清里の清らかな音 多音他工房

 清里の多音他(たねた)工房を訪ねました。
 「日本で唯一の18弁オルゴールから手廻しオルガンまでを制作する音の工房です」
 その18弁オルゴールのハンドルをクルクルと回すと、「イエスタディ ワンス モア」のかわいいメロディーが奏でられました。

 細長い五線がプリントされた紙には、オタマジャクシに沿って小さなな穴が開いてます。それが音になって出てきます。
 昔、市電の車掌が使っていたような口先が長いパンチで、自分で穴を開けるのです。編曲も作曲も自由です。
 オルゴールからパンチまですべてがセットになって売られていました。金額のことは忘れて、思わず孫娘に買ってやりたくなりました。

 ストリートオルガンともいう手廻しのオルガンです。
 新聞社の先輩、Yさんは、このストリートオルガンを手作りしておられます。FBでわたしが清里に来ているのを知って、「懐かしい」とコメントしてくれました。
 Yさんは、オルガンを制作するために何度もこの多音他工房に訪れておられました。おかげでわたしもその清らかな音に触れることができました。

 木製のパイプが何本も立っています。金属製のパイプオルガンとも原理は同じです。
 工房の主は、元は家具職人だったとか。精緻な木工技術を土台に、音の世界が広がっているのです。

 壁には、美しくデザインされた時計が並んでいます。

 主がオルガンの背後についているフイゴをパタパタと動かして空気を送り込んでくれました。

 鍵盤にあわせて、オルガンが響きました。

 これから修理するという製作から100年は立っているというオルガンです。

 窓の外には清里の野山が広がる素晴らしい空間でした。

 多音他工房
 0551-48-5342
 山梨県北杜市高根町清里3545-1

軽井沢・万平ホテル ジョン・レノン直伝のロイヤルミルクティ

 「ジョン・レノン直伝のロイヤル・ミルクティを是非に!」と、友だちのお薦めでした。軽井沢での昼飯は、こちらと決まりました。
 もちろん、頼みました。というか大半の客が注文していた「ホテルおすすめロイヤルミルクティ」と「伝統のアップルパイ」のセットです。
 昔懐かしい甘さ控えめのこれぞアップルパイです。

 ジョン・レノンは1970年に初めて宿泊。76年から亡くなる前年の79年までは、毎年やってきたそうです。
 英国人らしく本場のロイヤルミルクティを伝授しました。
 そのお味は、ほのかに甘く、ミルクたっぷりの柔らかいものでした。

 広いカフェテラスですが、客の密集を避けるように空席をとってました。

 風に吹かれる席も気持ちよさそうでした。

 アップルパイはテークアウトもできました。

 支払いには全国割のクーポンを利用しました。
 1泊目の清里では「やまなしグリーン・ゾーン旅割」の適用で、宿泊代が1人5000円引きにクーポンが3000円分ついてきました。
 2泊目の軽井沢では「信州割」が使えました。宿泊代が40%引きで、クーポンは休日だったため1000円をいただきました。
 全国旅行割引なんて話題にもなる前にネットを通して宿泊予約をしていました。予期せぬ大恩恵に浴することができました。

 大混雑を予想して11時過ぎにやってきました。それでも「1時間ほどお待ち願います」。実際にはそれほど待ちませんでした。

 壁にはレノンのポスターがかかっていました。

 創業130年となる2024年に向けて大規模な改修改築工事が計画されており、23年1月4日から約1年半営業を休止することになっています。

 万平ホテル
 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢925

 万平ホテルとともに軽井沢を代表する三笠ホテルにも行ってみました。
 こちらは解体修理のために休業中でした。
 結婚した最初の夏休みにやってきた思い出の地でした。

 ホテルにつながる三笠通りです。車をストップさせて運転席から写しました。
 この坂道を、タンデムの自転車を漕いでやって来たのです。若かったんですね。

軽井沢大賀ホールまで聴きに 反田恭平ピアノリサイタル

 軽井沢までやってきました。旅のメーンイベントでした。「反田恭平 ピアノリサイタル」を聴きました。
 憧れだった大賀ホールです。SONYの社長だった大賀典雄氏によって2005年に生まれたホールです。昨年のショパンコンクールの凱旋リサイタルはチケットが取れず、そのリベンジでした。
 ホールの玄関です。期待が膨らむ瞬間でした。

