貝原益軒の記した京ツアーガイド「京城勝覧」の第6日は『大原野 小鹽(塩)にゆく道』です。京都西山の淳和院の御陵がある『小鹽山』から『善峯寺』まで南下します。
わたしは逆に歩きました。善峯寺は、境内に5000本あるというシュウメイギクがあちこちに咲いていました。
『西岩倉』と書かれている金蔵寺では、満開のフジバカマの上をアサギマダラが乱舞していました。
益軒は、東寺から吉祥院、桂の里、久世、向日明神と歩いて大原野に達します。小鹽山については『大原野の上の山なり』と書かれているだけです。
『三鈷寺(さんこじ)』は、善峯寺のすぐ北にあります。初めてお参りしました。
金蔵寺は、5月にクリンソウを見に来たばかりです。きょうも静かでした。
【2021/10/03 10:20】
JR向日から阪急バスで善峯寺までやって来ました。紅葉のシーズンになると、大にぎわいになります。
西国巡礼の20番札所です。
山門をくぐると、すぐに濃いピンクの八重のシュウメイギクの迎えを受けました。
京都市街が広がります。
正面が比叡山です。
樹齢600年以上といわれる「遊龍の松」の下には、白い一重のシュウメイギクです。
多宝塔と背比べ。
「けいしょう殿」におられるのは、善峯寺の復興に尽力した桂昌院でしょう。
徳川5代将軍、綱吉の生母で、「玉の輿」の語源となった女性としても知られています。
「青蓮の滝」から一条の水が流れ落ちます。
北門を出ます。アウト一方通行で、入るにはインターフォンで連絡してロックを解いてもらいます。
【11:07】
ちょっと歩いたところが三鈷寺です。境内の拝観は無料です。
朱印は、無造作に置かれていました。横の缶に300円いれて、いただいてきました。
ここからの眺望も素晴らしいです。北から南まで一望できます。
背後の山が仏具の「三鈷」に似ていることから三鈷寺といわれています。
寺の北側の車道を登りました。ポンポン山に通じる、よく知った道に出てきました。
杉谷の集落です。ここで左折すると、ポンポン山の登山口です。
まっすぐに穴太(あのう)・善峯巡礼古道を進みます。穴太寺(亀岡市)は、西国の次の札所です。ここから先は東海自然歩道でもあります。
ドングリが転がっていました。
クリを拾いました。小さすぎて、これでは焼き栗にもできません。
まるで墓石の墓場です。
金蔵寺に向けて急坂を下ります。
【12:19】
金蔵寺に到着しました。
本堂に向けて急階段を上がると、鐘楼の前にフジバカマの鉢が5つ並んでいました。薄いピンクの花が満開です。
近づくと、ゆっくりと蜜を吸っていたアサギマダラが一斉に舞い上がりました。ただし、めまぐるしく飛行するチョウを撮影するのは至難の業です。
とりあえずは、花の上で羽を広げたところを何枚も飽きずに撮影しました。
アサギマダラ(浅葱斑)は、はねの色が浅葱色をしています。遠くまで飛ぶことで知られ、台湾まで飛んで行ったことも確認されています。
フジバカマが大好物で、この二つとはセットのように出会います。
小塩山への道もありますが、わたしは大原野に向けて下山しました。
白やピンクのコスモスが風に揺れていました。
【13:29】
南春日町まで降りてきました。1時間に1本のバスまで半時間以上あります。
会社の先輩が保護にあたっておられるフジバカマの保護地が近くにあります。そこでアサギマダラを撮影するつもりで望遠レンズも持ってきました。でも金蔵寺で満足しました。
そのまま2つ先のバス停まで歩きました。
阪急バスの灰方は、善峯寺から下ってくるバスも止まります。そちらを期待しましたが、わずか2分前に通過したばかりでした。
道路脇の木陰で風に吹かれて、次のバスを待ちました。きょうも真夏日のように暑い一日でした。