グラーベン通りは、シュテファン大聖堂前からのびてます。何度見ても、目を奪われました。カメラを向けてしまいました。
真ん中あたりにペスト大流行の終結の記念柱が建ってます。コロナもひと段落して、町はにぎわってます。
ケルントナー通りはデザインが一新されてました。ちょっと地味になったかな。
あわてて撮影したので、ちょっと手振れ!
シュテファン大聖堂がクリスマスツリーを見下ろしてました。
ウィーン最古のレストラン、グリーヒェンバイスル(Griechenbeisel)です。1500年ごろから営業している歴史的な店です。
こんな店、わたしたち夫婦だけでは怖気づいてしまいます。ウィーン住まいのバイオリニストのちかちゃんが予約してくれてました。
クリスマス・シーズンの定番は、こちらでは七面鳥ではなくグース(ガチョウ)です。丸焼きされた1/4片、片足の半分でしょうか。これが1人前です。ローズマリーが突き刺さっています。
初めて口にする肉です。恐る恐る! 口に運びました。おいしい!! ジビエ独特の臭みなどはなく、ほどよく脂もまわって、これはイケました。
赤ワインを頼みました。小さなデキャンターから、テーブルのグラスに注いでくれました。
奥さまは、これまたウィーン料理の定番、ターフェルシュピッツです。牛肉のスライスが、柔らくなるまで煮込まれています。
真ん中は、出汁をとった骨髄でしょうか。
ポテトやソースがついてます。
ホ-スラディッシュのワサビ味でいただきました。
「マーク・トゥウェインの間」は、サインの間とも呼ばれます。ここで食事をした有名人のサインが壁から天井まで一面にぎっしりと残っています。
「モーツァルトはどこなの?」と聞いた店員が、「ここだよ!」と釣り竿のような竹で教えてくれました。
Wolfgang Amadeus Mozart。確かにそれらしく読めます。
ベートーベンにシューベルト、シュトラウスに・・・。覚えきれない名前が出てきました。
エゴン・シーレと並んで米倉涼子や假屋崎省吾って、どうなの!!
店の玄関です。
路地の先には、テークアウェー専門の人気のコーヒー店がありました。窓が店舗でした。
カフェ巡りを楽しんだウィーンも、あっという間に最後の朝(7日)となってしまいました。シュテファン大聖堂からも遠くないカフェ・ディグラスの午前8時の開店を待って飛び込みました。
Large Viennese Breakfastを頼みました。「ウイーン朝食・大」といったころでしょうか。
飲み物は、搾りたてのオレンジジュースとコーヒーです。ハートが描かれていました。
ハムとチーズ、ゆで卵にバター、ジャムがつきます。
パンは2個。隠れている方のカイザー・ゼンメルが麦の香りがして、これまでで一番おいしかったです。「ウイーンの丸く小高い丘」という意味があります。
ハムとチーズをはんさんでいただきました。
ゆで卵は見事に半熟です。パンにつけて楽しみました。
ケーキが並んでいます。4年前にやって来たときには、そのデカさにびっくりしました。
朝イチでしたので、まだ客はまばらでした。
手前のピアノはYouTubeの「TAKU-音 TV たくおん」で、たくおんことウィーン在住のピアニスト、石井琢磨が弾いていたものです。
クリスマス・オーナメントもかわいいです。
ウィーンを離れたのは、つい先ほどだったような気もします。もう記憶の世界になりつつもあります。
きょう(8日)午後、ちょと疲れましたが元気に家に帰り着きました。
フィルム代がかからないデジタルだからとはいえ、膨大な量の画像や動画を撮影してきました。ぼつぼつと整理しながら改めて思い出を綴っていきます。
モーツァルトが死の床で書き続け、未完のまま残された「レクイエムニ短調」(死者のためのミサ曲)が、モーツァルトが亡くなった同じ日の同じ時間にシュテファン大聖堂に流れました。指揮はピアニストで指揮者も目指している反田恭平です。
これは聴きに行くしかない!! と決断した5回目のウィーンへの旅でした。感動の夜でした。
哀しくも美しいメロディーが、広い大聖堂のドームに吸い込まれました。
学生時代にカール・ベーム指揮、ウィーン・フィルの演奏するLPを買って、何度も何度も聴きました。奥さまは学生時代に歌っています。それから50年余。遂にリアル・レクイエムと出会うことができました。
午前零時を前に、シュテファン大聖堂の前は静まりかえっていました。
大にぎわいだったクリスマスマーケットにも人影はありません。
大聖堂の重たい扉から入ります。
チケットは、インターネットで日本から予約していました。前方の席は取れず、着席すると反田クンもオケや合唱もほとんど見えませんでした。満席でした。
反田くんの指揮者としての海外デビューでした。渾身の指揮でした。
演奏を前に、反田くんがカメラを前に話していました。
演奏が終わると照明が消えました。レクイエムですから拍手はありません。聖職者を先頭に反田くん、オーケストラ団員、合唱団員が一列に並んで退出しました。プロセッションです。チーン、チーンと最後のひとりが去るまで暗闇に厳かな鐘がなり響きました。モーツァルトの葬儀でも使われた同じ鐘だそうです。
午前1時をまわって大聖堂を後にすると、ケルントナー通りのイルミネーションも消えています。歩いているのは大聖堂を出て家路を急ぐ人たちだけです。