 音響を考えてホールは五角形をしています。木のぬくもりが感じられる、上質な空間です。

 きょうのピアノはスタインウェイでした。演奏直前まで調律されていました。

 反田くんの演奏を生で聞くのは4回目ですが、リサイタルは2回目。しかも中規模ホールの前の席とあって、息遣いすら聞こえました。
 

 プログラムは前半がバッハとブラームス、後半はショパンでした。
 バッハの最初の音が響いた瞬間、「これはスタインウェイの音じゃないと感じた」と奥さま。確かにSHIGERU KAWAIの響きに近いようでもあり、油絵より墨絵に近い音色に聞こえました。大賀ホールの響きだったのかもしれません。
 お得意のショパンは、昨秋のショパン・コンクール以来、聴き続けている華やかな世界がひろがりました。
 アンコールは定番のラルゴと英雄ポロネーズでした。拍手は絶えず猫のワルツが続きました。もうこれで終わりと客電が上がり、舞台ライトが落ちました。それでもスタンディングの拍手は鳴りやみませんでした。それに応えて献呈(シューマン=リスト)までプレゼントしてくれました。

 大満足のリサイタルは終わりました。それでも立ち去りがたく、ホールの横にはファンが並んでいました。
 ホテルに戻るだけで時間があるわたしたちには、人生初の「出待ち」でした。

 あたりがすっかり暗くなったころ、反田くんが現れました。「お疲れさまでした」と声がかかると、愛想よく手を振って車に乗り込みました。

フェルメール展 駆け込み鑑賞

 「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」(主催・産経新聞社など)を、大阪・天王寺公園の大阪市立美術館で観ました。閉展まで1週間を切っての駆け込みでした。
 ドレスデン国立古典絵画館(アルテ・マイスター)が所蔵するフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」が修復されて所蔵館以外では世界初公開でした。
 フェルメールは、絵画の壁にキューピッドを描いていました。X線調査でその存在が判明し、作者が塗りつぶしたと考えられていました。修復作業の結果、作者の死後に何者かによって手が加えられていたことがわかりました。大規模な修復プロジェクトで、蘇りました。
 わたしは2012年にドレスデンでこの絵を見てました。その時はなにもなかった壁からキューピッドが現れていて、不思議な気持ちになりました。

 台風は大きな被害をもたらさずに通り過ぎました。平日の大阪市美術館はそれほど込んでなくて、ゆっくりと鑑賞できました。

 地下鉄を天王寺で下車しました。懐かしいあべの地下街に出るとチケット売り場がありました。当日券より200円安い前売り券を売ってました。

 鮮やかなキューピッドに目が吸いつけられます。後ろに展示されていた複製画(修復前の構図)と見比べてていると、壁が塗りつぶされた上に、カーテンロッドとフックが付け加えられていることに気づきました。何もない壁に変化を付けようとしたのでしょうか。

 ドレスデンの絵画館で土産に買った絵はがきです。フェルメールの「取り持ち女」もありました。2019年春に、同じ大阪市美術館でも見ています。
 左下の赤いカードは、一緒に出てきた2日間2人有効のドレスデンカード(交通カード)です。

 ラファエロの「システィーナのマドンナ」もドレスデン絵画館のコレクションです。

 ドレスデン絵画館の向こうにはツヴィンガー宮殿があり、手前には絵画館と同じ建築家、ゴットフリート・ゼンパーが設計したゼンパー・オーパー(ザクセン州立歌劇=旧ドレスデン国立歌劇場)があります。
 わたしたちは前夜、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の演奏会を聴きました。すべてが懐かしい思い出です。

