ベネズエラの若き指揮者、グスターボ・ドゥダメル。「栄光と苦悩そして挑戦に密着したドキュメンタリー」(パンフより)の映画「ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦」を、京都・烏丸御池の新風館にある「UPLINK 京都」で見ました。待ちかねていた上映初日でした。
1時間50分の上映が終わった瞬間、まだ暗い客席で立ち上がり、「ブラボー!!」と叫びたくなりました。コンサートではありませんので、当然ながら拍手もありませんでした。「よかったね」と奥さまと相槌をうちました。
「ダ ダ ダ ダ~ン」。ベートーベンの交響曲第5番「運命」の出だしの4音が、わかりやすい口伝と指揮により、生き生きと精気を帯びました。小さな体全体から音楽が沸き上がってきました。
2026年にはラテン系指揮者として初めてニューヨーク・フィルの音楽監督就任が決まっています。でも映画は、クラッシック界の新ヒーロー誕生物語では終わりません。
激動の祖国・ベネズエラの現政権を批判したことから、祖国に足を踏み入れることができなくなりました。自身も育った音楽教育プログラム「エル・システマ」の創始者で恩師は死去します。それを乗り越えて同じ苦境に立つ仲間や、祖国の若い音楽家とともに奏で続ける挑戦が、ロサンゼルス・フィルやベルリン・フィルの演奏するドボルザークの「新世界」などの素晴らしいメロディーに乗って息もつかせないほどに展開しました。
映画のパンフレットが売られていました。左下は、いただいたポストカードです。
「UPLINK 京都」は4つのスクリーンがありますいが、合わせても200席ほどのコンパクトな映画館です。
一番小さな38席のスクリーンでしたが、最前列を除くとほぼ埋まっていました。
新風館の地下にあります。
ドゥダメルは来年夏、ベルリン・フィルハーモニーとともに来日します。
ベルリンで毎年行われている野外コンサート・ヴァルトビューネの引っ越し公演が河口湖畔で開かれます。これは聴ききに行くしかないでしょう。
UPLINK 京都
075-600-7890
京都市中京区場之町586−2 新風館 地下 1階