京都・二条城パガニーニ  String Trioを楽しむ

 京都・二条城のすぐ西隣にある二条城パガニーニで、スォーノ・リッコ・アンサンブル京都の「String Trio」を楽しみました。
 ヴァイオリン2人とヴィオラという珍しいトリオです。ドボルザークの三重奏曲など、初めて聴くプログラムでした。
 キラリと輝くヴァイオリンと芯のあるヴァイオリン、わが道をいくヴィオラと3人3様の音色が最前列のわたしの目の前で繰り出されました。

 奥さまの友だちのリッコさんのヴァイオリンの教え子ばかりです。
 左端のちかちゃんとは、昨年12月にウィーンで会いました。シュテファン大聖堂でモーツァルトのレクイエムを演奏するのを聞き、一緒に食事をして、カフェでは指揮をしていた反田恭平くんとも遭遇しました。
 9月には、ウィーン放送交響楽団のメンバーとしてまた戻ってきます。聴きに行かなくてはなりません。

 ホールの壁に気になる絵が飾られていました。
 近づくとRaoul Dufy(ラウル・デュフィ)のものでした。
 19世紀末から20世紀前半のフランスの画家で、「色彩の魔術師」と呼ばれました。

 こちらはオーケストラです。

 すべてデュフィでした。

 2階がホールです。赤いカーテンが降ろされていますが、開くと二条城がピアノのバックになるそうです。

 二条城パガニーニ
 京都市中京区西ノ京式部町50-2

 二条城の西南隅櫓の目の前です。

大阪・フェスティバルホール 反田恭平のベートーベンP協第4番

 大阪・中之島のフェスティバルホールで「バーゼル室内管弦楽団日本ツアー2024」を聴きました(3日)。お目当てはベートーベンのピアノ協奏曲第4番、ピアノは反田恭平でした。
 ピアノソロで弾き始めるコンチェルトです。反田くんの柔らかい音色が響きました。
 これまでにも反田+JNO(ジャパン・ナショナル・オーケストラ)の演奏は何度か聴いています。反田くんの弾き振りでした。この夜は、登場したときからリラックスした雰囲気でした。
 オーケストラと語り合うようなピアノです。柔らかな最弱音に引き込まれました。

 この夜のピアノは「Shigeru Kawai」でした。スタインウェーの極彩色のようなきらびやかさとは違った、山水画のような濃淡を表現しているようでした。

 アンコールでは、子犬のワルツとトルコ行進曲の限りなく優しい2曲をサービスしてくれました。
 こんなのを小林愛実との間に生まれた坊や(?)にも聞かせているのだろうかと、微笑ましくなりました。

 3階までで2700席もある大きなホールです。チケット代をちょっとケチったので、後ろから3列目でした。
 古楽器を使っているという小編成のオケの響きは、残念ながら私までは十分には届きませんでした。
 同じ小編成のJNOを同じホールの6列目で聴いたときは、ヴァイオリンや管の細やかな動きを目の前にして感激したのを思い出しました。

 指揮はアンドレアス・オッテンザマーでした。 腰から下の長い、見ていて格好のよい指揮ぶりでした。
 ベルリンフィルハーモニーで、いつも目が行くフルートのエマニュエル・パユの2人ほど横でクラリネットを吹いている端正な顔をしたその人でした。よく似た顔をした兄のダニエル・オッテンザマーはウイーンフィルハーモニーのクラリネット、父もウィーンフィルの元首席という音楽一家です。

 演奏会の前に、フェスティバルプラザ地下1階にある「ピッツェリア&バー マーノエマーノ 中之島」で軽く食事しました。
 昨年12月、モーツァルトが亡くなった同じ日、時間に、その葬儀も行われたウイーンのシュテファン大聖堂で反田くんが指揮する「レクイエム」を聴きました。その合唱団の一員だったSさんとご一緒しました。奥さまの大学混声合唱団の後輩でした。

 ウイーンの思い出で盛り上がりました。
 反田くんが練習中に指揮棒では伝えきれなと思ったのか、横のピアノで弾いてくれたそうです。「マエストロがラクリモーサを最後まで弾いてくれて感動しました」

