ベルニナ・アルプスの主峰、ピッツ・ベルニナが眼前に迫ります。堂々とした山です。ピッツ・ロゼックから流れるロゼック氷河も間近です。真っ青に晴れた空に、ピッツ・コルヴァッチの鋭い稜線が空を裂きます。ピッケルにアイゼンの登山者がナイフリッジを登っていくのを、ずっと見てました。やがて、登山者の黒い点が、青い空に吸い込まれました。時間がたつのを忘れていました。
コルヴァッチ展望台(3303メートル)に登りました。もちろん、ロープウエーを乗り継いで行きました。日差しが強い展望レストランでお茶をしました。カフェ・メランジュ(コーヒー)です。砂糖をたっぷりいれて飲みました。甘い液体が、体を温めてくれました。
コルヴァッチ展望台からなおも眺める
【8月24日=コルヴァッチ展望台】
Corvatsch/コルヴァッチ展望台の日だまりで、ゆっくりとお茶をいただきました。
目の前のナイフリッジを、登山家が登っていきます。Piz Murtel/ピッツ・ムルテルの頂上にも人影が見えます。スーツケースに入っている双眼鏡を持ってくるんだったと後悔しました。
西を向くとこんな光景です。
Lej Segl/セリュ湖の向こうの町はMaloja/マローヤです。その先がマローヤ峠、そしてエンガディンの谷に続きます。
中央やや左にそびえているのがPiz Julier/ピッツ・ユリア(3380m)です。その山麓を走っていうるのがユリア峠を越えてChur/クールに向かう道です。「ユリア」とは、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)にちなむもので、古代ローマ街道が通っていました。
サン。モリッツの中心街もよく見えます。
コルヴァッチ展望台へは、サン・モリッツからバストロープウエーを乗り継いでやってきました。
コルヴァッチ展望台から望むベルニナ山塊
【8月24日=コルヴァッチ展望台】
Corvatsch/コルヴァッチ展望台(3295m)に登りました。
スイスの東南端。ベルニナ山塊が目の前に迫ります。マッターホルンほど華麗ではなく、アイガーほど雄大ではありませんが、どこか優しさを感じさせる山々です。
中央にドーンと鎮座しているのが主峰のPiz Bernina/ピッツ・ベルニナ(4049m)です。左に落ちる雪稜は、アルピニストたちから「天のはしご」と呼ばれているそうです。
一番左の三角形はPiz Tschierva/ピッツ・チエルヴァ(3546m)、その右はPiz Morteratsch/ピッツ・モルテラッチ(3751m)です。ここから流れ落ちるモルテラッチ氷河は、ベルニナ急行の車窓から見ました。
その奥に白く輝くのがPiz Palu/ピッツ・パリュー(3905m)です。
Piz Roseg/ピッツ・ロゼック(3937m)はきれいな三角錐をしています。ピークは後ろ側です。
はるか彼方に双耳峰のLa Sella/ラ・セラ(3564m、3584m)が耳を立っています。
右手にPiz Muutel/ピッツ・ムルテル(3433m)、その右がpiz Corvatsch/ピッツ・コルヴァッチ(3451m)です。
3000mをこえる山々がゆったりと連なっています。
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朝の道 シルバプラナからスールレイ
【8月24日=シルバプラーナ】
コルヴァッチ展望台の麓、Surlei/スールレイ行きのバスがやってくるまで時間がありました。手前のSilvaplana Posta/シルバプラーナ郵便局を通るバスに飛び乗りました。
シルバプラーナ郵便局から朝靄の道を歩きます。
左手のLei da Chanpfer/チャンプフェール湖です。
水鳥のつがいが仲良く泳ぎます。
右手はLei da Silvaplauna/シルバプラーナ湖です。
向こうに見えるのはSils Maria/シルス・マリアでしょう。
コルバッチ展望台に上がるロープウエーから、歩いてきたあたりを振り返りました。
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サン・モリッツのホテル、「ラ・マーニャ」で食べた朝食
【8月24、25、26日=サン・モリッツ】
St.Moritz/サン・モリッツで3泊したHotel La Margna/ラ・マーニャです。1900年代初頭に建てられた由緒ある建物をリニューアルして、きれいに使っています。湖に面した出窓のある部屋は、広くて落ち着いており、これまでに泊まったホテルの中でも最高クラスでした。
