グラーツ 大好きなグリーンのトラム

 【Day 8th 2019/09/14】
 オーストリア第2の都市、グラーツの駅前に立ちました。でも、トラムの姿がありませんでした。ターミナルが地下化されていたのです。
 そうとわかって地下のホームに降りると、今度は見覚えのあるトラムが走ってきました。グリーンの古い車両です。
 この日のグラーツは、お祭りのようでした。そのために古いトラムが走っていたのかもしれません。

 2012年に「バッハ音楽祭」を聴くためドイツ・ライプツィヒを訪れました。そのみやげとして聖トーマス教会近くの鉄道模型店で買ったモデルと同じでした。

 こちらは2010年に「グラーツの旧市街をトラムは走る」と書いた記録です。でも、もう、こんな色のトラムは走っていませんでした。

 ウィーンで訪れた交通博物館です。この光景を見たとき、ひらめきました。

 そうだ、ここにグラーツのトラムを置いたら絵になるぞ!!

 早速、試してみました。交通博物館の画像をA4用紙にプリントして立てかけます。赤いトラムが隠れるように、グリーンのトラムを置いて、望遠で撮影しました。
 そのうち、このシナリーをジオラマで再現しようと、次のお遊びのテーマが決まりました。

 現在のグラーツのトラムは低床のLRTで、基本カラーはシルバーのようです。これに乗って「大坂図屏風」のあるエッケンベルク城や旧市街に行きました。

 ゆったりとして明るい車内です。

 24時間チケットをバリデートしました。最初に使うときに、日時をスタンプするのです。

 カラフルなトラムが連なる旧市街です。

OeBBの旅 「ジパング倶楽部」の大恩恵

 インスブルックからザルツブルクを経てウィーンなどへの移動の足は、すべて自前で確保しました。団体ツアーとは違って、バスが迎えにきてくれるようなことはありません。
 お世話になったのがOeBB(ÖBB=オーストリア国鉄)です。おまけにJRの「ジパング倶楽部」のOeBB版ともいうべきフォアタイルスカード(VORTEILS card Senior)をゲットしました。
 63歳以上のシニアは1枚(1人)で29EURしかしません。それで乗車券の普通運賃がなんと45%割引になります。すぐに元が取れます。このカードさえ見せれば、「葵の印籠」のごとく何度でも、ポストバスにでも。

 改札口がないので持ち帰った乗車券(上部の2枚は座席指定券)です。
 すべてが45%OFF。2人旅が、ほぼ1人分の料金で済みました。

 インスブルック駅のコンコースです。ここのチケット売り場でカードを手に入れました。
 フォアタイルスカードは、留学など長期滞在者向けに発行され、1年間有効です。「地球を歩く」によると、駅窓口かOeBBのサイトから申し込み、正式カードは郵送されてくるということです。
 その存在に気づいたのは、旅の直前でした。郵送を待っている時間はないので、駅窓口に直接行きました。駅員に「どれくらいいるんだ?」と聞かれたので、「2週間」と答えると、パスポートを確認して1カ月間有効の記名入りカードを発券してくれました。 

 インスブルック発、ウィーン行きのレイル・ジェット(特急)車内です。ザルツブルクまで乗りました。

 ザルツブルク中央駅で降りました。近代的なきれいな駅になってました。
 初めてやってきた2004年は、まだ地上の昔の駅舎でした。次に来たときは駅舎の工事中でした。

 ザルツブルクは素通りで、駅前からバート・イシュル行きのポストバスに乗りました。乗車を待っていると、アルバイト学生風の女性駅員(?)が近づいてきて、チケットをその場でハンディー券売機で発券してくれました。もちろん、カードは有効です。

 「Senior」の文字も、割引とあれば気になりません。

 ザンクト・ヴォルフガングで1泊して、ウィーンに向かう途中のバート・イシュルです。
 OeBBの時刻表サイトでは、ポストバスから鉄道への接続時間はたったの3分でした。スーツケースもあることだし、乗り継ぎは大丈夫かと不安でした。
 向こうに停車しているバスに乗ってきました。降りたところがホームです。接続時間は十分でした。

