アッヘンゼー鉄道の、動画と静止画で編集しました。「シュッシュポッポ」と蒸気機関車(SL)あえぎあえぎ登るサウンドです。
カテゴリー: 「鉄ちゃん」になる
イェンバッハ 3つのレールの結節点
イェンバッハはインスブルックからOeBBの特急で東へ15分ほど。人口7000人ほどの町です。ここから南と北に2つの私鉄が走っています。
ツィラータールバーン(Zillertalbahn)は、南に32キロのマイアーホーフェンまでを結んでいます。
週に何日かはノスタルジックな蒸気機関車が1日1往復、運行されるようです。残念ながら運休日で、SLの姿はありません。
SLに似合いそうなクラッシックな客車です。
イェンバッハのOeBBのホームには、2つの鉄道への案内があります。
アッヘンゼーバーンは、OeBBの横にあるホームから出発します。
インスブルックから乗ってきたOeBBのレギオナル・ツーク(各停)です。
車窓からは、雪を覆った尖った山々が連なって見えて、飽きることがなかったです。
帰りのホームです。
東に行けば、ドイツのミュンヘンです。
西に行けば、インスブルックを通ってイタリアのボローニャです。
かわいらしい駅ですが、駅前には何もなさそうです。
ボローニャ行きのオイロシティー(EC)がやってきました。
アムステルダム ガントレットを走る
ガントレット、日本語では単複線といいます。アムステルダムのトラムです。プラハのトラムでも見たことがあります。
いささか「鉄ちゃん」の話題です。町の風景ではなく、レールにご注目を。
ダム広場を過ぎて、ムントタワーが向こうに見える辺りです。道が狭くなってます。なかでも両側の建物が迫る区間は、それまで複線だったトラムのレールが、単線のように狭まります。でもポイントはなく、単線ではありません。複線ですが、相互通行できないだけです。
日本とは逆に車は右側通行です。わたしの乗っているトラムは、黙っていても右側の線路に進みます。
譲り合い精神(?)さえあれば、向こうからくるトラムとガッチンコすることはありません。
ガントレットの区間は、いくつもあります。
トラムの車内です。日本のように、座席が空いているのに立っているといった乗客はあまり見かけません。
アムステルダム・コンセルトヘボウの前に停車するトラムです。
ここは同名のオーケストラの本拠地です。この後ウィーン・フィルの本拠地、ムジーク・フェライン(楽友協会)、ベルリンのフィルハーモニーホールと、名だたるホールを巡りました。
アムステルダム中央駅からトラムに乗り込んだときに、トラム内の車掌から買った1時間チケットです。
帰りは、1時間ギリギリになりタイムアウトと、ダム広場で途中下車しました。
でも1時間の計算の起算と終結の正確なカウントはどうなっているのでしょうか。
上の2枚は、スキポールとアムステルダム間のチケットです。
チューリップの国、オランダらしく、中央駅構内のコンコースにはカラフルな花屋があります。
中央駅には、珍しく改札口が設置されています。今回の旅での改札口は、ここだけです。
スキポールから乗った電車は、デン・ハーグからやって来ました。そちらに行って、マウリッツハイス美術館でフェルメールの最高傑作、「青い耳飾りの少女」に会いたくなりました。
グラーツ どこで食べてもマクド
どこで食べても「マ・ク・ド」です。グラーツからの帰り道。改札わきの店で「1st Set」を買って、ウィーン行き列車に乗り込みました。確か4.8EURだったはずです。日本とそれほど変わらないという印象です。レタスが細く刻んであるくらいで、お味もそれほど変わりません。
注文すると、番号のプリントアウトをくれます。その番号がディスプレーに表示されるまで待ちます。
McDonald’s Graz
Conrad-von-Hötzendorf-Straße 91, 8010 Graz,Austria
グラーツの駅舎です。真っ赤な驚かされる天井です。
何もない駅前です。以前は、ここにトラムが停車しました。
ウィーンのハウプト・バーンホフ(中央駅)から出発しました。OeBBの電気機関車で引っ張ります。
隣国・スロベニアのリュブリャナ行き急行です。スロベニア国鉄の水色の客車との混成です。
日本のJRからは姿を消した食堂車も健在です。
アルプスを越えた最初の鉄道、セメリンク鉄道を設計した技師、ゲガの碑と世界遺産のプレートが、このセメリンク駅にあったはずです。でも見あたらないまま通過しました。
記憶違いで、逆方向でした。
帰りは、反対側の窓から気をつけていると、確認できました。
石造の二重アーチが美しいカルテリンネ橋も通過します。カメラを構えてましたが、わかりませんでした。
こちらは二重になっていないので、よく似た橋のようです。
ウィーン 真っ赤なトラムの心憎い配慮
真っ赤なトラム(シュトラーセン・バーン)は、ウィーンのリンク(城壁を取り除いてできた環状道路)によく似合います。
黄昏のオペラ座前にあるOperでやってくるトラムを待ちます。行先ごとに、右端には到着するまでの時間(分)が表示されています。地下鉄にもこの表示はあり、いつやってくるのかとイライラして待つことはありせん。
