、また「15」に逆戻りしたり。その繰り返しで、さすがに「狂ってる!!」、どうなってるの。

 次の日、明るい中でゆっくりと確認しました。
 左下に拡大表示したマークがミソでした。よくよく見ると車いすをデザインしています。
 それでわかりました。次のトラムは何分後、でも低床式でじいちゃん、ばあちゃんや車いすの乗客はステップに段差がないそちらまでお待ちくださいというサインだったのです。
 外国人観光客に対して、「お・も・て・な・し」といった日本人的な配慮は、あまり感じないウィーンです。ここで、もうひと言、掲示しておいてくれたら助かるという場面には、しばしば遭遇します。でもそれは「聞けばすむ」ということのようです。非ドイツ語国民には言語の壁は厚いですが、それ以上に「弱い人」を大切に守っているというわけだったようです。

 低床式のLRTは増えているウィーンですが、まだまだ古いトラムが健在です。

 「ウィーンのガウディ」と呼ばれたフンダートヴァッサーの代表作、「フンダートヴァッサーハウス」の前にも走ってます。

 ウィーン交通の「72時間カード」を買いました。これで地下鉄もトラムも乗り降り自由です。
 これが時間切れとなった月曜日には、「1週間カード」を買い直しました。月曜から1週間が有効期限です。旅の日程を考えて、最もリーズナブルな方法を選びました。

 地下鉄のU1、U4が交わるシューベーデンプラッツのトラム駅です。ホテルまでは1駅でしたが、乗ってしまいます。

 右が1週間、滞在したキッチン付きのアパートメントホテル、Adagio Viena Cityです。

 写真は少ないですが、低床式のLRTがウィーンでも主流になりつつあります。

 黄色いトラムは、観光客用にリンクを巡回しています。

 ベートーベンも保養のために訪れた温泉地、バーデン行きの私鉄も走っています。

グラーツ 大好きなグリーンのトラム

 【Day 8th 2019/09/14】
 オーストリア第2の都市、グラーツの駅前に立ちました。でも、トラムの姿がありませんでした。ターミナルが地下化されていたのです。
 そうとわかって地下のホームに降りると、今度は見覚えのあるトラムが走ってきました。グリーンの古い車両です。
 この日のグラーツは、お祭りのようでした。そのために古いトラムが走っていたのかもしれません。

 2012年に「バッハ音楽祭」を聴くためドイツ・ライプツィヒを訪れました。そのみやげとして聖トーマス教会近くの鉄道模型店で買ったモデルと同じでした。

 こちらは2010年に「グラーツの旧市街をトラムは走る」と書いた記録です。でも、もう、こんな色のトラムは走っていませんでした。

 ウィーンで訪れた交通博物館です。この光景を見たとき、ひらめきました。

 そうだ、ここにグラーツのトラムを置いたら絵になるぞ!!

 早速、試してみました。交通博物館の画像をA4用紙にプリントして立てかけます。赤いトラムが隠れるように、グリーンのトラムを置いて、望遠で撮影しました。
 そのうち、このシナリーをジオラマで再現しようと、次のお遊びのテーマが決まりました。

 現在のグラーツのトラムは低床のLRTで、基本カラーはシルバーのようです。これに乗って「大坂図屏風」のあるエッケンベルク城や旧市街に行きました。

 ゆったりとして明るい車内です。

 24時間チケットをバリデートしました。最初に使うときに、日時をスタンプするのです。

 カラフルなトラムが連なる旧市街です。

OeBBの旅 「ジパング倶楽部」の大恩恵

 インスブルックからザルツブルクを経てウィーンなどへの移動の足は、すべて自前で確保しました。団体ツアーとは違って、バスが迎えにきてくれるようなことはありません。
 お世話になったのがOeBB(ÖBB=オーストリア国鉄)です。おまけにJRの「ジパング倶楽部」のOeBB版ともいうべきフォアタイルスカード(VORTEILS card Senior)をゲットしました。
 63歳以上のシニアは1枚(1人)で29EURしかしません。それで乗車券の普通運賃がなんと45%割引になります。すぐに元が取れます。このカードさえ見せれば、「葵の印籠」のごとく何度でも、ポストバスにでも。

