草津音楽祭~2 最高のパフォーマンス「ブランデンブルク5番」

草津音楽祭1

 草津音楽祭のために建設された「草津音楽の森コンサートホール」です。6角形をしています。開演前には、正面の窓が開いてます。

草津音楽祭2

 ワイドスクリーンのような窓の向こうには、雄大な浅間山が見えます。自然を取り入れた、すばらしい環境です。

草津音楽祭3

 22日のプログラムは「バッハとその息子たち」でした。
 息子のW.F.Bach、J.C.Bach、C.P.E.Bach、弟子のJ.L.Krebs、それに大バッハと、いろなな曲が並びました。アントニー・シビリ(ケルン音大教授)のピアノや、前日に続いてインデアミューレのオーボエ(シェレンベルガーの方は客席に)が登場。バッハ「フルート協奏曲ニ長調」には、ウィーン・フィルの首席奏者、ヴォルフガング・シュルツが、渋い音色を響かせました。
 圧巻は、最後の「ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV.1050」でした。ヴァイオリンは18歳でベルリン・フィルのコンサートマスターたなったサシコ・カヴリロフ、フルートはシュルツ、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャも加わりましたが、そんなそうそうたるメンバーをみんな食ってしまったのが、チェンバロのクラウディオ・ブリツィ(ステージ中央)でした。
 それまでも派手な動きで指揮者のいない演奏をリードしていました。第3楽章のカデンツァ(独奏演奏)に入ると、面目躍如。乗りにのってヴァリエーションを変化させ、チェンバロという古楽器を前に踊りださんばかりの演奏。ジャズのようなインプロビゼーション(即興演奏)ではないとは思いますが、そのパフォーマンスに演奏途中でも拍手したくなるほどでした。こんなに楽しいパフォーマンスはじめてでした。クラシックの楽しみが、ぐっと広がりました。 

草津音楽祭4

 1階は有料の入場客、2階はアカデミーの参加者で満席でした。

草津音楽祭5

 この日もサインをもらいました。左側で、上がシュルツ、下がブリツィです。

草津音楽祭6

 音楽祭のチケットは、ネットで予約しました。1枚たったの4000円です。2人で2日、計16000円です。秋のベルリン・フィルのチケットは、1枚でこの2倍もしました。大満足の2日間でした。

草津音楽祭7

 コンサートホールは、草津温泉の高台にあります。

草津音楽祭~1 2つのオーボエとペルージャに酔う

草津音楽祭1

 「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」という正式名称通り、若い音楽家を育てるアカデミーと、その講師陣の音楽家が演奏するコンサートで構成されています。今年で29回目という歴史をもっています。「18世紀の音楽~バロックからクラシックへ」が、2週間にわたって繰り広げられるプログラムのテーマです。
 高原のリゾートで夏に開かれるスイス・ヴェルビエ音楽祭とよく似ています。
 ザルツブルク、プラハの春、サイトウキネンin松本、ブレゲンツと
このところ毎年、音楽祭に出かけています。ことしは、ヴェルビエへの夢は叶わず、草津音楽祭となりました。
 演奏会の開始を告げるアルペンホルンが、「草津音楽の森国際コンサートホール」の緑いっぱいの庭に響きます。

草津音楽祭2

 21日のプログラムは、「イタリアの18世紀~イ・ソリスティ・ディ・ペルージャを迎えて」です。
 最も期待していたのが、アルビノーニ「2つのオーボエのための協奏曲ヘ長調作品9-3」です。
 ハンスイェルク・シェレンベルガー(ステージ左)は、ベルリン・フィルの元首席オーボエ奏者です。
 トーマス・インディアミューレ(同右)は、ホリガーの弟子のソロ奏者で、カールスルーエ音楽大学(ドイツ)の教授です。
 こんなすごい奏者が並び、しかもあまり聞くことはできない「2つの~」を朗々と響かせます。息をのむばかりのすごい演奏でした。 

草津音楽祭7

 あまりのすばらしさに、思わずミーハーしてしまいました。パンフレットに2人の奏者のサインをもらいました。

草津音楽祭3

 イ・ソリスティ・ディ・ペルージャのことは、なにも知りませんでした。正直にいうと、あま期待してませんでした。でも、その清らかな音色が響いた瞬間から、虜になりました。
 イ・ムジチ合奏団で知られるピーナ・カルミレッリの愛弟子パオラ・フランチェスキーニを中心に、古楽器の演奏で有名なペルージャ音楽院の教授らによって結成されています。

