京都・四条烏丸 「めん坊」とフジコ・ヘミング

 あまりの暑さから逃げたくて、珍しく映画に行きました。その前の昼飯です。
 京都・四条烏丸の東北角にある三井ビル地下の「めん坊」です。「涼味定食」(800円)は、冷たいぶっかけに好物のいなりずしのセットです。
 腰はほどほどの讃岐うどんに、京風の爽やかに出汁をかけていただきます。

 いなりは、わが家でも1昨夜に登場したばかりでした。

 ショーウインドには、「I have english,korean,chinese menu」という表記もありました。観光客が多い京都らしいです。

 めん坊 四条店 
 075-211-8867
 京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町8

 昼食前に、COCON烏丸の3階にある「京都シネマ」に直行して入場券を購入、整理番号をゲットしました。

 映画は「フジコ・ヘミングの時間」。苦難を乗り越えて60代で世界に見いだされた奇跡のピアニストのフジコ・ヘミングをパリ、ベルリン、東京、京都・・・と追ったドキュメンタリーでした。
 初っ端からフジコを一躍、有名にしたリストの「ラ・カンパネラ」が響き渡りました。数奇な人生を乗り越えて80歳台の今も、年間60回ものステージに立つダイナミックな演奏、それにお気に入りのアンティークや猫と暮らす情景などが綴られていました。

 家に帰って探すと、「奇蹟のカンパネラ」と「永遠への響き」の2枚のCDが見つかりました。
 久しぶりに聞いたCDのラ・カンパネラは、映画の終盤に5分に及んだ昨年暮れの東京オペラシティでのソロコンサートと比べると、随分とおとなしく優等生の演奏でした。20年ほどたっても衰えることはなく、さらに高みを目指してきたフジコの魂の響き、それにライフスタイルをうかがい知ることができました。

「京都レコード祭り」で3枚ゲット

 「第6回京都レコード祭り」に行ってきました。京都・河原町御池にある地下街、京都ZEST御池で、きょうから3日間、開かれています。
 オープン直後の午後3時過ぎです。どこのバーゲン会場かと見まがう大勢の人たちでにぎわってました。真剣にレコード(LPがほとんど)を1枚、1枚、確認して自分の好みの1枚を探していました。
 デジタルのこの時代に、まだレコードを回転させて、針を落として音楽を聴くというアナログ・ファンが、こんなにもいることにびっくりしました。
 とはいえ、人気はジャッズだったり、日本のPOPミュージックだったり。クラシックのコーナーは、比較的空いていました。量もそれほどなく、あまり収穫はありませんでした。

 それでも3枚、買いました。バッハとフランス・ブリュッヘンのリコーダーで、合わせて1400円。帰宅してさっそく試聴しましたが、1枚はパリパリとノイズが入り、演奏もイマイチのハズレでした。ま、こんなものでしょう。
 

フックスのクラリネットにひき込まれる

 ベルリンフィルの首席クラリネット奏者、ヴェンツェル・フックスを中心とした「クインテット(五重奏団)」のモーツァルトを、きのう29日夜、京都・上桂の青山音楽記念館・バロックザールで聴きました。
 こじんまりとした響きの良いホールで聴く生の音です。フックスの息遣いさえ感じられる、柔らかくて包み込まれるような音色でした。
 モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲が続いて演奏されるという最高のプログラムでした。LPレコードで耳に馴染んだメロディーでしたが、目の前で繰り広げられる管の響き、弦との調和にひき込まれました。

 朝から同じモーツァルトのLPを聴きました。クラリネットはフックスの先輩にあたる同じベルリンの首席だったカール・ライスターです。いつもながらに爽やかな気持ちにしてくれる名演です。

 わたしのステレオ装置も、なかなかいい音を出すなと再確認しました。とはいえ、LPと生では、明らかに違います。両方を聴き比べて、改めてそれぞれの良さを感じさせられました。

 モーツァルトのLPには大きな傷がついており、その個所にくると音が飛びます。もう半世紀も昔の学生時代の1972年8月、京都の十字屋で購入しています。中古店で同じLPを探してみます。
 ブラームスのクラリネット五重奏曲は2枚あります。
 フックスのLPも欲しいところですが、残念ながらCD世代ですね。

