QUAD22邂逅(3) 電源の製作

 古い英国製プリアンプ、QUAD22の蘇生です。
 このアンプは、メーンアンプとセットで使用する前提で、電源はそちらから供給されます。わたしは単独で使用するので、電源が必要です。いうなれば心臓を手配する必要がありました。
 ジャンク箱を漁り、買い足したパーツを追加して人工心肺ができ上がりました。ケーブルで本体と結んでみました。電源をONにするのは、まだ先です。

 アルミケースをネット通販で購入しました。ドリル、シャーシパンチ、ハンドニブラーといった工具を使って加工しました。久しぶりの力仕事でした。

 トランスなどは古いパーツの流用です。

 おおかたの配線ができました。

 恐る恐る電源を入れました。爆発音は響かず、ヘンな煙は上がらず、臭いもしませんでした。
 テスターでB(高圧)電圧を測定すると、ほぼ予定通りの350Vとなっていました。安定化させたヒーター電圧も6.1Vと予定通りでした。
 電源はこれで完成です。いよいよ次段階は本体のテストです。

QUAD22邂逅(2) 後ろ姿をリフレッシュ

 思いがけずもヤフオクで競り落とした英国製プリアンプ、QUAD22です。「初恋の君」とはいえ、製造から半世紀ほどがたっており、さすがにその容姿に老いが目立ちます。まずは背面のリフレッシュにとりかかりました。
 上がアフター、下がビフォーです。
 入力端子のRCAコネクターが、どれも劣化しています。これでは接触不良を起こすのが確実です。すべて新品に取り換えました。

 太いケーブルが2本、ゴムブッシュで引き込まれています。
 QUADⅡというシングル・メーンアンプ2台と結んでセットで使用するようになっています。電源はメーンアンプから供給されます。
 しかし、セットのメーンアンプを導入する予定はありません。コントロールアンプとして単独使用するには不要です。

 2本のケーブルを撤去しました。

 空いた丸穴はアルミ板で埋めました。左側に出力用のピンジャックを新設。右には電源供給用のコネクターをつけました。

 フォノやCD、チューナーなどの各メディアの入力用のピンジャックも配線し直しました。

 なんとか使用に耐えられそうな格好がつきました。

QUAD22邂逅(1) 初恋のプリアンプ

 半世紀も昔となったわたしが学生だったころの話です。それまでのアマチュア無線からオーディオにも興味をもつようになりました。
 初めて作った真空管式のプリ(コントロール)アンプは、英国製のQUAD(クォード)22の回路をコピーしたものでした。オーディオ雑誌に製作記事が掲載されていました。残念ながら使用のレベルまで完成させることができなかった、いわば「初恋」のアンプでした。
 ホンモノなんて高嶺の花。大阪・日本橋の電気店街で拝んだような記憶はあります。
 それが今、わたしの机の上にあります。ヤフオク(ヤフー・オークション)で破格の低価格で落札したのです。 

 プレートにはACOUSTICAL MFG社製と書かれています。英国・ケンブリッジ近くのハンティングドンにある、1936年創業のオーディオメーカーです。
 QUADⅡというメーン(パワー)アンプとセットするコントロールアンプとしてQUAD22は1957年に誕生しています。
 シリアル(製造番号)は2万9000台ですが、それでも製造から60年ほどは経過しているのでしょう。
 真空管式のラジオやテレビなんて、もう家庭で見かけることはありません。そんな時代の製品をありがたがっているのです。

 音量調節のためのツマミが欠品となっています。それでヤフオクの競争相手が少なかったのでしょう。
 さて、どうしたものか? 大きな課題です。

 ケースをはずしてみました。ホコリはそれほどありませんでした。
 比較的小さなケースにきっちりと組み込まれています。ケーブルやパーツの足が直角に曲げられるなど、びっくりするほどの几帳面さです。これが英国人気質だったのでしょうか。

 上面もすっきりとしています。

 真空管を抜いてみました。オリジナルのものがささっているようです。
 左2本のEF86は英ムラード製です。右のECC83(12AX7)はMAZDAとあり、なんとポーランド製です。初めて見たブランドの球です。

 ブロックコンデンサ―など各所にMade in Englandの文字があります。

 プッシュスイッチの動きが鈍いので、分解修理のためにパネルを取り外しました。

 肝心の動作ですが、このプリアンプには電源がついていません。その製作から始める必要があります。
 ネットから拾ってきたきれいなQUAD22の画像です。ここまで修復するのは無理とわかっていますが、しばらくはこれで遊びます。

真空管プリアンプ 「球転がし」を楽しむ

 わが家の真空管式オーディオ装置のうち、プリ(コントロール)アンプの球(真空管)を交換しました。故障したわけではなく、球によって出てくる音が微妙に違うからです。まあ、アクセサリーをとっかえひっかえしているようなものです。
 左側の2本が12BH7Aという規格の真空管です。新たにゲットした米国のGE(General Electric)製と交換しました。
 真空管は、昭和の時代にトランジスタにその座を追われ、ほぼ姿を消しました。それでも「音が柔らかい」といった理由から、一部オーディオ・マニアの間では今も愛用されています。 