 フェルメール 「真珠の首飾りの女」は東京へ出張中

 ドレスデン ゼンパー・オーパーの「メンコン」

A3032の再生その7 入出力ピンジャックの交換

 2年ほど前にヤフオクで手に入れた真空管プリアンプ、LUXKIT A3032をリペアして愛用しています。毎朝のテレビニュースが終わり朝ドラの時間になると、テレビを消してアンプのスイッチをオンにします。ネットラジオの「Classic FM」です。英国からのオンラインで、1昨日から荘厳な音楽ばかりが流れています。
 古いアンプです。あちこちに不具合が見つかります。またもや接触不良で、一方の音が途切れたり、雑音が混じったりするようになりました。
 どこが悪いのかと調べました。でも不良個所は特定できませんでした。残る可能性として、入出力に使われているピンジャックの交換を思いつきました。最初の画像の上が1before、下がafterです。変化にお気づきでしょうか。

 カバーと裏蓋をはずしました。
 カラフルなビニール線(シールド線)でピンジャックに配線されています。

 まずは配線の邪魔になるボリュームを取り外しました。

 実はこのパーツも老朽化しており、接触不良の原因のひとつのようでした。
 1カ月ほど前に、新品のボリュームと交換していました。画像下は、取り外したボリュームです。

 古いピンジャックを取り外します。黒いベークライトの板の上に一体となってカシメつけられています。
 中央の接触部分が、永年の使用で緩んでいる可能性があります。

 右の皿に載っているのが、ジャンク箱で見つけたピンジャックです。これを見ているうちに、全部交換しようと思いたちました。
 個数が足りないので、Amazonで14個セットを買い足しました。正確には、RCA端子といいます。

 ピンジャックを1個づつ固定します。

 半田ごてで配線を復旧させました。なかなか面倒な作業でした。

 ピカリと光るピンジャックです。これは精神安定につながります。
 不要なパーツを取り去った後の穴が開いたままですが、見えない後部なのでそのままです。

 定位置に戻ったプリアンプです。とりあえず接触不良は改善されたようです。
 上はネットラジオ・チューナー、右は自作のメーンアンプです。終段に300Bという真空管を使っています。

 これまでのLUXLIT A3032のリペアの記録

なら100年会館で「ヴァイオリン大江馨の世界2022」を聴く

 通院の毎日が続いています。ちょっと気分転換したくなりました。
 車を奈良まで走らせて、なら100年会館中ホールで「ヴァイオリン大江馨の世界2022」を楽しみました。
 ピアニストの反田恭平がプロデュースするJNO(Japa National Orchestara)」のメンバーのリサイタル・シリーズのひとつです。反田が出れば満席ですが、前日でもチケットが取れました。

 バルトークの聴いたことがない作品ばかりのプログラムでした。
 コンストラスツ(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのトリオ)、大江の無伴奏ソナタ、ピアノ五重奏曲と続きました。
 若いメンバーが、競うようにして全力で駆け抜けるような圧倒的迫力の演奏でした。
 3曲目は「4楽章までありますが、休みなしで演奏します」と大江。40分の長さを忘れて引き込まれました。

 シューボックス型のホールは、4側面がむき出しのガラスです。よく響きます。
 踊るようなクラリネット(コハーン・イシュトヴァーン)がキラキラと中空を舞いました。大江のヴァイオリンが、時にピーンと緊張の糸を張りつめました。すばらしいホールです。
 

 奈良市制100年を記念して生まれました。JR奈良の西側にあります。

 JR奈良駅の向こうに、「DMG MORI」と書かれた大きなビルが見えました。
 反田やJNOを財政的にバックアップしている森精機でした。この中に、反田らが「秘密基地」としている練習場などがあるのでしょう。