管球EQアンプとECC83の昇天

 ピエール・ピエルロのオーボエが心地よく響きました。チマローザのオーボエ協奏曲なんかが入った仏・エラート版のLPに針を落としました。
 「チャルメラみたい」と、以前の装置から出た音を奥さまに評されて以来、眠らせていました。
 EQ(イコライザー)アンプをまたまた作りました。LPの録音特性にあわせて高低音のバランスを調整するアンプです。このところ電子デバイスのOPアンプでつくってましたが、今回はこりもせずに管球式です。これでEQ-コントロール-メーンとすべてが管球式アンプになって、とりあえずはまぎれもんもがない真空管の音になりました。

 マランツの#7という往年の名器のEQ部のコピーです。そのままコピーできればいいのですが、3球管のNFという、ちょっと再現が難しい回路です。
 大学生のときに、初めてEQアンプをつくったときも、この回路は敬遠してクワードの#22にしました。以来、半世紀ぶりに#7への挑戦でした。
 抵抗は、すでに製造中止となったリケノーム(1/4W型で充分なところを大型の2W型を使用しているところも)を使うなど、それなりの部品が並んでいます。

 初段には独・テレフンケン製のECC83(12AX7)という真空管をつかっています。プリントが消えてますが半世紀も前の製造で、お尻にダイヤマークもあるいまやヤフオクでも高価で取引されているお宝です。
 テスト段階ではいい音を出していたのに、突然、片チャンネルから音がでなくなりました。なんと1本のヒーターが断線していました。久しぶりのお役目にご老体は耐えられなかったようです。
 とりあえず互換球の独・シーメンス製E83CCを挿してますが、テレフンケンに未練が残ります。

 DENONのDL103という針で聴いています。MC型という形式で、MM型入力のEQアンプで使うには増幅用のトランスが必要です。
 これもタムラの古いインプット・トランスがあったので使いました。バランス入力という方式で、その結線のために2芯2軸シールド・ケーブルを入手しました。
 ネット通販で、何でも手に入る時代です。日本橋や、秋葉原まで出かけなくても、欲しいパーツはそろいました。

Bachfest Leipzig 2018 ネット中継で楽しむ

 Bachfest Leipzig 2018(バッハ音楽祭)が、今年もドイツ・ライプチィヒで始まりました。聖トーマス教会でのカンタータ・リングに鈴木雅明率いるBCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)が登場しました。そのコンサートが、Bach-Archivでインターネット中継されていました。
 わが家のリビングで、居ながらにしてライプチィヒの夜を楽しみました。
 ノートパソコンでネット中継を受信。画像と音声をテレビ入力して、音声はさらにステレオに接続しました。大画面、大音量で臨場感もたっぷりでした。 

 ピストンのない古楽器のナチュラル・トランペットが鳴り響きました。

 カウンターテナーの青木洋也さんも歌ってます。
 10日昼前に記録画像を見ると、アクセス回数は早くも1万回に達しそうでした。全世界で注目されていたことがわかりました。

 2時間に及ぶ演奏が終わり、聖トーマス教会は大拍手に包まれました。

 6年前に、ここでBCJのマタイ受難曲を聴きました。あの時の感動がよみがえってきました。もう一度、行きたいです。

 コンサートは10日午前零時30分(日本時間)から始まりました。眠いのをこらえて待っていると、ご覧のような静止画像が。30分を数分過ぎたたところで聖トーマス教会のLIVEが飛び込んできました。
 ネット中継は、FacebookのBachArchivで見ることができます。
 https://www.facebook.com/bacharchiv/?fref=mentions

ターンテーブル・シートをコルクに

 アナログの音を楽しんでいます。昨年夏にヤフオクでゲットした3品を寄せ集めたレコード・プレーヤーは、機嫌よく回り続けています。
 ターンテーブルはDENONのDP-3000、アームはSAECのWE-308、カートリッジはDENONのDL-103という組み合わせです。これにOPアンプのフォノ・イコライザー-真空管コントロールアンプ-真空管(2A3pp)メーンアンプとつながります。
 Facebookのグループ「アナログプレーヤー ファン倶楽部」を見ていると、ターンテーブル・シートをコルクに変更している方がおられました。これなら出費はわずか。失敗したら元に戻せばよいだけなので、さっそく挑戦しました。