 これまで使ってきたのはMade in USAのSylvania製でした。

 GE製は、わたし自身へのお年玉としてヤフオクでゲットしました。
 昔はテレビで使われていたポピュラーな球でした。現在では生産されておらず、当時の球が細々と流通しています。

 これまでの球転がしの歴史です。5種類もあります。
 左からGE、Sylvania、日本の東芝の12BH7A、ロシアのerectro-harmonix製の12BH7AEH、スロヴァキアのJJ-Electronic製ECC99(12BH7A同等管)と、差し替え可能なほぼ同一規格ですがメーカーが異なります。 

 並べてみると、太さや高さ、プレートの大きさなどが微妙に違います。

 Sylvania製は、使っていなかった2本と合わせて4本もあります。
 白箱は、これまた使っていないCV4024が4本です。

 このCV4024は、今後も使う予定がないので目下、ヤフー・オークションに出品中です。わずかですが、転売での高収益を期待しています。

 リビングのオーディオ装置です。左下がプリアンプ、右が300Bシングルのメーンアンプです。
 ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団のモーツァルト・ディヴェルティメントK136のLPが心地よく響きます。
 わずかなことですが、高音がすっきりと響くようになり、あわせて中低音もまろやかになったというのが、今回の球転がしの感想です。もっともプラシーボ効果を含んでいます。ゴールは存在しないようなものですが、そこへのルートを楽しんでいます。

 このプリアンプとは、もう10数年のつきあいです。
アナログ回帰 コントロールアンプも管球式に

ミクロブライト・ワンマンLIVE in 島本町 爆音に驚愕!!

 ミクロブライト(MikroBritz)というヴァイオリンとピアノのユニットのライブを体験しました。わが町・島本町出身の2人による「我らが地元への恩返しがしたいねんLIVE!」でした。
 響くんは、なん分の1かの小さなヴァイオリンを弾き始めたころから知っています。その今、が奏でる柔らかな調べや、初体験の炸裂する爆音に曝されながらも、目指している音楽の片鱗に触れることができました。

 クラシックは、「タイスの瞑想曲」の1曲だけでした。
 この曲って、響くんのお母さんのヴァイオリン、わたしの奥さまのピアノの2人が、息子たちの通う保育園で演奏した30数年前を思い出しました。

 「高校(堀音)の先輩の髪の毛もじゃもじゃの・・・を演奏します」で始まった「情熱大陸」です。

 2部を前にペンライトが配られました。真ん中からポキリと二つ折りすると、中の成分が化合して発光するということを初めて知りました。

 なるほど赤と青に光ります。これを音楽に合わせて振りました。

 オリジナル曲が次から次へ。アンコールもあって、熱演は続きました。

 会場は、わたしの住むマンションの窓から見下ろす歯科医院の2階囲碁サロンでした。たぶん、わたしが会場に一番近くに住むリスナーでした。
 わたしがお世話になってきた歯科の善先生も、囲碁教室の関山利光九段も最前列におられました。

 ミクロブライトのファーストCD「共震」が、全国発売されました。

 ミクロブライトに詳しいです。

凧をつくる その2 四面体凧は浮上せず

 お正月に孫娘と揚げるのを楽しみにじーじが製作した四面体凧です。
 きょうは朝から風が吹いていました。車で5分ほどの淀川河川敷の公園に出かけました。
 風を受けてフワリ!! とはまいりませんでした。浮力が足りません。せいぜい地上2ー3メートルほどを不安定に上下するだけでした。

 なんとか片手でタコ糸をもち、もう一方でデジカメを構えて撮影した画像です。

 淀川の起点近くの右岸です。向こうは天王山です。

 マンションの窓から、前の木の枝の揺れを見る毎日でした。きょうはざわざわと小枝が揺れていました。

 いざ出撃! でも結果は無残でした。

 製作編はこちらです。
 凧をつくる 2025モデルは「四面体凧」

X’masに「ヒンメリ」を飾る

 フィンランド伝統のクリスマス装飾、「ヒンメリ」を飾りました。日本のお正月の松飾りみたいなもののようです。
 つくったのは大小2つの生八面体が重なっている基本形です。上の星形は今夏につくりました。 
 サンタクロースは、3日連続でこのブログに登場です。

 ライ麦の穂でつくります。でもそんなものは手に入りません。夏にホームセンターで買ったヨシのすだれの節がない部分を切りました。両端が割れないように、木工ボンドで処理しました。

 ピアノ線を使って糸を通していきます。

 2つのヒンメリを組み立てている最終段階です。

 先日、のぞいたJR京都のジェイアール伊勢丹の北欧展でもぶら下がっていました。いい値がしてました。

Merry Christmas from JNO

 奈良に本社を置く「Japan National Orchestra 株式会社」から宅配便が届きました。「Merry Christmas & Happy New Year」のカードと2025年カレンダーでした。
 受け取った奥さまは大喜びです。
 Solistiadeという、ピアニストの反田恭平とJNOのファンクラブに奥さまは加入しています。企業が配布するカレンダーのようなものが支援者に配布されたようです。
 JNOは、オーケストラとしては異例の株式会社として運営されています。コアメンバーは、その社員として身分が保証されています。このカードやカレンダーも、きっと経営者・反田くんのアイデアだったのでしょう。