草津音楽祭4

 アンコールはボッケリーニの「マドリードの夜警隊の行進」から終曲の「マドリードの帰営ラッパ」でした。はじめて聴く曲でした。弱音で遠くから聞こえてきた隊列が、目の前を通過して、去っていきます。最後は帰営して、消え入るように終わります。

草津音楽祭5

 会場でCDを購入して、旅行中はカーステレオでずっと聴いていました。

草津音楽祭6

 すばらしい音楽会に満足して席を立つと、後部の席に中曽根康弘元首相が座ってました。ここは群馬県なんだと実感しました。ステッキを突いてましたが、シャキと背を伸ばした元気そうな姿でした。
  

青春18きっぷの旅 伊勢奥津駅の給水塔

奥津駅1

 名松線の終点、伊勢奥津(いせおきつ)駅には、SL時代の名残、給水塔がツタに絡まれて残ってます。
 大量の水が必要な蒸気機関車(SL)は、この給水塔の下に止まり、水をタンクに補給したのです。

奥津駅2

 松阪から1時間12分で、伊勢奥津に到着です。最初は緑の田んぼの中を、やがては谷にそって鉄橋を渡り、トンネルをくぐってきました。

奥津駅4

 ターミナルですが、ホームは1本だけです。

奥津駅7

奥津駅3

 この先にレールはありません。計画では、名張までつながるはずでした。

奥津駅5

奥津駅6

 駅舎は、平成17年に改築されたばかりです。無人の駅には、旅行客が書き残していったノートが置いてありました。

奥津駅7

 伊勢奥津-名張間は、1日3本の三重交通バスで結ばれています。奥津での滞在時間なども計算して、そのダイヤに合わせました。名張まで1時間10分、1010円かかりました。全区間、乗っていたのは、同じ名松線からの若者とふたりだけ。途中で高校生やおばあちゃんら計10人ほどが利用しただけでした。

青春18きっぷの旅 名松線の「キハ11」

キハ11-1

 「青春18きっぷ」の3回目の旅は、JR名松線です。三重県の名張-松阪を結ぶから「名松」として計画されました。昭和10年(1929)に、松阪-伊勢奥津(いせおきつ)間43.5キロが開通しましたが、参宮急行電鉄(現在の近鉄)が先に名張-松阪間を開通させたため、盲腸線のまま延伸はストップ。現在に至ってます。
 伊勢奥津-比津間で1時間に1本しか走っていない「キハ11」を撮影しました。この場所は、JRの各地の撮影ポイントを紹介している本「お立ち台通信」の2巻で紹介されています。ちょっと芸がないですが、同じ場所からレンズを向けました。

キハ11-2

 同じ場所からのカットです。暑い中をここまで歩き、列車がやってくるまで待ちました。

キハ11-3

キハ11-4

 「キハ11-8」です。松阪から、これに乗って、伊勢奥津まで行きました。その後、徒歩で手前の比津方向に戻ってきて、途中で松阪に戻っていく列車を撮影しました。

キハ11-5

 行きの車内から撮影しました。家城(いえき)駅で、対向車とすれ違います。もちろん、単線です。名松線のすれ違い駅はここだけです。

キハ11-6

タブレット

 今では珍しくなったタブレットの交換も行われています。単線区間で、対向車と衝突しないように考えられた安全策です。

キハ11-7

 比津駅に到着した「キハ11」です。

時刻表

 JR時刻表の8月号です。これをぺらぺらと繰っていたら、連載の「終着駅から始まる旅」に名松線と伊勢奥津駅が紹介されていました。
 同じ記事を見たのか、青春18きっぷ利用者とおぼしき同輩が何人も、それに鉄子さんも乗ってました。
 この鉄子さんの存在は、柘植駅での乗り換えで気づきました。ホームで亀山行きの「キハ120」を撮っているさまが、まるでわたしと同じでした。松阪駅を降りると、駅弁を買いにまっすぐに「あら竹」の本店に向かうのまで。鉄子さんは、3150円もする「匠の技 松阪牛物語」をご購入でしたが…。

