京都の渋~い時 阿弥陀ヶ峰と「土を喰らう十二ヵ月」

 映画なるものを独り、久しぶりに見ました。「土を喰らう十二ヵ月」です。何かやってないかなと、たまたま見つけただけです。
 京都で半日を過ごすプランを考える必要が生じました。ところが太陽が顔を見せてくれません。これではシーズンを迎えた紅葉も映えません。
 たどり着いたのが、渋~いメニューでした。

 マイカー・プジョー208の12ヵ月点検でした。それだけのことです。京都・西京極近くのディーラーに車を預けました。夕刻に引き取りにくるまで半日の時間がありました。
 まずは近くのバス停で京都市バスを待ちました。すぐにやってきたのは紅白の京阪バスでした。

 京都駅行きの市バスに乗り、「1日バス券」を買いました。700円ですから3回(230円×3)乗れば、ほぼ元は取れます。
 最初の降車時に日付がプリントされ、あとはこれを見せるだけです。
 京都市民だったら「敬老優待パス」がもらえるのですがね。

 烏丸五条で下車しました。

 五条通をさらに東へ向かう市バスに乗り換えました。向こうに清水寺が見えていました。

 大谷本廟の前もきれいに色づいています。
 清水坂は、観光客や修学旅行生でものすごい混雑でした。

 南西に1ブロックほど路地を入っただけです。静かなたたずまいの「河井寛次郎記念館」です。ここをゆっくりと見学するつもりでした。
 大正・昭和にかけて京都を拠点に活動した陶工、河井寬次郎の住まい兼仕事場を公開したものです。民藝運動の理論的指導者となった柳宗悦や、二人を取りもった濱田庄司らの息吹を感じることができるはずでした。

 なんと休館日でした。1日の計画が崩れました。

 東山通を南に七条近くまで歩きました。豊国廟の参道を上ります。「女坂」と呼びます。この先に京都女子大・女子高があります。

 女子学生の姿が少ないと思ったら、皆さんはこの「プリンセス・ライン」という京都駅、四条河原町に直行する真っ赤な専用バスにご乗車でした。

 豊国廟は、太閤さん(豊臣秀吉)の墓所です。

 麓から563段もある石段を登って行きます。「そうですね、往復したら半時間はかかりますよ」と、落ち葉を掃除していた神社の人。

 一直線に石段はまだ続きました。

 頂まで上がってきました。 
 巨大な石造五輪塔は、豊太閤三百年祭が大々的に挙行された明治31(1898)年に建立されました。
 ここは東山三十六峰の第31峰である阿弥陀ヶ峰の頂上でもありました。

 大勢の参拝者で埋まっている清水寺の舞台が見下ろせました。

 山頂で1人、アマチュア無線を楽しんでいる方がおられました。しゃべりこみました。

 市バスに四条河原町まで乗りました。ぎゅうぎゅう詰めのバスでした。
 寺町通を三条まで上がり、「常盤」に直行しました。こじゃれたカフェ飯は敬遠して、ここは渋く「焼き魚定食」です。

 びっくりするほどおいしいわけではなく、当たり前の定食です。

 ふりかけがついているのがごあいきょうです。

 明治11(1878)年創業という、れっきとした百年食堂です。

 780円の、安心の味でした。

 常盤
 075-231-4517
 京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町523

 本日のメーンイベントは映画観賞でした。新京極の「MOVIX 京都」です。12スクリーンと関西最大級の規模です。高校生のころ、映画鑑賞でやってきた昔の松竹座です。

 「土を喰らう十二ヵ月」は、水上勉の原作を映画化しています。主演の沢田研二はともかく、松たか子に魅かれました。
 ストーリー性はあまりありませんが、「土を喰らう」そのままに土井善晴の料理が並びます。「おいしい」と松たか子が何度も繰り返します。えらく老けてしまったジュリー(わたしより1つ年長)の日々に、わが渋~い1日を重ね合わせてしまいました。

 河原町の丸善書店に寄って水上勉の「土を喰う日々-わが精進十二ヵ月-」(新潮文庫)を買いました。

 三条河原町からの帰りは、1本でカーディーラーの最寄バス停を通る市バスが発車したばかりでした。別ルートを3回も乗り継ぎました。これで1日バス券を有効に使うことができました。

