京都・八幡市内の国道1号沿いに「巖商店」はあります。自動車の解体処理業者ですが、「もぎ取り」で有名です。広い敷地に積まれた解体前の自動車から、欲しいパーツを自分で取り外して購入するんです。ドア1枚、ホイール1個、電装品といった具合です。その一角に、昔から市電がとまっているのは知ってました。
久しぶりに行ってみると、あたりはずいぶんときれいになってます。お目当ての「1820」は全身を灰色に塗装されていました。
「烏丸車庫入庫」の行き先表示幕が残っています。その上には「ワンマン」と表示されていたはずです。
京都市交通局のマークも同じ色になってます。
破れた木製ドアから内部をのぞき込みました。比較的きれいに保存されているようです。
昭和53年に譲渡を受けたことが説明されています。運賃は50円の時代だったのでしょう。
反対側は「回送」です。
最初に事務所に「写真を撮らせてください」と断りをいれました。カメラを構えていると、社員が出てきて、「さび止めをしたところ。2カ月ほどしたら、昔の市電の色に塗るよ。いま、当時の写真を見て、色を調べてるところだよ」とうれしい話を聞かせてくれました。「ウチの目印として、ずっと保存していくよ」
国道1号を横切って、交差点の反対側からの眺めです。
昔の塗色でリニューアルされたら、さぞ目立つことでしょう。今から楽しみです。
巌商店