 パスタ2種とピザをおいしくいただきました。

 フェスティバルホールの、建て替え前も思い出させる立派な赤ジュータン階段です。音楽会なんだという雰囲気を盛り上げてくれます。

びわ湖ホール タリス・スコラーズのミゼレーレ

 タリス・スコラーズのミゼレーレ・メイ・デウズ(グレゴリオ・アレグリ作曲、神よ、私を憐れんで下さい)を、満員のびわ湖ホールの大ホールで聴きまいた。ルネサンス音楽最高の合唱アンサンブルです。
 「システィーナ礼拝堂からのひらめき」と題されたプログラムです。ミゼレーレは、礼拝堂から門外不出だったこの曲を聴いた14歳のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって暗譜され、世に出たというエピソードがあります。
 舞台に男女の5声、4階の後方客席に4声、4階側壁に男声と三方から発せられる澄み切ったハーモニーが交錯しました。1800席を超す、あまり残響には考慮されていないようなオペラハウスです。その大空間を完全にコントロールした天にも昇るような圧巻の演奏でした。
 京都のバロックザール(200席)で9年前、サラウンド音声に包み込まれるようなミゼレーレも聴いています。システィーナ礼拝堂での響きを体感したくなりました。

 公演前にラウンジで昼飯にしました。びわ湖に向かっていただいた「えびピラフセット」です。

 シンプルな味付けで、おいしくいただきました。

 メニューは多くないうえ、スパゲティはわたしの前で売り切れになりました。

 公演を前に、ラウンジはいっぱいでした。

 公演後、雨も止んだようなので湖岸に出てみました。ノカンゾウが咲いていました。

 キキョウも可憐でした。

 雲が垂れ込めるびわ湖です。向こうに近江富士(三上山)がきれいなピラミッドを描いていました。

なら100年会館 ヴァイオリン 岡本誠司の世界 2024

 JR奈良駅の横にあるなら100年会館・中ホールで、「ヴァイオリン 岡本誠司の世界 2024」を聴きました。
 岡本くんのヴァイオリンは、反田恭平とのデュオやJNO(ジャパン・ナショナル・オーケストラ)のコンマスとして、街角コンサートでのソロと何度も聴いています。
 きょうも素晴らしかったです。ビロードのよに滑らかに深く輝く音色が響き続けました。
 プログラムはシューマンとブラームス。ほとんどが初めて聴いた曲でしたが、心地よく引きこまれました。

 ピアノは北村朋幹でした。奥さまは、浜松国際ピアノコンクール以来のごひいきです。
 わたしは初めて聴きましたが、緻密にコツコツと音符を積み上げていくような演奏でした。ちょっと硬く聴こえたのは、ピアノがベーゼンドルファーだったせいでしょうか。わたしの好きな音色を出すピアノですが、きょうは華やかさがイマイチだったようです。

 すぐ近くの席であす、このホールで「2台のピアノ」を弾く務川慧悟とナターリア・ミルステインの2人が聴いていました。

 アンコールで呼び戻された岡本くんが、この夜の演奏に託した思いなどを話しました。その間、北村くんは自らピアノの椅子を連弾用にセッティングしていました。何が始まるのかと思っているとー 岡本くんが座り、ふたりで弾き始めました。思わず拍手したくなるびっくりの演出でした。

 なら100年会館の前からJR奈良駅を見ると、その向こうに工作機械の森精機の奈良本社が見えました。反田くんやJNOのスポンサー企業です。

 正面に回ってみました。
 このビルのどこかに、JNOの練習室や宿泊施設までがあるようです。

 森精機の株主優待は、JNOのコンサートチケットです。わたしも株主になりたいですが、株価は1株4300円超え、その1000株といえば430万円の投資が必要です。別世界の話です。

 今夜も心地よい時間を過ごすことができました。

兵庫芸文 大阪バッハ合唱団の「ヨハネ受難曲」

 西宮北口の兵庫県立芸術文化センターで、大阪バッハ合唱団のJ.S.バッハ「ヨハネ受難曲」を聴きました。畑儀文さんが指揮兼エバンゲリスト(福音史家)をつとめ、ますます絶好調でした。奥さまもソプラノでコーラスに加わっていました。
 同じバッハの「マタイ受難曲」ほど演奏時間は長くはありませんが、2時間半にも及ぶ大曲です。昼寝を習慣としている身には、コクリとくる部分もありました。休憩時間に眠気覚ましのコーヒーを飲みました。
 終盤にかけての盛り上がりはさすがでした。最後のコラールまであっという間でした。
 新型コロナがちょっと落ち着いた2021年6月にも大阪・いずみホールで同じ曲を聴いています。コーラスはマスク着用。座席もひとりおきの半分とまだ厳戒態勢でした。それからすると、いっぱいのホールで心から素晴らしい音楽に浸れました。