ムジーク・フェライン(楽友協会)でベートーベンの「第九」を聴いた帰り道です。午後9時を回ったschwarzenbergplatzでトラムを待ちます。
到着時間の表示を見ていると、「14(分)」となっているのが突然「4」に変わったり、また「15」に逆戻りしたり。その繰り返しで、さすがに「狂ってる!!」、どうなってるの。
次の日、明るい中でゆっくりと確認しました。
左下に拡大表示したマークがミソでした。よくよく見ると車いすをデザインしています。
それでわかりました。次のトラムは何分後、でも低床式でじいちゃん、ばあちゃんや車いすの乗客はステップに段差がないそちらまでお待ちくださいというサインだったのです。
外国人観光客に対して、「お・も・て・な・し」といった日本人的な配慮は、あまり感じないウィーンです。ここで、もうひと言、掲示しておいてくれたら助かるという場面には、しばしば遭遇します。でもそれは「聞けばすむ」ということのようです。非ドイツ語国民には言語の壁は厚いですが、それ以上に「弱い人」を大切に守っているというわけだったようです。
低床式のLRTは増えているウィーンですが、まだまだ古いトラムが健在です。
「ウィーンのガウディ」と呼ばれたフンダートヴァッサーの代表作、「フンダートヴァッサーハウス」の前にも走ってます。
ウィーン交通の「72時間カード」を買いました。これで地下鉄もトラムも乗り降り自由です。
これが時間切れとなった月曜日には、「1週間カード」を買い直しました。月曜から1週間が有効期限です。旅の日程を考えて、最もリーズナブルな方法を選びました。
地下鉄のU1、U4が交わるシューベーデンプラッツのトラム駅です。ホテルまでは1駅でしたが、乗ってしまいます。
右が1週間、滞在したキッチン付きのアパートメントホテル、Adagio Viena Cityです。
写真は少ないですが、低床式のLRTがウィーンでも主流になりつつあります。
黄色いトラムは、観光客用にリンクを巡回しています。
ベートーベンも保養のために訪れた温泉地、バーデン行きの私鉄も走っています。
グラーツ 大好きなグリーンのトラム
【Day 8th 2019/09/14】
オーストリア第2の都市、グラーツの駅前に立ちました。でも、トラムの姿がありませんでした。ターミナルが地下化されていたのです。
そうとわかって地下のホームに降りると、今度は見覚えのあるトラムが走ってきました。グリーンの古い車両です。
この日のグラーツは、お祭りのようでした。そのために古いトラムが走っていたのかもしれません。
2012年に「バッハ音楽祭」を聴くためドイツ・ライプツィヒを訪れました。そのみやげとして聖トーマス教会近くの鉄道模型店で買ったモデルと同じでした。
こちらは2010年に「グラーツの旧市街をトラムは走る」と書いた記録です。でも、もう、こんな色のトラムは走っていませんでした。
ウィーンで訪れた交通博物館です。この光景を見たとき、ひらめきました。
そうだ、ここにグラーツのトラムを置いたら絵になるぞ!!
早速、試してみました。交通博物館の画像をA4用紙にプリントして立てかけます。赤いトラムが隠れるように、グリーンのトラムを置いて、望遠で撮影しました。
そのうち、このシナリーをジオラマで再現しようと、次のお遊びのテーマが決まりました。
現在のグラーツのトラムは低床のLRTで、基本カラーはシルバーのようです。これに乗って「大坂図屏風」のあるエッケンベルク城や旧市街に行きました。
ゆったりとして明るい車内です。
24時間チケットをバリデートしました。最初に使うときに、日時をスタンプするのです。
カラフルなトラムが連なる旧市街です。
ÖBBの旅 「ジパング倶楽部」の大恩恵
インスブルックからザルツブルクを経てウィーンなどへの移動の足は、すべて自前で確保しました。団体ツアーとは違って、バスが迎えにきてくれるようなことはありません。
お世話になったのがÖBB(オーストリア国鉄)です。おまけにJRの「ジパング倶楽部」のÖBB版ともいうべきフォアタイルスカード(VORTEILS card Senior)をゲットしました。
63歳以上のシニアは1枚(1人)で29EURしかしません。それで乗車券の普通運賃がなんと45%割引になります。すぐに元が取れます。このカードさえ見せれば、「葵の印籠」のごとく何度でも、ポストバスにでも。
改札口がないので持ち帰った乗車券(上部の2枚は座席指定券)です。
すべてが45%OFF。2人旅が、ほぼ1人分の料金で済みました。
インスブルック駅のコンコースです。ここのチケット売り場でカードを手に入れました。
フォアタイルスカードは、留学など長期滞在者向けに発行され、1年間有効です。「地球を歩く」によると、駅窓口かÖBBのネットサイトから申し込み、正式カードは郵送されてくるということです。
その存在に気づいたのは、旅の直前でした。郵送を待っている時間はないので、駅窓口に直接行きました。駅員に「どれくらいいる(滞在する)んだ?」と聞かれたので、「2週間」と答えると、パスポートを確認して1カ月間有効の記名入りカードを発券してくれました。
