江戸時代の儒学者、貝原益軒が記した京ガイド本「京城勝覧」に沿って京都近郊を巡ってきた17回のツアーも、きょうで最後となりました。
順序が逆になりましたが、第十六日は「石山にゆく道をしるす」です。「道遠し朝はやく京を出べし」とあります。益軒は三条大橋から粟田口、蹴上、追分、大津、膳所と歩いて石山寺にたどり着きます。
わたしは車で京滋バイパスを走り、水無瀬の自宅から半時間余りで石山寺の門前でした。
参道は、予想外に閑散としています。それなりの人出でしたが、境内は広く、密を気にせずゆっくりと桜を鑑賞することができました。
多宝塔を見上げます。
「良弁杖桜」と名付けらた開山・良弁僧正の杖に根ついて育ったという古花の奈良八重桜です。
本堂からも桜が臨めます。
石(硅灰岩)の山にあるから石山寺ということがよくわかります。
昨日とはうってかわって、暖かな日和となりました。月見亭から見る満開の桜です。
枝垂れ桜もきれいに垂れ下がっています。
ピンクが鮮やかです。
石山寺といえばこの人です。紫式部の像の後ろにも桜です。
本堂の脇には、源氏の間があります。
「堂の東のわきに源氏の間あり。紫式部が源氏をかきし所なりといふ。源氏を書たる硯あり。一石の内に二面ならべめずらし。式部が面影あり。式部が歌二首を書たり。(略)寺僧に乞うてみるべし。」(京城勝覧)
益軒の時代とさして変わっていないのでしょうか。
「京城勝覧」のさし絵です。
これで「京城勝覧」に紹介されている17行程プラス拾遺(番外)をすべて巡ることができました。
「京城勝覧を巡る」はコチラから見ることができます。
西国三十三所詣りの時にもやってきました。
学生時代には、境内に石山寺ユールホステルというのがありました。1泊したこともあります。
きょうは4並びだったんですね。
石山寺
077-537-0013
大津市石山寺1-1-1