東山三十六峰 その5 秋海棠咲く稲荷山ほか2座

 東山三十六峰の南の端、第36峰の稲荷山(232m)に登りました。小さなころから何回も登った山です。
 南の谷にシュウカイドウ(秋海棠)が咲き乱れていました。薄いピンクと表現すればよいのでしょうか。
 松尾芭蕉はこう表現してました。
 
 秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり

 スイカってこんな色、という気もしますが。それはさておき、秋海棠は秋の季語です。 

 黄色い雄しべが飛び出しています。

 つぼみ三姉妹です。

 水平の小さな2枚が花弁、上下の2枚はガクです。

 花言葉の「片思い」は、ハート形の葉の片方が大きくなるところからといわれます。そうとは知らず、葉は写してませんでした。

 ここから先は、山歩きのちょっとマニアックな話となります。

 【2022/09/26 09:45】
 JRを京都で乗り継いで伏見までやてきました。伏見稲荷大社は、修学旅行生らで大にぎわいです。

 混雑する千本鳥居を避けて横道を行きます。

 朱塗りの鳥居が目につく摂社や末社があちこちに散在します。

 弘法の滝に上がってきました。
 京都一周トレイルの伏見・深草ルートに面しており、何度もやってきたことがあります。

 パワースポットらしい幽界の雰囲気が漂います。

 竹林のはるかに伏見桃山城がそびえます。

 深草トレイルの案内標柱です。京都一周トレイルとは逆の白菊の滝を目指します。

 白菊の滝では、山の斜面にいくつもの神社がへばりついています。

 この辺りからが秋海棠ロードです。道の両側にいっぱいに咲いています。

 御剣の滝あたりまで、カメラを構えるのに忙しかったです。

 クサミョウガがあちこちで実をつけています。
 カマをもって何かを探しておられるおじさんに聞きました。「ミョウガモドキだよ。(ミョウガとの違いは)ミョウガができるかどうかだよ」
 ミョウガモドキはクサミョウガの別名のようです。

 ぶら下げていたビニール袋から、採りたての立派なミョウガを見せてくれました。
 わたしも欲しかったですが、見つけ方までは教えてくれませんでした。

 稲荷山に向けて急階段を登りました。汗が噴き出しました。

 稲荷山をぐるっと回るお山めぐりの鳥居に出ました。

 【10:57】
 山頂の一ノ峰に到着です。

 最も高いポイントには末広大神が祀られています。何事にも末広がるという神様です。

 ここが東山三十六峰の第36峰。「布団来て寝たる姿」の足の先です。

 お山めぐりを逆回りして途中から第34峰、恵日山を目指しました。

 清明舎という朽ちた施設を横目にしました。かつては行者の宿泊施設だったそうです。
 行場があるのでしょう。大きな読経の声が聞こえてきました。

 右折して恵日山を目指します。ここからは歩く人もめったにない悪路です。

 宮内庁の立入禁止の看板です。最初は何気なく見ていました。

 分帰路になっている「16ポイント」です。何回もここに戻ってくることになりました。

 YAMAPのルート図を頼りに北北西に進路を取りました。明確な道はありません。右往左往して、目指すルートより東側のルートと思しき道を見つけました。

 地図に「192」と標高がかかれているのが恵日山です。このあたりだろうと見当をつけて左折しました。
 蜘蛛の巣とくっつき草との闘いでした。ウオーキングポールを常に上下に振りまわして蜘蛛の巣を振り払いました。それでも顔にべたり!!
 たどり着いたポイントの先は、鉄条網で遮断されていました。

 なんとなく最高地点らしい雰囲気もありました。

 1本の幹に、赤いテープが巻かれていました。
 ここが第34峰の恵日山としておきました。
 鉄条網の向こうには、歩きやすそうな道が伸びていました。

 どこかに鉄条網を「突破」できるところはないかと16ポイントまで戻りました。
 恵日山に続くようなルートらしきものをみつけましたが、そこは鉄条網の内側でした。

 第35峰の光明峰を目指してもう一度、北へのルートを進みました。次の分岐までたどり着きましたが、ここも鉄条網で遮られました。
 万事休す。もう一度、16ポイントを通り、清明舎の下を通って下山しました。

 右の上部が、到達できなかった光明峰のあたりでしょう。

 京都一周トレイルの東山コースを合流しました。何度も歩いた道でした。

 京都国際高校は、甲子園にも出場した野球が強い「北」系の学園です。
 ここの谷を詰めると光明峰に達するはずです。

 今度は下から攻めようとしましたが、ここにも「宮内庁」の厚い壁がありました。

 きょうはここまでと振り返ると、東寺の五重塔がのぞいていました。

 【13:12】 
 紅葉にはま早い東福寺を横切って、JR東福寺をゴールとしました。