インスブルック発、ウィーン行きのレイル・ジェット(特急)車内です。ザルツブルクまで乗りました。
ザルツブルク中央駅で降りました。近代的なきれいな駅になってました。
初めてやってきた2004年は、まだ地上の昔の駅舎でした。次に来たときは駅舎の工事中でした。
ザルツブルクは素通りで、駅前からバート・イシュル行きのポストバスに乗りました。乗車を待っていると、アルバイト学生風の女性駅員(?)が近づいてきて、チケットをその場でハンディー券売機で発券してくれました。もちろん、カードは有効です。
「Senior」の文字も、割引とあれば気になりません。
ザンクト・ヴォルフガングで1泊して、ウィーンに向かう途中のバート・イシュルです。
OeBBの時刻表サイトでは、ポストバスから鉄道への接続時間はたったの3分でした。スーツケースもあることだし、乗り継ぎは大丈夫かと不安でした。
向こうに停車しているバスに乗ってきました。降りたところがホームです。接続時間は十分でした。
乗車する列車は、数分遅れて到着しました。待ち時間は十分です。
車窓から眺めるトラウン湖です。
ハルシュタットに向かっていた前回は、この辺りの区間が不通になって、代替バスに乗り継いだことを思いだしました。
近郊区間の普通車両です。スーツケースを置く場所がなくて、自転車と混載です。
ウィーン・ハウプト・バーンホフ(中央駅)に到着です。方面ごとにあった終着駅をまとめるために新しくできた駅です。この駅を利用するのは初めてでした。
トラムって素敵 ウィーン交通博物館
ウィーンの町は、今も縦横にトラム(路面電車)が走っています。ひんぱんにやってくるので、リンク沿いの最寄りの地下鉄駅から1区間のホテル前の停留所までも乗ってしまいます。
そのトラムが大集合している交通博物館です。交通局の大車庫に19世紀後半の公共交通手段としての馬車から、歴史的なバスやトラムが展示されています。
蒸気機関車(SL)で引っ張っていたのです。
横から見ると長方形。街を走るためか、動輪などは覆われています。
簡単な運転席の上にも、つり革がついています。それほど乗客が乗り込んだのでしょうか。
ボディーにはハプスブルク家の紋章の双頭の鷲がいます。
出窓が好きなんですね!
カーレンベルク行きのバスです。
線路工事用のレールを積んだ、クレーン付きの車両もいます。
おもちゃのトラムを真剣な表情で動かす奥さまです。孫もつれてきたかったです。
ウィーンの街には、この赤が似合います。
地下鉄UバーンのU3系統のSchlachthausgasseで下車。200メートルほどのところにある。
remise( ウィーン市交通局交通博物館)
Erdbergstraße 109, 1030 Wien
シャーフベルク登山鉄道で ♬ドレミの歌の世界へ
映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、家庭教師のマリアが子どもたちと山の上で「ドレミの歌」を歌うシーンから始まります。その舞台となったのが、シャーフベルク(1783m)です。映画にも登場した登山鉄道で登りました。
山の上からは、ザルツカンマーグート地方の山々と、ヴォルフガング湖などの雄大な風景が広がっていました。
一泊したザンクト・ヴォルフガングの村はずれにある湖岸駅です。真っ赤な蒸気機関車が待機しています。
山のこう配に合わせてタンクが傾いています。
SLが押し上げるこの光景は、絵ハガキでしか見ることができませんでした。
山頂までの往復切符(39EUR)を買って乗り込みます。帰りの列車も指定してくれました。
9時20分発の始発列車は、ディーゼル機関車が押し上げました。力強くてスムーズな動きですが、ちょっと風情には欠けるようです。
蒸気機関車に押されてアッヘンゼーへ
インスブルックからOeBB(オーストリア国鉄)の各停で東へ半時間ほど。イェンバッハという駅の隣のホームからアッヘンゼーバーン(アッヘンゼー鉄道)は走り始めます。アルプス山中の澄んだ湖へ、蒸気機関車で向かいます。
アッヘンゼー(アッヘン湖)まで7キロほどの区間に、19世紀末に製造された蒸気機関車が走っています。急こう配を登るラックレール式の蒸気機関車で定期運行されているものとしては世界最古だそうです。
130年も前に製造されたとは思えない蒸気機関車です。胴体のタンクが傾いているのは、急こう配でもタンクを水平に保つための工夫です。
急こう配を登るため、蒸気機関車は後部から押します。連結器が外れて、客車だけが坂を下ってしまうアクシデントがないようにしています。
汽笛一声、列車がスタートしました。おじいちゃんの車掌は、客車のステップを伝って検札に回ってきます。
シュッシュ、ポッポと白い煙を噴き上げ進みます。


















































































