「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」を観る

 「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」を、京都・烏丸御池の新風館地下にあるUPLINK京都で観ました(17日)。
 スタニスラフ・ブーニンはロシア生まれのピアニストです。1985年のショパン・コンクールを19歳で征し、華々しくデビューしました。スラリとした体全体から発せられる超絶テクニックえを駆使したエネルギッシュな演奏は、それまでのショパン像を打ち破りまじた。
 おぼろげな記憶ながら、わたしも大阪・フェスティバルホールで聴きました。
 それから40年。「沈黙と再生」を追ったドキュメンタリーです。

 映画はショパン・コンクールでの熱狂を集めた演奏から始まりました。ハイスピードでバリバリと弾きまくるスタイルは、バブル経済の絶頂に向けた時代背景とも合致していたのでしょうか。
 ブーニンは旧ソ連という枠組みから飛び出しました。

 日本の音楽大学でも教鞭を取りました。その後の沈黙は、病と事故だったのです。

 ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生

 ブーニンの再生です。とはいえ60歳を前にしているとは思えない風貌でした。もう「別れの曲」は弾けないそうです。
 エンディングはバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」でした。一音一音にブーニンの思いが込められたような素晴らしい演奏でした。でも、わたしにはあまりに硬質な、金属的な音として聴こえました。わたしの耳はもっと穏やか、墨絵の世界に引き寄せられているのかと感じました。

 新風館は、元京都中央電話局のレンガ作りの洋館がリニューアルされた複合商業施設です。