清里の多音他(たねた)工房を訪ねました。
「日本で唯一の18弁オルゴールから手廻しオルガンまでを制作する音の工房です」
その18弁オルゴールのハンドルをクルクルと回すと、「イエスタディ ワンス モア」のかわいいメロディーが奏でられました。
細長い五線がプリントされた紙には、オタマジャクシに沿って小さなな穴が開いてます。それが音になって出てきます。
昔、市電の車掌が使っていたような口先が長いパンチで、自分で穴を開けるのです。編曲も作曲も自由です。
オルゴールからパンチまですべてがセットになって売られていました。金額のことは忘れて、思わず孫娘に買ってやりたくなりました。
ストリートオルガンともいう手廻しのオルガンです。
新聞社の先輩、Yさんは、このストリートオルガンを手作りしておられます。FBでわたしが清里に来ているのを知って、「懐かしい」とコメントしてくれました。
Yさんは、オルガンを制作するために何度もこの多音他工房に訪れておられました。おかげでわたしもその清らかな音に触れることができました。
木製のパイプが何本も立っています。金属製のパイプオルガンとも原理は同じです。
工房の主は、元は家具職人だったとか。精緻な木工技術を土台に、音の世界が広がっているのです。
壁には、美しくデザインされた時計が並んでいます。
主がオルガンの背後についているフイゴをパタパタと動かして空気を送り込んでくれました。
鍵盤にあわせて、オルガンが響きました。
これから修理するという製作から100年は立っているというオルガンです。
窓の外には清里の野山が広がる素晴らしい空間でした。
多音他工房
0551-48-5342
山梨県北杜市高根町清里3545-1