わたしたちのホテルは、次の角を曲がって30メートルほどのところでした。
ウィーンでカフェ巡りを楽しむ日々も、実質の最終日となりました。
「世界で最も美しいカフェ」と称される美術史美術館のカフェです。ここを外すわけにはいきません。
名画の数々を堪能した後、ゆっくりと余韻にひたりました。
頭上には大きなドームです。
窓からは、オーストリア女帝のマリア・テレジア像と、その向こう美術史美術館とシンメトリーな造りの自然史美術館が見えます。
わたしは、アペロール・スプリッツアーです。白ワインとリキュールのアペロールを炭酸水で割っています。冷たくて、ほてった体にはぴったりでした。
奥さまはティーです。
甘そうで大きなケーキが並んでいます。さすがにもうご遠慮しました。
クリムトが意匠を手掛けた大階段の向こうにあります。
フェルメールの「絵画芸術」やベラスケスの「マルガリータ」など、あまたの絵画を鑑賞しました。
入館したときはまだ時間が早く、美術史美術館の前のクリスマスマーケットはまだ閉まっていました。
マリア・テレジア女帝像は雪をかぶっていました。
シシー(皇妃エリザベート)がフランツ・ヨーゼフ1世とともにお茶をしたカフェです。
シェーンブルン宮殿のわきにある動物園の中にあるカイザー・パビリオンです。この窓の下のテーブルが二人の指定席でした。
指定席には先客がいました。二人が見つめたという窓の正面に見えるはずの宮殿を確認することはできませんでした。
シシーの肖像画がかかっています。
対面には当然、フランツ・ヨーゼフです。
わたしたちも乾杯。きょうはワインです。
シェーンブルン・ウインナーが2本。ボイルされています。
ホースラディッシュの千切りといただきます。ワサビ味です。安心して食べ進みました。
奥さまが頼んだのはロールキャベツです。ビオですので肉は入っておらず、コメ、ニンジン、干しブドウなどがキャベツに包まれて煮込まれています。経験したことがない酸っぱさでした。キャベツの繊維が切れずに、ナイフで格闘していました。でも、平らげました。
宮殿からまっすぐな道が通じています。
雪の宮殿です。
モーツァルトは1791年12月5日、ウイーンで亡くなりました。35歳でした。
日本式にいうと「命日」のその日、シュテファン大聖堂で反田恭平指揮の「レクイエム」を聴きました(改めて記します)。
墓参りもしました。雪が積もったザンクト・マルクス墓地です。モーツァルトが埋葬されたという場所には、「嘆きの天使」がたたずむさみしげな墓標が立っていました。
墓地への道でわずか3人とすれ違っただけで、辺りは静まり返っていました。
モーツァルトは死後、この共同墓地に運ばれ埋葬されました。ただし、その正確な場所はわかっていません。当然、遺骨もありません。
ザンクト・マルクト墓地の入口です。OEBBのS7路線にあるザンクト・マルクト駅から歩いて10分ほどのところでした。
墓地の中央の道を進みます。両側には古い墓が並んでいます。
墓地はモーツァルトの死後、60年ほどで使われなくなり、中央墓地に移りました。モーツァルトの記念碑もその時に中央墓地に移りました。そちらはわたしが初めてウイーン訪れた2005年に訪れています。
小高いところにキリストの像が立っています。その」すぐ左です。
モーツァルトの葬儀はシュテファン大聖堂で行われました。といっても大聖堂の外壁にくっついたような小さい礼拝所でした。
忘れ去られたような礼拝所です。観光客も素通りです。
モーツァルトの死を記した銘版があります。
モーツァルトは、ケルントナー通りの中間あたりにあった住居で亡くなりました。現在は建て替えられて百貨店のシュテッフルになってます。店を通り抜けた裏通りに面した壁に銘版がありました。
通りの反対側には「3」と表示されたドアがあります。
指揮者の佐渡裕さんよると、ここはウイーンの秘密結社、フリーメーソンの集会所ということです。
モーツァルトもフリーメーソンだったそうです。
ウィーンの目抜き通りから一つ入ったところにあるカフェ、オーバーラーです。
階段を上っていくと思わぬハプニングに出くわしました。なんとピアニストの反田恭平さんその人が、前を歩いていたちかちゃんに「よっ!」と手をあげてあいさつしました。横にはカウンターテナーの藤木大地さんがいました。二人はカフェを出るところでした。
反田くんらは、この夜に行われるモーツァルトの「レクイエム」を前に日本からやってきた合唱団とオーケストラの合わせを行っていました。ちかちゃんは、このオケでヴァイオリンを弾いています。
わたしは「オーバーラー・プンシュ」を頼みました。
オレンジとマンゴーのフルーツジュースにラム酒をミックスしたホットドリンクです。甘酸っぱくて口当たりも良く、飲み進んでしまいます。アルコール分も多く、体がぽかぽかとしてきます。ウィーンのクリスマス・シーズンには欠かせない飲み物です。
奥さまは「マロニ・オーバートルテ」です。ひと口、いただきました。甘さ控えめで、日本のケーキくらいでした。
ルイボスティーは、たっぷり二人分のボリュームです。
ショーケースをのぞき込みました。どれもおいしそうです。
広い店内ですが、いっぱいでした。
きれいなショーケースをのぞき込みました。
店の前の通りのイルミネーションが灯りました。星形が素敵です。