京の三十三食 二十六番 北白川 駱駝の麻婆豆腐ランチ

 病院前から、きょうは3番のバスに乗りました。北白川の上終町(かみはてちょう)で下車して、白川通から西に入った「駱駝(らくだ)」に直行しました。頼んだのは「ランチサービス」のうちの「麻婆豆腐」(1100円)です。開店と同時に入った5、6人は、みんな同じ注文でした。
 プーンとする匂いとともに出てきました。さっそくレンゲでひと口、すすります。思っていたほど辛くはありません。油断した次の瞬間、ガツンと痺れが襲ってきました。
 花椒(ホワジャオ)などのしびれる「麻」と、唐辛子などの辛さの「辣」を合わせもつのが四川料理です。こちらは、麻が勝っていて、舌に花椒のツブツブがひっかかりました。

 ご飯が味覚の緩衝材にななってくれます。ひと息いれて、また挑戦です。
 麻薬じゃないですが、クセになる味です。

 ドッと汗が出てきました。
 スープで口の中をさっぱりとさせます。生姜が効いていて、すっきり味です。
 ポットで出てきたのはプーアール茶でしょうか。これも注ぎ直して何杯もいただきました。思いの他に後味はさっぱりでした。

 プラス50円でさらに辛く、100円で激辛になります。でも、そんなのを頼むチャレンジャーっているのでしょうか。

 あちこちにラクダが飾られています。

 カウンターと窓際のテーブル1つの店です。すぐにいっぱいになりました。

 中国四川料理 駱駝
 075-781-0306
 京都市左京区北白川瀬ノ内町27-4

 京都市バスの最寄り駅は上終町です。難読地名ですが、正式名はとてつもなく長いです。上終町・瓜生山学園 京都芸術大学前です。京都バス(私営)も同じです。
 以前は上終町 京都造形美大前でした。校名変更があったのですが、京都市立芸術大学とまぎらわしいところから、ひんしゅくものでした。裁判沙汰にもなりましたが、それが通ってしまいました。
 おもしろいはずがない京都市(市交通局)の気持ちの現れですかね。京芸卒業生の「父兄」としては、まだ納得しかねます。

 瓦屋根の立派なバス停の向こうが瓜生山学園 京都芸術大学です。

 これで、暑く長かった8月を乗り切りました。「結願」まで、あとわずかです。

京の三十三食 二十五番 上賀茂 今井食堂のおすすめ定食

 病院前のバス停から北に向かうバスを待ちました。3番か4番か、先に来た方に乗ろうと決めてました。行先は違い、目的の店も変わります。
 のんびりと4番に揺られ、下鴨神社からわたしの母校の高校の前などを通って、回り道をしながら上賀茂神社です。
 「今井食堂」は、鯖煮で有名な店です。「おすすめ定食」(800円)には、その鯖煮が2切れとコロッケ、チキンカツ、卵焼きがついてます。

 ホロリと崩れる色黒で甘い鯖煮です。3日間、煮込むそうです。硬い背骨が、水煮缶のそれのように柔らかくなっています。

 ジャガイモだけが詰まったコロッケです。チキンカツはカラッと揚がっています。
 大ぶりの器にはダイコンと揚げがいっぱいのみそ汁です。

 おばちゃんは、この向きに盆を置いてくれました。どうも写しにくいので、盆ごと180度回転させました。食べ始めると、みそ汁とご飯の位置を逆にしました。
 写真を見て気づきました。鯖煮が載った皿も回転させるべきでした。料理の向きが逆になってました。そんなことより、おいしかったので文句はありません。

 メニューの皿の並びが正解ですね。

 細長い店で、コロナ以前から両側の壁を向いて黙々と食べるスタイルです。

 プロ野球・オリックスの平野佳寿投手らのサインが並びます。近くにある京都産業大学の出身です。店のおなじみでもあるようです。

 目の前も平野一色ですが、古田敦也さんの写真も混ざります。出身の立命館大学グラウンドも近くにあります。

 今井食堂
 075-791-6780
 京都市北区上賀茂御薗口町2 上賀茂神社横

 ここまで来たのだからすぐ前の上賀茂神社に参りました。

 両親が健在だったころの初詣は毎年、ここでした。楼門を背に、玉橋(現在は通行禁止)の上で整列するわが家の記念写真が、アルバムに残っています。時代とともに人数が増え、9人+ワンちゃん1匹が最大でした。