 改札口がないので持ち帰った乗車券(上部の2枚は座席指定券)です。
 すべてが45%OFF。2人旅が、ほぼ1人分の料金で済みました。

 インスブルック駅のコンコースです。ここのチケット売り場でカードを手に入れました。
 フォアタイルスカードは、留学など長期滞在者向けに発行され、1年間有効です。「地球を歩く」によると、駅窓口かOeBBのサイトから申し込み、正式カードは郵送されてくるということです。
 その存在に気づいたのは、旅の直前でした。郵送を待っている時間はないので、駅窓口に直接行きました。駅員に「どれくらいいるんだ?」と聞かれたので、「2週間」と答えると、パスポートを確認して1カ月間有効の記名入りカードを発券してくれました。 

 インスブルック発、ウィーン行きのレイル・ジェット(特急)車内です。ザルツブルクまで乗りました。

 ザルツブルク中央駅で降りました。近代的なきれいな駅になってました。
 初めてやってきた2004年は、まだ地上の昔の駅舎でした。次に来たときは駅舎の工事中でした。

 ザルツブルクは素通りで、駅前からバート・イシュル行きのポストバスに乗りました。乗車を待っていると、アルバイト学生風の女性駅員(?)が近づいてきて、チケットをその場でハンディー券売機で発券してくれました。もちろん、カードは有効です。

 「Senior」の文字も、割引とあれば気になりません。

 ザンクト・ヴォルフガングで1泊して、ウィーンに向かう途中のバート・イシュルです。
 OeBBの時刻表サイトでは、ポストバスから鉄道への接続時間はたったの3分でした。スーツケースもあることだし、乗り継ぎは大丈夫かと不安でした。
 向こうに停車しているバスに乗ってきました。降りたところがホームです。接続時間は十分でした。

 乗車する列車は、数分遅れて到着しました。待ち時間は十分です。

 車窓から眺めるトラウン湖です。
 ハルシュタットに向かっていた前回は、この辺りの区間が不通になって、代替バスに乗り継いだことを思いだしました。

 近郊区間の普通車両です。スーツケースを置く場所がなくて、自転車と混載です。

 ウィーン・ハウプト・バーンホフ(中央駅)に到着です。方面ごとにあった終着駅をまとめるために新しくできた駅です。この駅を利用するのは初めてでした。

ザンクト・ヴォルフガングの昼下がり

 【Day 5th 2019/09/11】
 「ドレミの歌」のシャーフベルクから登山鉄道で下ってきました。湖岸の村、ザンクト・ヴォルフガングで昼食を食べました。登山鉄道で知り合った一人旅のお嬢さんも誘いました。
 マスなどの淡水魚の3種盛りといった魚料理です。

 こちらはフライです。どれも3等分してシェアしました。

 エビにパスタを巻いて揚げてあります。

 さて、これは何だったでしょうか。グラーシュのようなソースに浸かった肉と、団子状のポテトといった一品です。

 食事とこれとは切り離せません。

 独りで食べるので、いろんな料理に挑戦できなかったというお嬢さんと、楽しく話しながらいただきました。

 湖の遊覧船発着場の前にあるレストラン「ガストホーフ・フランツ・ヨーゼフ」のテラスでいただきました。

Gasthof Franz-Josef
Markt 185, 5360 St. Wolfgang im Salzkammergut,Austria

 登山鉄道の湖岸駅まで下りました。観光場所が走り始めました。

 湖岸から教区教会を眺めます。

 狭い道路の向こうに教区教会がそびえます。

 後期ゴシックの名匠、ミヒャエル・パッハーの祭壇(1481年完成)は立派です。

 ドーム天井につながる祭壇の上部です。

 パイプオルガンも華麗です。

 マリア様は、数珠のようなものを巻いておられます。