 さっそくサイドボードのサンタクロースと並べてみました。

 カレンダーは二つ折りで、立てかけると両面から見ることができます。
 4月には反田くんと、ホルンの鈴木優ちゃんらが映っています。

 10月はコンサートマスター(ヴァイオリン)の岡本誠司さんと並んでいます。社長というなれば副社長です。音楽の世界だけにとどまらず、いろんな顔をもっています。

京都駅 山本まんぼの「べた焼き 全部入」

 JR京都のジェイアール伊勢丹まで買い物に出かけました。昼飯は塩小路高倉を北に行った「山本まんぼ」にしました。「昭和23年創業 まんぼ焼き発祥の店」と看板にも書いている有名店です。
 頼んだのは京都人のソウルフードともいうべき「べた焼き 全部入」(1100円)です。豚肉、イカ、ホルモン、油かす、タマゴなど全部が入っています。
 クレープのように薄く延ばした小麦粉の上に多くはない具材を載せ、タマゴが覆っています。ソースは中ほどの「甘辛」です。
 端からコテで切って、そのまま口に運びます。箸は使いません。パリッと焼けて、懐かしくもある味です。

 ビールを飲んで、焼き上がりを待ちました。
 子どものころ、銭湯からの帰り道に路地の角にあった小さな店で焼いているのを買ってもらったのはべた焼きでした。そんなことを思い出しました。

 鉄板の左がべた焼き、右がまんぼ焼きです。
 並べてみると、べた焼きに麺を追加したのがまんぼ焼きというルーツをもつかのようです。
 同じ粉ものでも、ふわっとした大阪のお好み焼きや、大量のキャベツを蒸し焼きにしている広島焼きとは別物です。

 昔は、南に5分ほどのラーメンの人気2店が並ぶ高橋(たかばし)の筋向いにありました。跡地は区画整理されて京都市立芸大のキャンパスになっています。

 山本まんぼ
 075-341-8050
 京都市下京区小稲荷町61-5

 きょうの買い物は「山利 白味噌」でした。わたしの年末恒例の行事です。お正月の雑煮は、この白味噌が欠かせません。
 これまでは、錦市場の「麩嘉」で買っていました。伊勢丹でも売られていることを知りました。地下2階の食料品売り場に、豆腐などと並んでいました。

 伊勢丹の催事場で「北欧展」が行われていました。
 かわいいサンタクロースが並んでいました。

 同じサンタを昨年、大阪・なんばの高島屋大阪店で買っていました。
 わが家に飾っています。ひとつがホンモノ。あとのふたつは、わたしが丸棒を切ってつくったコピーです。ひとつで1500円ほどもしますから、たくさんは買えません。

 板を重ねて作られて鳥です。かつて、どなたかにいただいてつくった覚えがあります。

 わたしの目が釘付けとなった1枚です。フィンランド・ARABIA製です。トラムや町の様子が鮮やかに描かれています。

 ビンテージものの食器です。見とれてしまいますが、どれも「0」がひとつ多いです。

凧をつくる 2025モデルは「四面体凧」

 この歳になっても、お正月の楽しみは凧揚げです。2025モデルの凧をつくりました。「四面体凧」のヴァリエーションです。
 オリジナルは、電話を発明したアレクサンダー・グラハム・ベルが4つの三角を合わせた三角すいの「四面体」を組み合わせた「四面体凧」を発明して、研究を進めていました。ベルが考えていたのは、人をも運ぶような大規模なものでした。
 わたしのは、孫娘の笑顔を見られたら満足できる簡単な凧です。

 四面体凧を解説した図面です。ネットから探してきました。しかし、平面図から立体を想像するのは、なかなか難しいです。

 厚紙を切って、プロトタイプをつくりました。これで全容を理解できるようになりました。
 ベルのオリジナルは、四面体の積み重なったフレームに膜を張る構造となっています。でもプロトタイプを眺めているうちに、フレームを省略したタイプを思いつきました。

 膜となる正三角形の型紙をつくります。

 百均で買っていたラッピングシート(ポリプロピレン製)に印をつけて、カッターナイフで切断しました。

 補強のため、四隅に両面粘着テープを張って折り返します。

 折り返しの端に糸を通しておきました。

 4枚のパーツができあがりました。

 2枚は、長さ450mm、太さ4mmの丸棒に接着しました。

 青色の2枚は、長さ900mm、太さ5mmの丸棒に並べて接着しました。

 ピンク膜の端を、長さ900mmの横棒に結び付けました。ブルー膜も固定して完成しました。
 とりあえず思いの格好には仕上がりました。でもこれが風を受けて上手に揚がってくれるかどうかは、まるで不明です。テストフライトが楽しみです。