 調べてみると、わたしがヨハネ受難曲を生で聴いたのは、今回が6回目です。
 最初に聴いたのは2005年6月の「プラハの春音楽祭」でした。テノールのペーター・シュライアーが指揮兼エバンゲリストの2役をつとめるのにびっくりしたのを覚えています。

 ルドルフィヌム(芸術家の家)にあるドボルザーク・ホールはよく響く素晴らしいホールでした。

アクリエひめじで聴く 反田恭平&JNOコンサートツアー2024

 「反田恭平&ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)コンサートツアー2024」を、JR姫路近くのアクリエひめじ・大ホールで聴きました。反田くんの演奏は、昨年暮れのウィーン・シュテファン大聖堂でのモーツァルト「レクイエム」以来です。
 

 プログラムは、前半がラヴェルの組曲「クープランの墓」、プーランクの「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲『オーバード』」。
 後半は、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲と、ピアノ協奏曲第20番でした。

 前から2列目の席でした。目の前に立った反田くんが振り下ろすと、これまた目の前の弦が限りなく澄み渡ったハーモニーを響かせました。管も素晴らしかったですが、可愛らしいホルン奏者らのお顔が見えずにちょっと残念でした。
 プーランクは初めて聴きました。事前にYouTubeで勉強してましたが、まるで別物でした。ピアノの向きが通常のピアノ協奏曲とは逆向きでした。反田くんの指先は見えませんでしたが、まばゆく踊り狂っていたのでしょう。息を飲むばかりでした。

 モーツァルトになって一転しました。
 P協20番は、映画「アマデウス」のエンドロールにも使われた曲です。反田くんも「小学生の時、~衝撃は半端じゃなかった・・・。~満を持して今回JNOと一緒に演奏できることが~」とライナーノートに書いてます。
 耳慣れたメロディーが流れてくると、ウィーンでモーツァルトの亡くなったその日、その時間に聞いたレクイエムが蘇ってきました。ショパンの反田くんが、それ以上に進化していました。

 大きなホールですが、満席でした。

 アンコールでのヴァイオリン(岡本誠司)とチェロ(水野優也)の火花が散る掛け合いはすごかったです。
 そして「トルコ行進曲」。これほどまでに優しくて愛に満ちた演奏を、ニッポンで聴ける幸せを感じました。

 サイン会が行われました。「ウィーンのオーバーラー(カフェ)でお会いしました!」と声をかけるんだと奥さまは張り切っていました。でも反田くんの姿はありませんでした。

 小腹が空いて、JR姫路駅の「姫路の地酒と姫路おでん本舗 」に寄りました。フードコートのような店で1000円ポッキリの「ちょい飲みセット」です。姫路おでんが5個とビールです。

 名物のおでんは、薄味で煮てあります。生姜醤油に漬けていただきます。

 「玉子焼き」と看板が上がる店でたこ焼きも追加しました。

 姫路の地酒と姫路おでん本舗
 079-284-6677
 姫路市駅前町188-1 ピオレ姫路おみやげ館

長岡京文化会館 長岡京室内アンサンブルのモーツァルト

 長岡京記念文化会館まで車で15分ほど。無料駐車場にとめて当日券を買いました。急に思い立って出かけた「長岡京室内アンサンブル モーツァルト&ブラームス 至高の室内楽」でした。
 モーツァルトのクラリネット五重奏曲K.581に魅かれました。LPやCDでは、いやというほど聴いている好きな曲です。
 今夜の奏者、吉田誠さんが手にしていたのは、バセットクラリネットでした。最低音が通常のクラリネットより低い音域まで出るそうです。
 まろやかで、とろけるような響きでした。大きなホールでしたが、奏者の息遣いまで聞こえてきそうでした。やはり「生」は素晴らしいです。うっとりとするひと時でした。 