孫娘と遊ぶ 「ビー玉バトンリレー」 2号機

 「ビー玉バトンリレー」の2号機を作りました。ビー玉の動きが1号機よりは安定して、何回も左右に揺れてくれます。

 糸を固定する支点が2か所になっています。1号機は、鉄棒のように1か所でした。

 ビー玉が、V字型に糸で吊り下げられています。これで、球が左右にだけ揺れて、前後への振れが少なくなりました。

 7個のビー玉が一直線に並ぶと、もっと良い動きをしてくれるはずです。ビー玉の大きさ(直径)にもばらつきがあります。

 わたしの工作精度ではこの程度が限界のようです。次の機会に孫にプレゼントします。
 きょうは休日。治療もお休みでした。朝からのんびりと製作しました。

孫娘と遊ぶ 「ビー玉バトンリレー」

 孫娘に会いに行きました。前回は「ビー玉迷路」をプレゼントしました。きょうも何かをと、朝からネットを調べて「ビー玉バトンリレー」を急造しました。

 右端のビー玉が2番目のビー玉に衝突、3番目、4番目と衝撃は伝わり、最後に左端のビー玉が勢いよく飛び出します。「運動量保存の法則」といいます。
 実際には製作精度の悪さから、全体がブラブラと揺れてます。左右両端の赤いビー玉だけが動くはずでした。
 そんな難しいことはわからない孫娘は、チャラチャラと球を動かして遊んでくれました。

 7個のビー玉がぶら下がっています。

 ありあわせの角材やベニヤ板の切れ端で作りました。半時間ほどの作業でした。 

 ビー玉は残ってますが、赤や黄色のきれいなのが足りません。車で5分ほどの百均まで走って、買い足してきました。

 赤い絹糸を、エポキシ系接着剤で固定しました。
 同じ高さになるよう、ボール紙で台をつくって調整しました。

 2人の孫娘の名前のシールを張って完成のつもりでした。
 それにしては出来がよくありません。思うように動いてくれません。解決法を思いついたので、「今度、来るときは2号機をつくってくるよ」と約束してきました。

「柴田海人 辰村千花 デュオコンサート」を楽しむ

 小さいころからよく知っているお嬢さん(ピアノ)とそのご主人(仏・ブルターニュ国立管弦楽団ヴァイオリン奏者)とのデュオコンサートを楽しみました。
 2人のデュオは、少しだけ聴いたことがありました。でも小さなホールの目の前で奏でられる音は別物。モーツァルトの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタK304」の聴きなれたメロディーから引き込まれました。
 サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」などが続きます。美しい音色に酔い、超絶技巧にハッとさせられ、あっという間の終曲のグリーグでした。
 その演奏の激しさか、途中でヴァイオリンの弓の毛が、何回も切れました。それが弓にまとわりつきそうになって、ハラハラとさせられるシーンも。息遣いがマスクを通じても伝わってきそうでした。

 一緒に聴いていたいたヴァイオリン奏者が「ギドリスみたい!」。
 さっそくイスラエル人のイヴリー・ギドリスをネットで調べ、YouTubeで聞いてみると納得しました。
 技巧はもとより、ドヴォルザーク「ユーモレスク」の間の取り方、歌わせ方なんかにギドリスを彷彿とさせるところがありました。

 ピアノは「SHIGERU KAWAI」でした。小さなホールにはよくマッチングしているのでしょう。
 ピアニストになったお嬢さんと、ご主人との息もぴったり。微笑ましい姿に触れることができました。

 50人ほどで満員のホールです。

 芸術空間サロン・ド・ショパン
 高槻市高槻町13-5 HopeⅢビル3階

 休日の夕刻の高槻を久しぶりに歩きました。新型コロナなんてどこ吹く風といったように、飲み屋はどこもにぎわっていました。

孫娘と遊ぶ「ビー玉迷路」 2号機

 「ビー玉迷路」の2号機を作りました。横浜に住むもう一人の孫娘が、急にやってくることになりました。それならと、またも段ボール工作をしました。
 予想通りに6歳の孫娘は大ハマリです。何回も何回も、ビー玉を転がし続けました。

 1号機より、ほんの少しコースを改良しています。とはいえ2号機は、半分の時間でつくることができました。ミッフィーのシールを張りました。

 「もう27回もできたよ」と、孫娘はうれしそうに手離しません。土産に持って帰ってくれました。