シドニー・ピアノ・コンクールの北村朋幹をパソコンで聴く

北村朋幹

 The Sydney International Piano Competition of Australia がいま、シドニーで開かれています。4次までの予選を勝ち抜いた6人の決勝進出者のひとりが、日本の北村朋幹くんです。まだ17歳。愛知県の高校2年生です。
 その本選(5次)が、「ABC Classic FM」で放送されました。モーツァルトのピアノ協奏曲17番を弾いた北村くんの演奏を、ライブで聴きました。今夜、登場した3人の中では、最高の演奏だったと思います。8月1日にベートーベンのピアノ協奏曲4番を弾きます。翌2日の発表が楽しみです。
 2002年のチャイコフスキーで優勝した上原彩子も、このコンクールで優勝して、チャイコフスキーに進みました。北村くんも同じ道を歩みそうです。
 驚きですが、そんなライブが、わが家で聴ける時代です。ネットで中継されてるんです。ABCは、日本の朝日放送ではなく、オーストラリアの放送局です。リビングのステレオの前にあるノートパソコンで接続して、音声はステレオアンプにつなぎました。結構な音で鳴ってくれます。こんなのは初体験です。またもパソコンの世界が広がりました。2日には、ライブでコンクールの結果を知ることができます。ちょっとなまった(なまってなくても)英語のヒアリングというハードルは高いですが。
 写真は、3月に東京・上野の東京文化会館でのリサイタル終了後の北村くんです。浜松国際ピアノ・コンクールで聞き惚れて、「追っかけ」の気配になってきた女房と一緒に行ったその友人の撮影です。

青春18きっぷの旅 西国1番・青岸渡寺

青春18きっぷの旅 西国一番青岸渡寺

「青春18きっぷ」で、西国一番青岸渡寺まで旅しました。
さすがに帰りは特急と利用しましたが、暑い1日の旅の思い出です。
                          2008/07/26

 6:19

 阪急水無瀬駅前のコンビニで朝食のサンドイッチと飲み物を買って、JR島本に来ました。ちょっと早すぎて、予定より10分早い普通に乗りました。

 6:30

 高槻で快速に乗り換えました。通勤ラッシュ並で、座れません。

 島本駅の改札は、6時30分まで無人です。
 「青春18きっぷをご利用のお客さまは、乗車証明は下車駅か、途中の車掌にお申し出ください」と張り紙がしてありました。最後尾に乗り、車掌に証明してもらったので、「姫路電車区」の印です。

 7:05

 大阪駅の1番線です。予定通りの関空・紀州路快速に乗ります。

 8:31

 和歌山からは御坊行きの各停です。土曜日ですが、学生がたくさんの乗ってました。

 9:47

 御坊に着きました。
 向こうのホームに、紀州鉄道のかわいい気動車がとまっています。

 9:50

 乗り換えで時間があったので、跨線橋を渡ってきました。
 昨年の夏以来の再会です。「青春18きっぷの旅 紀州鉄道に乗る」で紹介しています。

 9:52

 紀伊田辺行きがホームに入ってきました。ワンマン運行ですが4両編成です。

 10:35

 南部駅に停車中です。
 和歌山-新宮間は、紀勢線ではなく、きのくに線と呼びます。紀伊勝浦は、和歌山から数えて47番目の駅です。ひとつずつとまっていきます。

 10:42

 隣のホームを特急が通過します。何台に抜かされたことか。

 10:52

 紀伊田邊に着きました。おなじみの風景が繰り広げられます。隣のホームにとまっている新宮行きは2両編成。席を確保しようと、われ先にと走ってしますのです。

 11:26

 単線運転です。対向車がやってくるのを待ちます。

 11:28

 まもなく「周参見(すさみ)」です。運賃表を見ると。和歌山からでも2210円です。青春18きっぷは、1回分が2150円ですから、すでに上回っています。妙にトクした気分です。

 勘違いしてました。青春18きっぷは、11500円です。5で割ると、2300円となります。

 11:37

 白浜をすぎてからは、乗客はすっかり少なくなりました。18きっぷ利用とおぼしき客が目につきます。

 11:51

 またも通過待ちです。ホームに出て、腰を伸ばします。

 12:09

 海岸に沿って走ってはいますが、トンネルも多いです。

 12:24

 串本です。。本州最南端までやってきました。

 12:24

 串本駅のホームです。昔は、ホームには必ずあった水道です。

 12:31

 岩石がかわったオブジェを形成しています。向こうは大島です。

 12:44

 岬の先端に潮岬燈台が見えます。その向こうはずっと太平洋です。

 12:58

 「脱線ポイント」をゆっくりと観察しました。
 写真左は「赤」です。このまま進むと、ポイントで左に曲がり、草むらに突っ込んでしまいます。でも、よく見ると左側のレールには、右方向に一直線につながっています。
 写真右は「青」です。ポイントが切り替わっています。
 単線区間では、正面衝突防止のために、こんな仕掛けが作られています。