 乗車する列車は、数分遅れて到着しました。待ち時間は十分です。

 車窓から眺めるトラウン湖です。
 ハルシュタットに向かっていた前回は、この辺りの区間が不通になって、代替バスに乗り継いだことを思いだしました。

 近郊区間の普通車両です。スーツケースを置く場所がなくて、自転車と混載です。

 ウィーン・ハウプト・バーンホフ(中央駅)に到着です。方面ごとにあった終着駅をまとめるために新しくできた駅です。この駅を利用するのは初めてでした。

ベルリン・フィルハーモニー ベルリンの音と天女の響き

 ベルリン・フィルハーモニーの響きに酔いました。
 シベリウスの交響曲第1番が終わり、拍手に包まれたフィルハーモニーです。フィンランドのフィルハーモニー初登場の指揮者、Santtu-Matias Rouvaliが、コンサートマスターの樫本大進と握手したところです。
 やはりベルリンの音です。管がさえわたり、弦がまろやかに包みこみます。最初に聴いた時ほどの感動はありませんでしたが、旅のフィナーレにふさわしい夜となりました。

 ラベルのピアノ協奏曲は、アリス・紗良・オット。ミュンヘン生まれの母親が日本人ということで、それだけに親近感がわきます。
 ステージには裸足で登場。金色のラメのドレスが細い体に光ります。
 演奏は、シャープで繊細でした。舞台を降りるときは、ひらりとまるで天女のよう。モデルのような美しさにいっぺんにファンになってしまいました。

 記念にCDを購入しました。

 【追加画像です】
 この夜は、カメラは持参しませんでした。すべてスマホでの撮影です。

 Uバーン(地下鉄)のポツダム・プラッツ駅から広場に上がり、SONYセンターを目印に進みます。

 SONYセンターの裏へと進むと、フィルハーモニーの黄色いホールが見えてきます。ワクワクとする瞬間です。

 裏口を横目にします。

 大ホールの正面入口です。

 当日券の窓口には行列ができてます。

 わたしたちの席は、前から5列目です。ネットで予約しました。

 開演まで時間があるので、ワインを一杯。

 休憩時のロビーです。

 感動の時間を過ごしました。玄関から別れを告げました。

トラムって素敵 ウィーン交通博物館

 ウィーンの町は、今も縦横にトラム(路面電車)が走っています。ひんぱんにやってくるので、リンク沿いの最寄りの地下鉄駅から1区間のホテル前の停留所までも乗ってしまいます。
 そのトラムが大集合している交通博物館です。交通局の大車庫に19世紀後半の公共交通手段としての馬車から、歴史的なバスやトラムが展示されています。

 蒸気機関車(SL)で引っ張っていたのです。

 横から見ると長方形。街を走るためか、動輪などは覆われています。

 簡単な運転席の上にも、つり革がついています。それほど乗客が乗り込んだのでしょうか。

 ボディーにはハプスブルク家の紋章の双頭の鷲がいます。

 出窓が好きなんですね!

 カーレンベルク行きのバスです。

 線路工事用のレールを積んだ、クレーン付きの車両もいます。

 おもちゃのトラムを真剣な表情で動かす奥さまです。孫もつれてきたかったです。

 ウィーンの街には、この赤が似合います。

 地下鉄UバーンのU3系統のSchlachthausgasseで下車。200メートルほどのところにある。

 remise( ウィーン市交通局交通博物館)
 Erdbergstraße 109, 1030 Wien

 