京都・裏寺町 「百練」の鉄皿ステーキ

 東山三十六峰の吉田山などを巡りました。昼飯は四条河原町まで戻ってきていただきました。
 裏寺町の「百練」は久しぶりです。すでにランチタイムは終わっていましたが、名物の「鉄皿ステーキ」を定食にしてもらいました。
 リーズナブルなステーキです。柔らかいはずはありません。そんなことは承知です。シコシコと噛むほどに、旨い肉汁がしみだします。

 これが飲めるようになって、うまさ百倍です。

 「百練」と焼き印が入った割りばしでいただきます。

 居酒屋メニューがいっぱいです。

 狭い階段を上がった2階にあります。喫煙OKで、隣で吸っている女性もいましたが、離れていてそれほど煙たくは感じませんでした。

 ネットで住所を調べていて、この建物にしのぶ会館という立派な名前があることを知りました。

 百練(ひゃくれん)
 075-213-2723
 京都市中京区裏寺通四条上ル中之町572 しのぶ会館2F

東山三十六峰 その8 椿ヶ峰から紫雲山、吉田山へ

 東山三十六峰のウォーキングも終盤です。鹿ヶ谷(ししがだに)にある第15峰の椿ヶ峰から黒谷の金戒光明寺にある第13峰、紫雲山、そこから丘続きの第12峰、吉田山へと歩きました。
 吉田山の山頂展望台からは、目の前に京都五山送り火の大文字の火床が見えます。目をこらすとハイカーの姿が点になって数えることができました。

 椿ヶ峰に登る人は多くないようです。参考にしているToshiさんのホームページ「東山三十六峰」では、『お玉の橋を渡って登る』とあっけないほど簡単です。
 ところが、別のネット情報では、そのルートは『わかり難い道』と記されています。北側のノートルダム女学院の方から登りましたが、そちらもルートを見つけられず、YAMAPの位置情報と方向だけを頼りに雑木の中を汗だくで頂上を目指しました。

 紫雲山は光明寺の文殊塔の裏にあります。最高点には、清和天皇火葬塚があります。ここも宮内庁による「立入禁止」でした。

 哲学の道の紅葉も、疏水の上で真っ赤になってました。

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東山三十六峰 その7 御生山と赤山 赤山禅院の紅葉

 東山三十六峰を巡るウォーキングも未踏峰は数えるほどです。北の端の比叡山の麓にある第2峰の御生山(みあれやま)と3峰の赤山を歩きました。
 御生山には、期待していなかった山名のプレートもぶら下がっていました。「三十六峰」という文字まであってうれしくなりました。

 御生山という難読の説明は、麓の御蔭神社に書かれていました。
 『当神社は、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ=下鴨神社のこと)御祭神の荒御魂(あらみたま=御生(みあれ)されたばかりの御神霊のこと)を祈祭する摂社である。』
 この御蔭神社の背後にあるご神体ともいうべき山が御生山でした。御蔭山とも呼び、山名プレートの1枚はそちらでした。

 赤山(せきざん)禅院の背後にあるのが赤山です。こちらのピークは、修学院離宮の境内にあり、宮内庁の「立入禁止」のフェンスの内側です。遠巻きにしました。

 赤山禅院は、御所から見て表鬼門の方角(北東)に当たるため、方除けの神として古来信仰を集めてきました。早くも真っ赤な紅葉に彩られていました。

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大沢山から釈迦岳 水無瀬までのウォーク

 きょうもよい天気でした。急に思い立って山歩きに出かけました。
 目指したのは「大沢山」です。そんな山名を最近、YAMAPで知りました。わが町・島本にあります。
 登ってみると、見晴らし抜群の知っている展望台でした。最高の風景を前に、昼飯をいただきました。

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京都・洛西 まつおえんげいの柿とバラ

 「もう一度、あのバラが見たい」という義母のリクエストで、洛西のまつおえんげいに行きました。秋のバラが咲いてました。
 大枝のこの辺りは、柿の名産地です。あちこちに実がぶらさがっていました。
 園芸店ですが、柿も並んでいました。ひと盛り500円です。大きいのは8個、小ぶりのは13個でひと山です。よく売れている ”before after” です。やはり大粒の方が人気のようでした。

 実の締まった甘い柿です。大きな種があるのも、懐かしいです。

 熟したキウイフルーツの木の下でいただきました。コーヒーとワッフルです。

 ちょっとうすら寒かったですが、アイスクリームもおいしそうでした。

 秋咲きのバラが、美を競っています。

 夭折した女性チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの名を頂戴した白いバラです。

 義妹も一緒でした。義母の車いすがそのまま載せられるワゴン車の福祉用レンタカーを借りました。
 新型コロナ感染症もひと段落しています。それでも抗体検査は受けました。義母も久しぶりの外出を喜んでくれました。

