京街道を上る 番外編 竹田街道を京都市電伏見線跡に沿って

 伏見宿から京へ上る「京街道」には、すでに歩いた伏見街道の西側を並行する竹田街道というのがありました。日本最初の電車路線である京都市電の伏見線(塩小路高倉-中書島間、7.1キロ)が、ほぼ竹田街道に沿って走ってました。京阪・中書島から歩きました-。

 10:32=淀川派流の伏見港です。江戸時代に拓かれた竹田街道は、京七口のひとつ、竹田口から竹田村を通って伏見港までつながってました。


 10:20=京阪・中書島へは、JR奈良線の東福寺で隣接している京阪に乗り換えてやって来ました。
 北口前です。かつてはここに市電の停留所がありました。わたしも小学生のころ、乗った記憶があります。なにか痕跡はないかとうろうろしましたが、見つかりませんでした。
 市電は昭和45年(1970)3月31日限りで廃止されています。万国博が開催された年です。それから40年です。

 10:28=石碑かと近づいてみると「観月橋」と読めます。観月橋は宇治川にかかる橋です。こちらに詳しいです。
 京都市伏見土木事務所の門前です。古い橋の記念に保存しているのでしょう。

 10:35=油掛町の「電気鉄道事業発祥の地」の碑です。
 伏見線は京都電気鉄道株式会社によって塩小路東洞院-油掛町間が明治28年2月1日に、日本最初の路面電車とした開通しました。中書島まで延伸したのは大正3年です。

 10:37=大手筋を横切ります。豊臣秀吉の伏見桃山城の大手筋です。

 10:42=肥後町で直角に曲がります。西へ進んで間もなく、再び北へ直角に曲がります。

 10:45=「聚楽橋」を渡ります。市電当時は、このあたりは専用軌道だったはずです。

 10:51=京都市の広報板に石碑が隠れています。下からのぞき込むと「皇紀二千六百年記念」とありました。何を記念したのでしょうか。

 10:55=京都駅行きの市バスが追い抜いていきます。

 10:57=こんなに狭いところを市電は走っていたのです。

 11:01=「棒鼻」というかわった地名は、わたし小学生だったころから記憶に残っています。
 棒鼻を調べてみると、宿場の境界には棒杭が立っていたところから、宿駅のはずれという意味のようです。ここがどこの宿のはずれだったかは知りません。
 伏見から走ってきた市電軌道は、南北にまっすぐ伸びる大通りと合流します。その接点に、「車輪形石」が置かれていました。江戸時代の竹田街道には石がしきつめられていました。牛車が石が行き交ううちに、レールのような溝ができたようです。くぼみはその跡だそうです。

 11:04=七瀬川を渡ります。向こうに京セラの本社ビルがそびえます。
 伏見街道で渡った「伏水第四橋(直違橋=すじかいばし)」の下流です。

 11:05=深草加賀屋敷町で近鉄のガードをくぐります。ここから先は国道24号です。

 11:10=城南宮の参道です。少し先には鳥羽街道を歩いたときに立ち寄った北向不動や鳥羽帝陵などへの道しるべがあります。

 11:17=名神高速のガードをくぐります。
 それにしてもこの竹田街道は、風情のないただの道です。歩いていてもあまり楽しくありません。
 中山道を下って京を目指している友は、今ごろ碓氷峠を越えているはずです。そちらを歩きたかった-。

 11:33=勧進橋までやって来ました。写真左の京都駅方面から走ってきた市電・稲荷線は、ここで左折して正面の山手にある伏見稲荷まで走っていました。稲荷線は、かつて「市電の名残を求めて稲荷線跡を歩く」で書いてます。

 11:37=鴨川にかかる勧進橋を渡ります。

 11:47=札の辻です。街道ではよく出会う地名です、高札が掲げられたのでしょう。
 東九条の産土神である宇賀神社の参道です。

 11:53=大石橋の少し東にある陶化小学校の校庭には、「車石」とともに「石敢當」が保存されています。勧進橋のたもとに夜の通行人の安全のために建てられたものです。明治41年に、ここに移されて今にいたっています。

 12:02=西にまっすぐ進むと東寺に突き当たります。

 12:03=JR京都駅も近づいてきました。新幹線が発車してゆきます。

 12:07=八条口側から見たJR京都駅です。

 12:11=高橋(たかばし)の正式名は「高倉跨線橋」でした。その上から京都駅を眺めます。0番ホームから特急・サンダーバードが発車しました。

 12:12=塩小路高倉の交差点の手前に、これまでとは様子が違う赤茶けた電柱を発見しました。ひょっとした市電の架線柱が残っているのですか。確認しようと思ってましたが、ここでラーメンを食べたら、すっかり忘れてました。

 13:06=「電気鉄道事業発祥地」の碑です。

 13:07=市電・伏見線のホームは、このあたりにありました。

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