 神馬の神山号は夏休み中で、出社してません。

 手前の西向きの鳥居は、新しく作られました。くぐったのは初めてです。

京の三十三食 二十四番 同志社・寒梅館 アマーク ド パラディのCランチ 

 同志社大学の目の前にある洋食屋で大きいことで有名なオムライスを食べるつもりでした。ところが、休み。
 すぐ近くの寒梅館1階にある「アマーク ド パラディ 寒梅館」は、学生の姿はほとんどなくガラガラでした。学生食堂のプレミアム版ともいうべきカジュアル・レストランです。「チキンステーキ シャリアピンソース」といった食べ応えのありそうなメニューは敬遠して、とりあえずスパゲティーです。
 「Cランチ」(700円)は、「九州産の高菜漬けと明太子のペペロンチーノ スパゲティ―、パン、サラダ付き」です。「アイスコーヒー」(300円)も追加しました。
 高菜と明太子とタカノツメの辛さが三重奏になって、なるほどのお味です。これなら自分でもつくれそうですが、高菜と明太子がそろって冷蔵庫にあるなんてことは稀です。

 目の前は、学食とは思えない雰囲気です。

 側面の鏡越しに見た質素ですが、おしゃれな店内です。

 「One purpose, Doshisha…」はカレッジ・ソングの冒頭です。

 「八代目儀兵衛」の厳選米を使っているそうです。
 学食のご飯といえば、プーンと臭いそうなまずい米の代名詞のような記憶しかない世代からすると、まさに隔世の感です。

 寒梅館に最上階には、フレンチレストランもあるそうです。

 アマーク ド パラディ(Hamac de Paradis)寒梅館
 075-251-0880
 京都市上京区烏丸通上立売下ル御所八幡町103 同志社大学寒梅館1階

 キャンパスを散歩してみました。殺風景だったわが母校とは、えらく違いすぎます。

 明徳館の地下にも学食があったはずです。「Mチカ食堂」と呼ぶそうです。
 近くの予備校に通った浪人時代に、食べにきたことがあります。半世紀も昔のことです。

 まだ夏休みとあってか、こちらもお休みです。

 メニューを見ると、「明徳唐揚げ定食」が450円と、こちらは学食価格です。

 重要文化財のクラーク記念館(旧神学館)に入ってみました。

 内部はひんやりとしています。

 チャペルは閉鎖されていました。

 整然として緑あふれる静かなキャンパスです。
 学生運動がにぎやかだったころは、タテカンが林立していました。

 わたしには、学食で食べたことぐらいしか縁はなかった大学でした。

自分でつくる おかか+玉子かけご飯

 土佐節(鰹節)をいただきました。削って、熱々のご飯にトッピングしました。鰹のうま味が広がりました。
 おかか飯です。またの名を「ねこまんま」とも呼びます。ネコにやるのはもったいないようなお味です。
 好物の玉子かけごはんをミックスしました。これは最強のタッグです。映えを狙って、まずは黄身だけ載せてみました。鎌田のだし醤油をかけ回しました。
 ピーマンと塩昆布の炒め物、キムチ、納豆が加勢しました。
 このところ、平日は外食が続いてます。やはり家で気に入ったものを食べるのは素晴らしいです。

 結局は、グチャグチャと混ぜてしまいました。

 高知の土佐市宇佐町にある竹内商店で作られてます。今では土佐節をつくっているところは多くないそうです。
 鰹本節といって、3枚におろた鰹を煮熟(しゃじゅく)、焙炉(ばいろ)で焙乾させ、カビ付けして天日で乾燥させます。さらにカビ付け、天日乾燥をくり返してカチンカチンの状態にしています。
 農水大臣賞ととっている逸品です。

 今回も泥縄です。
 このところ調子が悪くて、うまく削れない鰹節削り器です。かんな部分の刃を取り外しました。
 砥石で研ぎます。
 刃の出具合を調整します。これが難しい作業です。
 旨く削れるようになりました。