25日の朝食です。「コンチネンタル・スタイル」ですが、温かいスクランブルエッグとベーコンがあります。ゆで卵を作ることもできました。
24日も、ほぼ同じものを食べています。丸いパンは、表皮は硬いですが、食べているうちにしこしこといい味がしてきます。
こちらは26日です。チーズは固まりが並んでいるのを、自分でカットしてきます。
果物も豊富でした。
日本人は、食後のデザートに食べています。外国人は、最初に果物をとり、ヨーグルトをかけて食べ始めるスタイルが多いようでした。
天井が高い、ゆったりとした食堂です。
最初の朝に、15人ほどの外国人団体が向こうのテーブルにいた以外は、数組の個人客だけでした。
出窓がついている中央の部屋に泊まりました。
湖からみたホテルです。手前はサン・モリッツ駅です。
ホテルでは、2泊以上すると「Engadin/St.Moritz Bergbahnen Inclusive」というパスを貸してくれます。これがたいした優れもので、近辺の交通機関が全部、無料になります。
はるかイタリア国境に近いSoglio/ソーリオまでのポストバスも、Corvatch/コルヴァッチ展望台へのロープウエー、ゴンドラなども乗り放題でした。サン・モリッツの滞在費が、以外とかからなかったのは、このパスに負うところが大きいです。
右は、ホテルからインターネットに無線アクセスするために購入したSwisscomのアクセスカードです。簡単につながりましたが、3時間で15スイスフランしました。
Hotel La Margna Via Serlas 5CH-7500 St. Moritz
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塩辛いスイス料理に降参する
【8月23日=サン・モリッツ】
サン・モリッツで3泊したホテル La Margna/ラ・マーニャ のレストラン Stuevetta/ステューヴェッタ です。「カジュアルな雰囲気のホテルレストラン」とわたしのもっているガイドブックにも紹介されていました。
Luganighetta/ルガーニガ(26スイスフラン=約2300円)は、「スイス南部にあるティチーノ州のソーセージ。豚肉を粗挽きにし、香辛料(ニンニク、ナツメグ、シナモン、コリアンダー、塩、胡椒、赤ワイン)を効かせ、腸詰にし、2、3日熟成させる」といこととです(ソーセージ大研究)。付け合わせは大麦でしょうか。小さく刻んだポテト揚げもついてます。
これはおいしくいただきました。
Kraeuter Cremsuppe/野菜スープ(10スイスフラン=約900円)はとにかく塩辛かったです。飲めたモノではありません。
もう1品は Risotto Steinpilz/ヤマドリダケのリゾット(20スイスフラン=約1800円)です。これも辛かった。それに「小」を頼んだはずなのに、この量です。キノコはおいしく、全部いただきましたが、ご飯は芯のあるおじやのようで、かなりを残してしました。
食事に関してだけは、不本意ながらイタリアに軍配を上げます。
メニューと勘定書です。上記にビール2つで計66スイスフランでした。
翌朝、写したレストランの外側です。道路から直接、入ってこれます。
そういえば、わたしたちが食事していたときも、日本人のハイキングスタイルの元気のよいおばさん4人組が「予約してないんですが」とドヤドヤと入ってきました。しばらくすると、チーズフォンデュを前に「お疲れさま」とところかまわぬ乾杯の声が響いていました。
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アルプスの画家、セガンティーニに会いに行く
【8月23日=サン・モリッツ】
St.Moritz/サン・モリッツに着いた夕、さっそく向かいました。Giovanni Segantini/ジョバンニ・デガンティーニ(1858-1899)の作品を展示するセガンティーニ美術館です。今回の旅のひとつの目的でした。
「天下御免」のスイス・パス(ほとんどの美術館は無料になる)も無効。「個人美術館ですから!」というわけで、1人CHF(スイス・フラン)10=約900円を支払いました。
この絵は、ゆったりとさせられて一番好きな「湖を渡るアヴェ・マリア」(購入した絵はがきから)です。
3階の丸いドームに、運命の3部作、「生 Das Leben」「自然 Die Natur」「死 Der Tod」が掲げられていました。妻の他には誰もいないベンチに腰掛けて、セガンティーニと対面しました。