エスターハージー宮殿 ハイドン・ザールの思わぬ響き

 アイゼンシュタットを訪ねました。ウィーンからポストバスで1時間半ほどです。ハイドンが40年もの間、仕えたエスターハージー侯爵の居城、エスターハージー宮殿の大広間が改装されて「ハイドン・ザール(ホール)」になっています。
 ドアを開けると、リハーサル中です。小編成のオーケストラのハーモニーが限りなく美しいです。チェンバロの音も、心地よく響きます。テノールは、易々と歌っているのに、まろやかに広い空間に広がります。
 得した気分で椅子に腰かけ、聞き惚れます。これだけで、はるばるやて来たかいがあります。

 ハイドンは、1961年にエスターハージー候に仕え、弦楽四重奏などの数々の作品を生み出しました。

 エスターハージー候の至宝が展示されています。

 正面の2階がハイドン・ザールです。中庭にもリハーサルの音がこぼれてきています。

天気予報はあまりよくなかったですが、見事に晴れ上がりました。

楽友協会 ベートーベンの「第9」に圧倒される

 ムジーク・フェライン(楽友協会)の黄金ホールです。お正月のニュー・イヤー・コンサートでおなじみです。
 ベートーベンの交響曲第9番「合唱付き」が響き渡りました。
 管弦楽は残念ながらここを本拠とするウィーン・フィルハーモニーではなく、ブルーノ・ワルターという名指揮者の名を冠したブルーノ・ワルター交響楽団でした。指揮者もちょっと地味で、ゆったりとした重厚な響きでした。
 それが合唱の加わる第4楽章で爆発します。バスが圧倒的迫力で歌い、ソプラノがそれに輪をかけたように響き渡ります。合唱も素晴らしいボリュームです。
 シューボックス(靴箱)型のこのホールは、それほど容積が大きくありません。そこが大音量であふれかえります。
 ベートーベンは聴覚を失ってから第9を作曲しています。だからこんな曲が作曲できたのかと、ヘンに納得させられました。

 チケットは、ネットで予約しました。日本人も、たくさん聞きに来ていました。

 黄昏のムジーク・フェラインです。また、ここに戻ってこれました。

 演奏が終わりました。みんな、立ち去りがたいようでした。

王宮礼拝堂でウィーン少年合唱団を聴く

 ハプスブルク家の王宮にある礼拝堂の日曜ミサです。モーツアルトのハ長調ミサです。
 ウィーン少年合唱団が、天使の歌声を響かせます。透き通った高音が、天まで届くように舞い上がります。
 それにしては画像はちょっとヘンです。種明かしは、モニター画像で見ているからです。

 2階の席から、カメラだけ突き出してなんとか撮影した生画像と、音です。

 リハーサル中です。一番上のパイプオルガンの前で歌います。どこに座っていても演奏中の姿は見えるはずがありません。

 わたしの席からは、正面が見えるだけです。

 窓際まで寄ってのぞき込むと、やっと祭壇が見えます。
 合唱団は、アンコールではここに降りてきて歌ってくれました。

 ミサは厳かに進みます。

 ミサ終了後の礼拝堂です。

 シンプルな祭壇です。

 きょうは出番がなく案内係の団員が、記念撮影に一緒に写ってくれました。

 礼拝堂の入口です。観光客でいっぱいです。

シャーフベルク登山鉄道で ♬ドレミの歌の世界へ

 映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、家庭教師のマリアが子どもたちと山の上で「ドレミの歌」を歌うシーンから始まります。その舞台となったのが、シャーフベルク(1783m)です。映画にも登場した登山鉄道で登りました。
 山の上からは、ザルツカンマーグート地方の山々と、ヴォルフガング湖などの雄大な風景が広がっていました。
 一泊したザンクト・ヴォルフガングの村はずれにある湖岸駅です。真っ赤な蒸気機関車が待機しています。

 山のこう配に合わせてタンクが傾いています。

 SLが押し上げるこの光景は、絵ハガキでしか見ることができませんでした。

 山頂までの往復切符(39EUR)を買って乗り込みます。帰りの列車も指定してくれました。

 9時20分発の始発列車は、ディーゼル機関車が押し上げました。力強くてスムーズな動きですが、ちょっと風情には欠けるようです。

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