 13:00

 鯨の町、太地です。「たいじ」と濁るのですね。

 13:07

 やっと紀伊勝浦に着きました。
 島本からなんと6時間48分、4940円の旅でした。

 13:15

 腹が減りました。「めはり寿司二代目」に飛び込みました。

 13:27

 勝浦駅前から「神社・お寺前駐車場」行きのバスを待ちます。
 神社は熊野那智大社、お寺は青岸渡寺です。

 往復乗車券(1000円)を買いました。普通料金は片道600円です。

 14:23

青岸渡寺の三重の塔と那智の滝です。

 14:34

 那智の滝のすぐ下にある「飛瀧神社」にも行ってみました。

 14:37

 ここでは、線香のかわりに護摩木をたきます。

 14:46

 滝前バス停で帰りのバスを待ちます。それにしても暑い。汗が噴き出します。
 1杯300円のかき氷でひと息つきました。

 15:50

 紀伊勝浦駅です。この列車に乗れば、11時18分に島本に帰り着けます。でも、ご遠慮しました。

 16:06

 帰りは特急を奮発しました。新大阪まで一直線です。

 特急に乗ると、青春18きっぷは無効となり、乗車券も必要です。
 パソコン予約してましたので、通常より400円安い6500円です。

 16:17

 駅前の土産屋で買ったさんま鮨です。
 これを食べたあとは、新大阪までひたすら寝てました。

 20:03

 各停だったら和歌山の手前を走っているころ、新大阪に到着です。
 隣のホームから新快速に飛び乗りました。

 20:25

 島本に帰ってきました。
 14時間あまり、ほとんど移動してました。こんな経験は、「JR西日本、特定区間170円の旅」以来のことです。

転車台のC型タンク9号@明治村

C型タンク1

 明治村の東京駅-名古屋駅間を往復する蒸気機関車9号です。線路はループにはなってません。終点では転回が必要です。名古屋駅でその様子を観察しました。

C型タンク2

 すべて手動で、それも人力で動かしてます。
 こんな光景が両端の転車台で、10分ごとに繰り返されていました。

きょうも客を運ぶN15とN8@明治村

N15-1

 夏の「青春19きっぷ」がきょう20日から使用開始となりました。待ちかねたように岐阜・犬山市の「博物館明治村」に行きました。お目当ては、もちろん動態保存されている2両の旧京都市電「N8」と「N15」です。
 きょう、動いていたのは「第貳」、これは明治村で付けられたナンバーで、旧京都市電の「狭軌1型(N)15」だけでした。

N15-2

 「市電京都七條駅」を通過する「N15」です。

N8

 市電品川燈台駅です。「第壱」、つまり「N5」(手前)は、定期点検中で休止してました。

入場券

 「博物館明治村」の入場券は1600円です。それに1日乗車券(市電、SL、バスが乗り放題)をプラスして2200円でした。

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「小さな改札口」のある田舎駅をつくる vol.2 「草軽駅」と命名

草軽駅1

 「小さな改札口」のある田舎駅は、「草軽駅」という名前にしました。

草軽駅2

 コッペルBタンクが客車1両を従えて停車しています。

草軽駅3

 改札口越しには、折り返し線に停車する単端が見えます。

草軽駅4

 「草軽駅」というのは、ちょうど図書館で借りていた鉄道グラフ誌「草軽のどかな日々」からの拝借です。
 草軽、正式には草軽電気鉄道の略で、信越線の軽井沢と草津温泉間55.5キロを、3時間半かけてつないでいた高原軽便鉄道です。「くさかる」という響きがきれいなので、気に入りました。草津と軽井沢の頭文字ですから。当然、そんな駅は存在しませんでした。
 パソコンで「草軽駅」といく種類も印刷して、その1枚を切り取って駅舎にはり付けました。

草軽駅5

 ベース部分です。線路を敷設し、バラスト(砂)もまいてます。次はホームの塗装です。