反田恭平のチャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番

 反田恭平のピアノで、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を聴きました。兵庫県立芸術劇場大ホールで、オケは香港フィルハーモニー管弦楽団でした。
 圧倒的迫力でグイグイと迫ってきました。出だしこそ指揮のリオ・クオクマンやオケと息があいませんでしたが、進むにつれて反田くんのペースに。第1楽章が終わったところで、思わず拍手したくなるほど。第3楽章後半の盛り上がりはすごく、弦から管、打とさまざまなオケの音を引き連れて堂々とゴールを切りました。
 チョンマゲ・スタイルに太った貫禄ぶりは4年前のショパン・コンクールを思い出させます。でもそこに留まっているのではなく、将来は自ら率いるジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)をフルオーケストラに仕上げて、自らが指揮するまでの道のりを突き進んでいるかのようでした。ますます目が離せなくなりました。
 アンコールは献呈(シューマン=リスト)でした。何回も聴いてます。チャイコフスキーとの対比もあって、限りなく優しさにあふれていました。

 後半はチャイコフスキーの交響曲第5番でした。
 香港のオケとはいえ、金管を主体に欧米人がメンバーの大半をしめています。ぽつぽつと日本人も。
 管の響きが分厚く、前列に座っていたのでトロンボーンの鋭い直接音が耳に突き刺さるようでした。ホルンもクラリネットもフルートも⋯。指揮者のオーバーアクションがちょっと気になりましたが、久しぶりにフル・オケのボリュームを堪能しました。

 大ホールが満席でした。
 文化庁芸術祭主催公演で、都倉俊一長官のあいさつもありました。

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