 予鈴が鳴る前に若い奏者(ラ・ロワンテーン夏季アカデミー参加者)がステージ立って、音楽監督の森悠子さんとともに楽しい調べを響かせました。
 ブラームスのピアノ四重奏曲第2番は初めて聴きました。ピアノの小菅優さんの迫力ある演奏でした。

 

ORF ウィーンのクリスマス・コンサート

 ウィーンのクリスマス・コンサートを楽しみました。
 ウィーン放送交響楽団(ORF)がコンチェルト・ハウスでこのほど演奏しました。
 わたしたちのウィーン滞在中にリアル・コンサートを聴きたかったのです。でもこのコンサートの夜まで滞在し続けることができませんでした。残念ながらYoutube録画です。それでもウィーンのクリスマスの夜を、画面を通してゆっくりと体験することができました。
 ORFアカデミーのヴァイオリニストのちかちゃんも、画面に何度も登場しました。 
 ちかちゃんとはムジーク・フェライン(楽友協会)で同じコンサートを聴き、グリーヒェンバイスルで食事をし、シュテファン大聖堂で反田恭平が指揮したモーッアルトのレクイエムではヴァイオリンを弾いていました。オーバーラーでケーキを食べ、反田くんと出会うハプニングもありました。
 画面でまじかにすると、このコンサートも聴きたかったという思いが深くなりました。

「旅する音楽の贈り物~クリスマス・コンサート」を楽しむ

 小さなころからよく知っているお嬢さん(ピアノ)とそのご主人(仏・ブルターニュ国立管弦楽団ヴァイオリン奏者)に、学友のソプラノとそのご主人のバリトンを加えた2組の音楽仲間の楽しいコンサートでした。(画像はちょっとブレています。ごめんなさい!)
 超絶技巧で駆け巡るヴァイオリン、広いオペラ座と同じヴォリュームで朗々と発せられる歌声に、ただただ圧倒されるばかりでした。 

 プログラムは、モーッアルト、サン=サーンスと続いてカタツムリ!? エッ、カタツムリ作曲の「2匹のカタツムリ、枯れ葉のお葬式に行く」。そんなはずはありません。作曲はコズマです。そのミスをソプラノさんが、おもしろおかしく解説してくれ、バリトン氏がこれまたユーモラスに紙芝居のページを繰りました。
 最後は、サンタに扮したヴァイオリニストも加えて「聖しこの夜」の合唱と、クリスマス・イブにふさわしいひと時でした。

 高槻市内の50人ほど収容の小ホールです。

 芸術空間サロン・ド・ショパン
 高槻市高槻町13-5 HopeⅢビル3階

JR奈良駅 JNOの街角コンサートを楽しむ

 JNO(Japan National Orchestra)は、ピアニストの反田恭平さんがプロデュースするオーケストラです。拠点の奈良で、県とタッグを組んで「未来の演奏家育成事業 街角演奏」を繰り広げています。そのメンバーの弦4人+オーボエによるミニコンサートがJR奈良駅で開かれました。
 みやこ路快速を降りて、改札口を出たところが会場でした。クリスマスらしい曲で、演奏は始まりました。
 わたしは構えたコンデジを、そのまま動画モードにして撮影しました。

 乗降客で行き交うコンコースに、譜面台が立てられました。

 演奏者が到着しました。ラフな格好をした若者たちです。

 本番もコートを脱いだだけの普段着です。まるで飾らないコンサートです。

 モーッアルトのオーボエ四重奏曲の第1楽章です。大好きな曲です。
 広いコーコースは音響的には何も考えられていませんが、荒木奏美さんのオーボエが心地よく響きました。

 水野優也さん、佐々木賢二さんのチェロのデュオも素敵でした。

 「聖しこの夜」のメロディーに、通りかかった親子も足を止めていました。

 この曲は、音声のみです。
 「奈良を音楽の都に」という反田くんら若い音楽家の思いが詰まった素晴らしいひと時でした。

 コンコースは、天井や柱が木調で和風に仕上げられています。

 奈良を拠点とするJNOのおかげで、ここにやって来る機会が増えました。
 この街角コンサートも、奈良県庁で行われた岡本誠司さんのヴァイオリンに続いて2回目でした。