 オリジナルのゴム製ターンテーブル・シートを採寸しました。厚さは5mm、外周は290mm。内周は94mmといったところです。

 近所のホームセンターに行くと、ぴったりのコルクボードが並んでました。厚さは4mmと6mmがありましたが、4mmにしました。462円でした。
 大きな円板をどうして切り出すか思案しました。持っている円切りカッターナイフでは、直径が150mmくらいまでしか切れません。中心の針とナイフの刃をつなぐ胴体を長くすればいいと、ありあわせのヒノキ棒とビスナットで細工しました。
 これで半径145mmまで開くようになりました。
 カッターナイフの刃を新しいのと交換して、コルクボードの上を何周もなぞると、きれいに円板がカットできました。
 内周は小さいので、カッターナイフを元に戻しました。
 なんとか思い通りのドーナッツができ上がりました。

 【BEFORE】
 オリジナルのゴム製ターンテーブル・シートです。製造されて以来、数十年を共にしていたパーツをはぎとりました。といっても載っているだけで、簡単に取り外せます。

 【AFTER】
 コルク製のターンテーブル・シートを敷きます。この厚みで良かったです。
 さて、肝心の音の変化です。これが正直、びっくりしました。シート1枚でこれほど音が変わるのかと。
 たまたまプレーヤーに載っていたレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」です。針を落としたときからアレッと思っていたところに、チェンバロが奏でだして確信しました。チェンバロの繊細な響きが、華やかにピカリと光りました。弦もがっしりと締まっています。
 平昌オリンピックも終わって静かになった午後、のんびりとLPに聞きほれました。

 レコードプレーヤの再生はこちら

ゲバントハウスの「第9」を聴く

 ドイツ・ライプツィヒのゲバントハウスがわが家にやって来ました。
 ブロムシュテット指揮、ゲバントハウス管弦楽団、同合唱団のベートーベン交響曲第9番「合唱付き」です。ゲバントハウでは大晦日に第9を演奏するのが恒例になっているそうです。
 それをわが家のネット・テレビで見ることができるようになりました。

 最近のテレビ番組は、あまりにもつまらないです。見る番組がありません。それに対して、ネット上にはいろんな情報があふれています。これを見るための装置です。
 Amazonでポチリとした「fire TV stick」がすぐに届きました。
 テレビのHDMI端子に突き刺すスティックとかわいいリモコン、それに電源、ケーブルです。初期投資は5000円しませんでした。

 テレビの背後にあるHDMI端子に差し込み、インターネットにWiFi接続すると、簡単にセットアップは終了しました。

 GYAOなどの無料の動画を見ることもできます。
 わたしの目的はCLASSICA JAPANを見ることでした。クラシック音楽を24時間流し続けている専用チャンネルです。CATVでも見ることができますが、WOWWOWのように結構な月額受信料が必要で、躊躇してました。それが、ネットテレビのCLASSICA JAPAN PLUSだと、月額3000円で見放題です。

 わが家のテレビ音声は、ステレオにつなげて聞くことができます。これでライプツィヒまで行かなくても素晴らしい演奏が聴けます。ベルリンやウィーンでも、どこでも。
 でも、やはりライプツィヒのバッハ音楽祭にはもう一度、行きたいです。
 

京都・岡崎 「グリル小宝」のオムライス(中)

 京都・岡崎のロームシアター京都でハイドンのオラトリオ「天地創造」を聴きました。その前に食べたランチです。
 「グリル小宝」の前にも行列ができてました。とはいえ近くにある2時間待ちも当たり前といううどん店ほどではありません。半時間ほどで暖かな店に入れました。
 頼んだのは一番人気の「オムライス」です。大、中、小とボリュームで選べるようになってました。「中」(1000円)です。

 ケチャップライスを薄い玉子が覆っている、従来タイプの洋食屋のオムライスです。自慢のデミグラソースがたっぷりとかかっています。
 チキンではなく、牛肉が入ってます。食べごたえ十分です。
 ところで、オムライスって、どちらから食べたらいいのでしょうか、きょうは、なんとなく右から食べました。考えてみると、カメラ・アングルのせいか、いつもは左から食べてました。