京都・桂坂 十兵衛のAランチ

 桂坂でモミジバフウの紅葉を楽しみました。昼飯は、うどんの十兵衛でいただきました。
 「Aランチ」(950円)です。手打饂飩と御飯もの1品を選びます。わたしは鳥なんばんとおむすびのたらこです。
 湯気をあげて登場しました。まずはお出汁を。うまい! 人気の店のワケがすぐにわかりました。

 鶏肉がいっぱいです。

 カフェでもおかしくない高い天井のおしゃれな店です。

 カウンターには、テイクアウトのうどんの他に、チーズタルトやアップルパイが並んでいました。

 十兵衛
 075-333-8555
 京都市西京区御陵大枝山町5-26-6

京都・桂坂 モミジバフウの並木道 2022

 京都・西京区の桂坂に続くモミジバフウの並木道です。赤い2本のラインが向こうまで延びてます。
 昼前の陽ざしを浴びて光っていました。夕陽だった昨年とは違った表情を見せてくれました。

 モミジバフウは漢字では「紅葉葉楓」と書きます。楓を「ふう」と読み、フウ科フウ属の落葉高木です。

 カエデとよく似た格好の葉です。

 ニュータウンの桂坂には、3つのカラーのバスが乗り入れています。イエローのヤサカバス、赤白の京阪京都交通がやってくると、構えているカメラのシャッターが一斉にパシャパシャと鳴ります。
 グリーンの京都市バスは、市街地では落ち着いた色が素敵ですが、ここでは不人気です。

 日本では珍しいロータリーになっています。

 桂坂公園もすっかり秋の色でした。

京都・大原 「はんじ」の卵かけめし

 大原までドライブしました。戻ってきた観光客でにぎわいを取り戻しつつあります。寂光院への細い道を、修学旅行の一団が占拠してました。
 目指したカフェも行列。ならばと、久しぶりに「はんじ」です。大好物の卵かけ飯に小鉢3品、汁と漬物がついた「ごはん定食 並」(900円)です。
 プリプリの有精卵です。思い切りよく、グチャグチャにかき混ぜます。

 あとは喉を滑らせるだけです。

 四角菜という変わった葉のごま和えがついてました。

 昔は、うどんがセットのメニューもありました。「今は手が回らない」とシンプルに。

 大原はぐっと冷え込みます。石油ストーブが恋しいです。

 他に客はいません。話好きのおばちゃんとあれこれと。
 「昔は撮影のテレビ局の人とよく食べに来られました」と。「猫のしっぽ カエルの手 京都 大原 ベニシアの手づくり暮らし」(NHK-Eテレ)のベニシアさんのサインと、若いころの写真が飾られていました。

 外国人客がやって来て困っているとき、居合わせた客がチラシの裏に書いてくれた案内が張られています。

 京都一周トレイルの途中など、何度もやって来たことがあります。産経新聞の夕刊連載にも登場させました。

 はんじ
 京都市左京区大原上野町557
 075-744-2954

京都・岩倉 実相院の秋には早く

 京都までクルマで出かけました。岩倉の実相院の紅葉はそろそろかと訪れました。
 駐車場はガラガラ。訪れる参拝客はパラパラで、静かに拝観できました。ところが、肝心の紅葉にはちと早すぎました。
 色づいた木々もありますが、多くはまだみどりでした。
 比叡山を借景とする「こころのお庭」も、赤く染まるにはなお時間がかかるようでした。 

 秋には「床もみじ」が美しい寺院です。庭の紅葉が、磨き込まれた床に反射します。きょうはまだ「床みどり」の状態でした。
 撮影は禁止です。購入した絵はがきをご覧ください。

 真っ赤に千両が実をつけています。

 ツワブキが一輪。

 ハナウリクサ(花瓜草)でしょうか。築地にいっぱい咲いていました。

 京都市バスの5系統は、かつては「岩倉実相院」が終点だったはずです。その行先表示にはなじみがありましたが、参拝したのは初めてでした。

 実相院門跡
 075-781-5464
 京都市左京区岩倉上蔵町121

 実相院門前の山手にある石座神社(いわくらじんじゃ)です。狛犬が燃え始めた紅葉を背負っていました。