Dunkel ist das Leben,ist der Tod (生も暗く、死もまた暗し)。マーラーの交響曲「大地の歌」の最後の消え入る一節が、駆けめぐりました。
人生の厳しさが伝わります。
セガンティーニはイタリア生まれですが、スイスの山村で一生を送りました。この暗さが、スイスなのでしょうか。資源に恵まれない荒れ地を、ひたすら牧草地にかえていった人々のエネルギーも伝わります。
「帰り道で、農夫とその娘に会った。今日はと挨拶すると、いかにも迷惑そうな顔でそれに応ずる親娘の表情もまた日本の山村とよく似ていた。私はすれ違ったてからうしろをふりむいた。きっと、この親娘の表情もうしろをふり向くだろうと思ったからである。しかし親娘はわれわれには無関心で、ゆっくりゆっくり山道を登っていった。ふたりが曲がり角にさしかかると、担いでいた鎌がぴかっと光った。」(新田次郎 「アルプスの谷 アルプスの村」 新潮文庫)
セガンティーニの人物も、みんなうつむいていました。例外といえば「アルプスの真昼」くらいでしょうか。ちょっと構図がちがう同名の「アルプスの真昼」は、倉敷の大原美術館に収蔵されています。
サン・モリッツの中心街からサン・モリッツ湖に沿ってあるきました。やがて「セガンティーニ小道」の道標です。
散策路を歩くと、日本のナナカマドと同じような木が真っ赤な実をつけてました。
セガンティーニ美術館は、はるかなシャーフベルクの山小屋を向いています。セガンティーニはそこで「自然」を描きながら息を引き取ったのです。
ベルニナ急行でアルプスを越える
【8月23日=ベルニナ急行】
Alp Gruem/アルプ・グリュムで昼食ととった後、St.Moritz/サン・モリッツ行きのベルニナ急行D972に乗車しました。
間もなく左手にラーゴ・ビアンゴ(白い湖)が広がりました。氷河の水が貯まった湖で、白く濁っています。湖岸にはハイキングコースがあります。時間があれば、わたしも歩きたかった。
ターンを繰り返しながらアルプ・グリュム駅に上ってくるベルニナ急行です。
ベルニナ急行は、パノラマ車両(全席指定)で運行しています。太陽が降り注ぐ明るい車です。
すれ違う列車は満席も多かったのに、この列車は1等ということもあってガラガラでした。右に左に、自由に動き回ることができましたが、写真を撮る者には、窓が開かないのがつらい。
Ospizio Bernina/オスピッツォ・ベルニナ駅を通過。標高は●●メートル。ラックレールを使わず、車輪と線路の摩擦の力だけで走る粘着方式の鉄道路線駅としてはヨーロッパで最も高い位置にあります。
レイル・ナイル(黒い湖)が見えてきます。左は通り過ぎたラーゴ・ビアンコの堰堤。ここがヨーロッパの分水嶺です。
目の前にピッツ・パリュとピッツ・バルナの間から流れてくるパリュ氷河が、大迫力で迫ってきます。
レーティッシュ鉄道ベルニナ線の車窓から
【8月23日=ベルニナ急行】
クネクネとカーブして走るRhaetisch Bahn/レーティッシュ鉄道のベルニナ線です。わたしの乗っている列車の窓から、すれ違う列車が見えます。
ポスキアーヴォ湖に沿って北上します。
湖畔をゆっくりと散歩する人たちです。うらやましい。
ポスキアーヴォに停車しています。
無蓋のトロッコ! を引いている列車にも出会いました。この日のようによい天気なら、最高の気分でしょう。乗って見たかったです。窓ガラスがないので、カメラにもばっちりです。
車窓に広がるモルテラチュ氷河です。
モルテラチュ氷河を背景にベルニナ急行を撮影する「お立ち台」(撮影ポイント)です。たくさんの「鉄ちゃん」がカメラを構えていました。
Pontresina/ポントレジーナでSt.Moritz/サン・モリッツ行きとSamedan/サメダンに直行してChur/クール方面に向かう線路が分岐します。向こうをサメダン行きの列車が走っています。
Muottas Muragl/ムオッタス・ムラーユ(2448m)に登るケーブルカーが見えます。ここから見る夜景はすばらしいと言うことでした。アルプスの画家、セガンティーニが亡くなったセガンティーニ小屋の登山口でもあります。ここは必ず訪れるつもりをしていましたが、予定通りには行動できません。結局、ここに登るとはありませんでした。






































