 もう少し薄く削れたら、ヒラヒラとして申し分なかったです。
 ちょっとバリバリではありますが、とりあえずギリギリの合格点としておきます。

京の三十三食 二十三番 出町 司津屋のきつね

 病院から出町の桝形商店街まで歩きました。まだ11時を過ぎたはかりで、鯖寿しがおいしい店が開くまで小一時間もあります。商店街をを突き抜けて寺町通にあるそばの「司津屋」にしました。
 「きつね」(830円)です。細めの色白なそばです。口当たりがよく、スルスルと食べられます。
 ちょっと熱かったです。汗がにじみましたが、うまい出汁をすすりました。 

 きつねとたぬきがいます。京都のたぬきは、あんかけです。

 落ち着いたつくりの店です。そこに似つかわしくないロボットくんが出迎えてくれました。大型店でもないのでタッチパネルで席を確保するほどのこともなく、手持無沙汰のようでした。

 司津屋
 075-255-2819
 京都市上京区寺町今出川上ル立本寺前町81-1

 筋向かえには、マツモト模型が健在です。中学生のころ、自転車でやってきてHOゲージの鉄道模型に見ほれたものです。

 長くもない桝形商店街には、古本屋が2軒もあります。

 「海外保存鉄道」を手に取ると、3年前に訪れたオーストリア・チロル地方のアッヘンゼー鉄道が載っていました。300円だったので、即購入しました。

 蒸気機関車に押されてアッヘンゼーへ

 そばがあるーではなくて、そばにある商店街です。

京の三十三食 二十二番 錦 富錦亭のトンカツ定食

 「昭和の洋食店のトンカツ」。そんなイメージがぴったりとくる錦市場に近い「富錦亭」で「トンカツ定食」(980円)をいただきました。
 昔、錦通りの新京極あたりに「ムラセ」という食堂がありました。わらじのように大きな「わらじカツ」がそこの名物でした。同族がこの店で生き残っていました。
 デカいトンカツです。甘いソースがかかっていました。
 老夫婦(?)がやっています。頼んでから豚肉に衣をまぶしていたようで、ちょっと待たされました。その代わりに揚げたてでした。

 ひと切れとって、その分厚さにも驚かされました。1センチはあるでしょう。サクッとした衣と、ジューシーな肉が口いっぱいです。

 つけあわせのスパゲティーも、ドサリとついています。

 黙っていると炊き込みご飯です。

 7種盛りのフルーツです。ちょっと薄いのもありますが、それぞれの味はします。

 トンでもビーフでもチキンでも。どれでも980円です。

 相席前提の長いテーブルが2脚の細長い店です。
 前に客が座ったらどうしようかと、ちょっと不安になりました。でも11時半ごろに入ると一番乗り。最後まで他の客はありませんでした。

 富錦亭(ふうきん亭)
 075-241-2378
 京都市中京区富小路通錦下ル601

 錦市場を抜けて帰りました。

京の三十三食 二十一番 宮川町 光琳のお刺身天ぷら定食

 京都五花街のひとつ 宮川町です。明かりが灯るころとは縁がありませんが、昼飯なら食べることができました。
 お茶屋をリニューアルした和食の「光琳」です。ゆったりとしたカウンターに座り、目の前で板さんが調理する「光琳ランチ」の「お刺身天ぷら定食」(1200円)をいただきました。
 タイとサーモンが2切れづつ。分厚いです。口の中でとろけました。

 天ぷらは、エビをハモに替えていただきました。
 さくりとした揚げたてのハモです。京の夏の味です。シシトウにカボチャ、サツマイモ、タマネギも軽く揚がっています。

 小鉢も素敵です。好物のキンピラとコンニャクの煮物です。柴漬けもおいしく、ご飯が足らないくらいでした。

 ウーロン割ならいうことがなかったのですが、冷たいお茶です。

 向こうが玄関で、奥に深い京のうなぎの寝床です。

 舞妓をたくさん描いた地元出身の日本画家、三輪良平の一作が掲げられていました。

 団扇は、偶然にも写していた近くの置き屋さんのオールスターでした。

 軒下のリーズナブルなメニューがなければ、ちょっと躊躇してしまうたたずまいです。

 光琳
 050-5872-3271
 京都市東山区宮川筋3丁目285

 人力車が通り抜けました。こんな時間にと思っていると、新人を乗せた訓練のようでした。

 電柱がなくなれば、もっとすっきりとするでしょう。

 毎日の病院通いでは、阪急は回数券を使っています。行きは普通回数券、帰りは時差回数券です。
 22回有効の普通回数券をきょうで使い切りました。残りは11回分を購入して33回分です。実際には1日は、機器不良で日延べとなったので、1日分足りませが、先が見えてきた気分です。

