東京出張の帰途、八重洲口の八重洲ブックセンターに寄りました。歩き遍路には必携の書といわれている「空海の史跡を尋ねて 四国遍路ひとり歩きの同行二人」(へんろみち保存協力会編)が店頭に並んでいるというからです。ありました、ドサリと平積みで。それだけ需要があるということなのでしょう。手に取ってみると、やはり欲しくなり、「地図編」(2500円)、「解説編」(1000円)のうち、地図編を買ってしまいました。おかげで帰りの新幹線は、退屈しませんでした。
この地図は、基本的にへんろ道に沿って上から下へ、右から左へ進むように編集されています。ページによって北の方向がまちまちです。これでは全体の道程が把握しづらいです。進行方向がいつも上にある車のカーナビに頼っていると、一度走った道でもまるで覚えられないのと同じです。おまけに縮尺までページによってさまざまとあって、距離感もつかめません。それでも細かな分かれ道を迷わないで歩くには、これも手放せないようです。
すでに「四国遍路地図1(第一番霊山寺~第三十三番雪蹊寺)」(東海出版、900円)は持ってます。こちらは50000分の1地図で構成されてますので、方位、距離はばっちりです。そのかわり1枚の大きな地図で、へんろ道の詳細まではわかりません。一長一短です。両方に頼ることになりそうです。
それにしても、旅を前に地図やガイドブック、最近ではネットでも情報を集めるのは、本当に楽しい時間です。
カテゴリー: 巡礼の旅
四国88 「発心」の準備
還暦を過ぎたら歩いてみたいと思っていた「四国八十八個所巡礼」です。いまもフルタイム勤務の身ですので、「通し打ち」(1番から88番までを続けて一度に巡礼すること)はとても無理ですが、歩きにこだわらずとりあえず「発心」することにしました。学生時代以来の友とふたりでのお遍路の旅に出発します。
大阪・梅田の阪急イングスにウォーキングシューズと並んで巡礼グッズ売り場があります。とりあえず最低必要な品を買ってきました。菅笠、白衣、輪袈裟、金剛杖、納経札、納経帳です。合わせて9000円ちょっとしました。レシートの細目を見ると、すべて「スポーツ用品雑貨」とプリントされています。さして信仰心があるわけでもなく、スタンプラリーのノリですから、当たっていないとはいえません。それだけに、格好から入ったわけです。
ネットにはお遍路情報はあふれています。「線香やローソクは、門前の売店では高価。百均で買うべし」というのを読んで、ダイソーで入手しました。線香くらい「鳩居堂製」とまではいわずとも、それほどケチることはなかったかもしれませんが。
地図やガイドブックを買い込み、ルートをにらめっこです。
洛陽第二十七番 「平等寺(因幡堂)」の邪鬼
「因幡堂」とか「因幡薬師」と呼ばれる平等寺です。大きな香炉の脚は、邪鬼が支えてます。
四条烏丸のすぐ近くです。外人の参拝客にも出会いました。
赤い幟を奉納するようです。
「不明門通」。これは京都の地名でも難読の部類です。「あけずとおり」と読みます。平等寺の門がいつも閉ざされていたことから、通り名になったそうです。「京都検定」を受験したときに勉強しました。
洛陽十八番「善能寺」、二十五番「法音寺」
洛陽十九番 静かな「今熊野観音寺」
泉涌寺を出るとすぐに今熊野観音寺があります。西国三十三個所の札所でもあります。その折は、紅葉の季節で、参拝者でいっぱいでした。
5日は、訪れる人もまばら。ゆっくりと歩きました。
洛陽二十番 御寺「泉涌寺」の楊貴妃観音菩薩
日差しこそありませんでしたが、ずいぶん暖かくなりました。「お散歩カメラ(RICOH GXR)」をぶら下げて東山の泉涌寺を歩きました。
皇室の菩提寺として「御寺(みてら)」と呼ばれています。さすがに立派です。大門をくぐると、木立の中に仏殿がそびえます。
大門は重要文化財です。もちろん仏殿も。
入ってすぐの左手に楊貴妃観音堂があります。ここに観音像が祀られています。
楊貴妃観音像(重要文化財=いただいたパンフから)は、絶世の美女をいわれる楊貴妃を偲ぶ等身座像にかたどった聖観音菩薩像です。
月輪山には天皇陵が多くあり、菊の御紋章が。
御座所からみた勅使門です。
御座所の庭園です。
紅葉の頃はきれいでしょう。
仏殿の甍です。
洛陽三十三所には、観光寺院は多くありません。ほとんどが拝観料とは無縁ですが、ここは違います。門前と庭園の2個所で拝観料が必要でした。その値打ちはあります。
洛陽三十一番 「東向観音寺」 天神さんの梅もほころぶ
北野天満宮の大鳥居をくぐり、参道を進むと左手にある。天満宮の神宮寺として栄えてきた。
東を向いて建っている。
立派な本堂は、豊臣秀頼によって再建された。
菅原道真の母親の伴氏の廟。
京都三珍鳥居(京都御苑厳島神社、蚕の社)の一つがある伴氏社の前も通ったが、その鳥居を撮影するのを忘れていた。
北野天満宮は、受験生でいっぱい。現代の若者は、お行儀よく行列をつくる。ラーメン屋なんかで行列慣れしているのだ。
合格祈願の絵馬が鈴なり。わが家の子どもたちのために何度も通ったことがあるが、さすがに卒業した。
境内の梅も、ちらほらと開きかけている。
洛陽三十三番 「清和院」 道半ばにして結願の寺へ
第三十三番札所です。ということは「結願」の寺です。
わたしの巡礼は、まだ十数ヶ寺目ですが、三十番に近かったので、続けて参りました。
お参りできる境内は、それほど広くない。
「満願」を達成するのは、いつの日か・・・。
洛陽三十番 「椿寺地蔵院」 天野屋利兵衛は男でござる
豊臣秀吉が北野大茶会の縁で献木した「五色八重散椿」があったことから、「椿寺」の通称がある。西大路一条の角で、西大路は車でならよく走るが、この寺の存在も知らなかった。もちろん、始めて参拝した。
門前に「椿」とともに「天野屋利兵衛之墓」がこの寺にあるという石柱がある。
参拝後に墓地を見て回ると、一番奥に墓はあった。
「天野屋利兵衛は男でござる」。播州赤穂の塩の販売で富を得たことから、赤穂浪士の討ち入りでは秘密裏に武器を調達した大商人です。
一木作りの十一面観世音菩薩は、正月三や春秋の彼岸に開帳されるそうです。
椿が咲くのは「3月末から4月始め」とのことです。
隣の枝垂れ桜も立派です。
500円で乗り放題の「市バス1日乗車券」。車内でも売ってくれる。
洛陽十六番「仲源寺」、二番「誓願寺」
洛陽巡礼の2ヶ寺に参りました。どちらも、前はいくどとなく通ったことがありますが、参ったのは初めてです。
「仲源寺」は、四条通り南座からちょっと東に歩いたところにあります。まわりの商店よりちょっと広いかなというくらいの間口を入ると、小さな境内です。
「目疾地蔵尊」が祀られてます。参拝する人が絶えません。わたしも目はよくないので、真剣にお参りしておきました。
国の重要文化財である千手観音菩薩が安置されてます。平安期の作ということです。
四条通りは通行人が途絶えません。
左向こうが八坂の石段です。
「仲源寺」
新京極に面して「誓願寺」はります。こちらも参ったのは初めてです。
弘法大師の作と伝えられる十一面観音が祀られています。一言で願いを叶えてくれることから「一言観音」と呼ばれています。
「誓願寺」