京都・大原の古知谷にひっそりとたたずむ阿弥陀寺です。色とりどり、なかでも黄色いクリンソウ(九輪草)が咲くことで知られます。
ちょっと早いかなと訪れると、あれやこれやと花々が一斉に開いていました。山野草図鑑をめくるようで、文字通り百花繚乱の美を競っていました。
絶滅危惧種のクマガイソウ(熊谷草)も、いっぱいの花を開けていました。
ヤマシャク(ヤマシャクヤク、山芍薬)も、ポッツと大きくて白い花を開けていました。ここで出会えるとは思っていませんでした。
クリンソウは咲き始めたばかり。九輪の一輪目でした。
新緑も清々しい阿弥陀寺です。喧騒の三千院辺りからちょっと離れただけなのに、出会ったのはたったの5人。静寂に包まれていました。
ラン科アツモリソウ属に分類される多年草です。
膨らんだ袋状の唇弁を、源平合戦の一の谷の戦で平敦盛を討った熊谷直実(くまがいなおざね)の母衣(ほろ)に見立てて名づけられています。
少々無骨な花です。純白のアツモリソウ(敦盛草)は、北海道の礼文島で見たことがあります。
すべての茎が花をつけています。ジャスト・タイミングでした。
開き切ったヤマシャクです。
こちらは準絶滅危惧です。
クリンソウは、開祖の弾誓上人の石廟の前庭に咲いています。
縁側から望遠レンズで撮影しました。
満開になると、赤やピンク、黄色い花も混ざります。
クリンソウとよく似てますが、サクラソウ(桜草)です。
イカリソウ(錨草)は、船のイカリのような格好をしています。
蕾もかわいいです。
ケマンソウ(華鬘草)がたくさんの花をぶら下げています。仏具の華鬘からの由来です。
ツツジでしょうが、花は小さく八重咲です。
見上げるとシャクナゲ(石楠花)が大きな花を開いていました。
地面には、黄色くて小さな花が一面に咲いていました。
キエビネ(黄海老根)も蕾を膨らませています。
4弁ですからヤマブキソウ(山吹草)です。
ヤマブキ(山吹)も満開です。
シラユキゲシ(白雪芥子)だそうです。
群生しています。
ヒトリシズカ(一人静か)が可憐に舞います。
オダマキでしょうか。
エンゴサク(延胡索)も咲いてます。
タンチョウソウ(丹頂草)と、初めて見た山野草が続きます。
オキナグサ(翁草)は下を向いてます。
シライトソウ(白糸草)です。
石垣にはユキノシタ(雪の下)です。
モフモフの苔から何かの葉が育っていました。
スギゴケ(杉苔)の新芽(?)です。
さして広くはない庭でしたが、満足すぎました。
いただいた「花目録」は、A4判用紙の両面に100種ほどの花の名が連なっています。
古知谷 阿弥陀寺
075-744-2048
京都市左京区大原古知寺町