 最近はあまり見かけない真っ赤な福神漬です。

 各大盛り500円増しだそうです。オムライス(大)の大盛りって、どんなんでしょうか。

 わたしが並んだときは、店の前から手前の角まで行列ができてました。その角から人力車が現れました。

 これまでのグリル小宝

 グリル 小宝 
 075-771-5893
 京都市左京区岡崎北御所町46

 オラトリオ「天地創造」は、同志社学生混声合唱団創立70周年記念演奏会でした。
 オケとあわせて300人という大編成の演奏でした。わたしの奥さまもステージの上でしたが、遠くてよく見えませんでした。
 ハイドンの作品の良さがあまりわかっていないため、というか初めて聞いた曲だったためか、途中で睡魔に負けた時間もありました。でも、統率のとれたきちっとした音楽の流れは心地よく、最後の「アーメン」まで惹きつけられました。

 多目的ホールの旧京都会館をよみがえらせたロームシアター京都には初めて入りました。メインホールは客席が4階まであり、天井桟敷のオペラハウスのようです。そういえば南座が改修中のため昨年の顔見世歌舞伎もここでやっていました。
 残念ながら音楽ホールとしては、響きがイマイチに感じました。

京都・錦市場で白味噌と鰹節 LPレコードも

 京都に買い物に出かけました。京の台所といわれる錦市場です。でも、いまや観光客でにぎわうスポットです。きょうも大混雑でした。
 お目当ては、正月の雑煮に欠かせない白味噌です。鰹節も新しいのをゲットしました。
 山利商店の白味噌です。茶道三千家ご用達です。
 桂離宮近くの中村軒のお雑煮に使われていました。あまりのおいしさに「どこの白味噌ですか」と教えてもらって以来、買いに来るようになりました。

 続きに回った高島屋の地下でミスター・ギョーザのギョーザを2箱、買いました。昔は東寺近くにある店でしか手に入りませんでしたが、大丸に並ぶようになり、いつのころからか高島屋でも買えます。百貨店に並ぶようになっても、手作り感の変わらないおいしいギョーザです。

 山利商店は花街の宮川町にあります。それが、錦市場の麩の専門店「麩嘉(ふうか)」に並んでいます。
 麩嘉は堺町との角にあり、どこまでが店なのかわからないほどに、観光客があふれています。
 
 麩嘉 錦市場店
 075-221-4533
 京都市中京区錦小路通堺町角

 山利商店
 075-561-2396
 京都市東山区新宮川通五条上ル2丁目山田町499

 鰹節は確かこの辺りにあったはずという店に並んでました。冬の湯豆腐には欠かせません。
 鰹節削り器は、立派なのがなんと12000円で一緒に並んでました。これがなくては、鰹節は削れません。

 2000~3000円します。鹿児島産です。1本で数年は使うのだから、そんなものでしょう。

 島本海苔乾物
 075-231-1887
 京都市中京区錦小路通富小路東入東魚屋町195

 人をかき分けて歩くのに疲れて、早々に高島屋に向かいました。
 催事場の「レコードフェア京都」がお目当てでした。レコードや中古CDなど35000枚が並んでいます。
 わたしはクラシックのLPレコードを1枚づつ、探しました。
 最近は、再びアナログ・ブームで、レコードにも注目が集まっています。おかげで中古レコードも、びっくりするほど値上がりしています。そんななかで1枚300円とか500円といったのもあってうれしい限りでした。

 蓄音機なども並び、特設ステージでは生演奏もやってました。 

 手に入れた4枚のLPです。これであわせて1780円でした。
 さっそく針を落としてみました。どれもいい演奏です。

 会場でもらった「京都レコードマップ」です。まだこんなにレコード店はあるのです。知らない店が多いです。時間を見つけて回りましょう。

兵庫芸文 「KRAJA(クラヤ)」のクリスマスを聴く

 「KRAJA(クラヤ)」のことは、2年ほど前のテレビ・ドキュメンタリーで知りました。スウェーデンのア・カペラグループの4人です。
 兵庫県立芸術文化センター(西宮北口)で「北欧・バルトのクリスマス」を聴きました。クラヤの透明感あふれるハーモニーを堪能しました。
 終演後は、ホール・ロビーで気さくにサインに応じてくれました。

 CDで聴きなれた曲が何曲か演奏されました。やはり生は違います。その透きとおる、天まで突き抜けるピーンと張りつめた響きに息をのみました。
ひと足早いクリスマスでした。

 芸文の前は、きれいにイルミネーションされていました。