京の三十三食 二十番 新京極 龍鳳のカラシ入そば

 京中華、または京都中華と呼ばれる中華料理があります。刺激の強いニンニクなどの香辛料は控え、しょう油や出汁をベースにあっさりとしながら深みのある味わいがあります。
 そのひとつで手軽に食べられる「カラシ入そば」(750円)を、京中華の味の伝統を引き継ぐ「龍鳳」でいただきました。
 カラシの香りがプーンと鼻を刺激します。粉からしをまぶした中華麺に、熱々のドロリとしたあんがかかっています。映えはイマイチですが、味とは別です。
 辛いというほどのことはなく、さっぱりといただけます。

 鶏肉に小エビ、シイタケ、青ネギがそのうま味となっています。

 「龍鳳撈麺(ろうめん)」というのが正式な名前です。撈麺は、茹で上げた麺にソースを絡めて食べるスタイルのことのようです。
 ある中国人コックが京都で作り初め、その店の流れをくむ数店が今もその味を引き継いでいます。

 おやじさんが独りで鍋を振っています。

 カウンターとテーブル2脚の小ぢんまりとした店です。

 新京極からちょっと入ったところにあります。周辺のきらびやかさから置き去りになったような店構えです。
 それでも人気店とあって、すぐにいっぱいになりました。

 龍鳳
 075-255-3966
 京都市中京区新京極町通六角東入ル北側桜乃町450

 きょうの治療は順調に進み、11時過ぎには河原町三条に戻ってきました。時間つぶしに、ファッションビルBALの地下にある丸善書店で久しぶりに立ち読みしました。
 わたしが大学生だったころは、このあたりには京都書院、オーム社、駸々堂書店と本屋が並んでいました。それらが消えて久しいです。

 平積みになっていた新刊の「京都の山と川」(中公新書)を買いました。春に登った東山三十六峰など京都の山や川の歴史などが紹介されています。秋になったら、また歩きたいです。

京の三十三食 十九番 錦 酒とめし 錦市場のおばんざい定食

 ちょっと遅くなっての昼飯でした。錦市場から富小路を下がったところにある「酒とめし 錦市場」でいただきました。大衆酒場の昼営業という感じです。
 昼飯メニューも多いなかから「おばんざい定食」(1100円)にしました。
 大きな鶏の唐揚げをメーンに、小鉢がいくつも並びます。どれも安心して食べられました。

 昼食タイムを過ぎていたので、店はガラーンとしていました。

 向こうのアーケードが錦市場です。

 酒とめし 錦食堂
 050-5456-2349
 京都市中京区富小路通錦下ル西大文字町606-2 アミカーレ錦 1F

 錦市場は、そこそこのにぎわいを取り戻しているようでした。

自分でつくる トマトソースのパスタ

 平日は外食の毎日です。久しぶりの「自分でつくる」となりました。
 となるとやはりパスタです。1ヵ月半前につくったトマトソースが冷凍されたまま残っています。あとはベーコンとピーマンを刻みました。
 すべてを混ぜ合わせてもいいのですが、別々にしました。オリーブオイルにたっぷりのニンニクの香りを移し、いったん取り出します。ベーコンをカリッと炒め、ピーマンに熱を通すと、これも取り出します。凍っていたトマトソースを戻し、茹であがったパスタに絡めて皿に。その上に取り出しておいた具材をトッピングしました。

 こってり濃厚な味に仕上がりました。思い通りにピーマンがシャリシャリの食感を残しています。

 「ワインの休日」です。早くホンモノが飲みたいです。まるでグレープジュースです。

 包丁を入れる前の材料一覧です。