シュテファン大聖堂にモーツァルトのレクイエムが流れました。
反田恭平の指揮で、日本からやってきたコーラスが大きなドームに響きました。ラッキーなことに、そのリハーサルを聴くことができました。
学生のころから知っているバイオリニストのちかちゃんの立派に成長してオケで弾く姿を間近にして、感動しました。
本番は、モーツァルトが亡くなったその日、その時間にあわせてこの夜の零時に始まりました。それを予告するポスターが、シュテファン大聖堂の扉に張られていました。
ウィーンでカフェ巡りを楽しむ日々も、実質の最終日となりました。
「世界で最も美しいカフェ」と称される美術史美術館のカフェです。ここを外すわけにはいきません。
名画の数々を堪能した後、ゆっくりと余韻にひたりました。
頭上には大きなドームです。
窓からは、オーストリア女帝のマリア・テレジア像と、その向こう美術史美術館とシンメトリーな造りの自然史美術館が見えます。
わたしは、アペロール・スプリッツアーです。白ワインとリキュールのアペロールを炭酸水で割っています。冷たくて、ほてった体にはぴったりでした。
奥さまはティーです。
甘そうで大きなケーキが並んでいます。さすがにもうご遠慮しました。
クリムトが意匠を手掛けた大階段の向こうにあります。
フェルメールの「絵画芸術」など、あまたの絵画を鑑賞しました。
入館したときはまだ時間が早く、美術史美術館の前のクリスマスマーケットはまだ閉まっていました。
シシー(皇妃エリザベート)がフランツ・ヨーゼフとともにお茶をしたカフェです。
シェーンブルン宮殿のわきにある動物園の中にあるカイザー・パビリオンです。この窓の下のテーブルが二人の指定席でした。
シシーの肖像画がかかっています。
対抗面には当然、フランツ・ヨーゼフです。
わたしたちも乾杯。きょうはワインです。
シェーンブルン・ウインナーが2本。ボイルされています。
ホースラディッシュの千切りといただきます。ワサビ味です。安心して食べ進みました。
奥さまが頼んだのはロールキャベツです。ビオですので肉は入っておらず、コメ、ニンジン、干しブドウなどがキャベツに包まれて煮込まれています。経験したことがない酸っぱさでした。キャベツの繊維が切れずに、ナイフで格闘していました。でも、平らげました。
宮殿からまっすぐな道が通じています。
雪の宮殿です。
モーツァルトは1791年12月5日、ウイーンで亡くなりました。35歳でした。
日本式にいうと「命日」のその日、シュテファン大聖堂で反田恭平指揮の「レクイエム」を聴きました(改めて記します)。
墓参りもしました。雪が積もったザンクト・マルクス墓地です。モーツァルトが埋葬されたという場所には、「嘆きの天使」がたたずむさみしげな墓標が立っていました。
墓地への道でわずか3人とすれ違っただけで、辺りは静まり返っていました。
モーツァルトは死後、この共同墓地に運ばれ埋葬されました。ただし、その正確な場所はわかっていません。当然、遺骨もありません。
ザンクト・マルクト墓地の入口です。OEBBのS7路線にあるザンクト・マルクト駅から歩いて10分ほどのところでした。
墓地の中央の道を進みます。両側には古い墓が並んでいます。
墓地はモーツァルトの死後、60年ほどで使われなくなり、中央墓地に移りました。モーツァルトの記念碑もその時に中央墓地に移りました。そちらはわたしが初めてウイーン訪れた2005年に訪れています。
小高いところにキリストの像が立っています。その」すぐ左です。
モーツァルトの葬儀はシュテファン大聖堂で行われました。といっても大聖堂の外壁にくっついたような小さい礼拝所でした。
忘れ去られたような礼拝所です。観光客も素通りです。
モーツァルトの死を記した銘版があります。
モーツァルトは、ケルントナー通りの中間あたりにあった住居で亡くなりました。現在は建て替えられて百貨店のシュテッフルになってます。店を通り抜けた裏通りに面した壁に銘版がありました。
通りの反対側には「3」と表示されたドアがあります。
指揮者の佐渡裕さんよると、ここはウイーンの秘密結社、フリーメーソンの集会所ということです。
モーツァルトもフリーメーソンだったそうです。
ウィーンの目抜き通りから一つ入ったところにあるカフェ、オーバーラーです。
階段を上っていくと思わぬハプニングに出くわしました。なんとピアニストの反田恭平さんその人が、前を歩いていたちかちゃんに「よっ!」と手をあげてあいさつしました。横にはカウナターテナーの藤木大地さんがいました。二人はカフェを出るところでした。
反田くんらは、この夜に行われるモーツァルトの「レクイエム」を前に日本からやってきた合唱団とオーケストラの合わせを行っていました。ちかちゃんは、このオケでヴァイオリンを弾いています。
わたしは「オーバーラー・プンシュ」を頼みました。
オレンジとマンゴーのフルーツジュースにラム酒をミックスしたホットドリンクです。甘酸っぱくて口当たりも良く、飲み進んでしまいます。アルコール分も多く、体がぽかぽかとしてきます。ウィーンのクリスマス・シーズンには欠かせない飲み物です。
奥さまは「マロニ・オーバートルテ」です。ひと口、いただきました。甘さ控えめで、日本のケーキくらいでした。
ルイボスティーは、たっぷり二人分のボリュームです。
ショーケースをのぞき込みました。どれもおいしそうです。
広い店内ですが、いっぱいでした。
店の前の通りのイルミネーションが灯りました。星形が素敵です。
ウィーンにやって来て初めて青空が広がりました。シュテファン大聖堂でアドベント第1主日のミサに参列しました。ミサの間で歌われる合唱がドームを包み、限りなく美しかったです。
大聖堂の裏にあるお茶の専門店、ハース・アンド・ハースのカフェでひと息つきました。
ハース・アンド・ハース・ブレッドは小さな2枚のライ麦パンに、ハムとホース・ラディッツがトッピングされています。
ワサビのような香りてす。
メランジェといただきました。
砂糖をたっぷりと入れて、甘くしてすすります。
奥さまは、アプリコット・パンケーキです。
ひと切れいだだきました。もっちりとして、おいしかったです。
ティーのポットには4杯分くらいたっぷりと入っていました。
入口は裏庭側にあります。
シュテファン大聖堂と向き合う正面には、紅茶なんかのショップの入口があります
フィアカーの馬が寒そうに待機していました。
ペーター教会でオルガン・コンサートを聴きました。「きょう午後3時から」という掲示を見て、その時間に出直してきました。
広いドームにオルガンの調べが響き渡りました。
ときに腹の底に沈み込むほどに重厚に、ときに軽やかに。オルガンのもつ豊かな音色のバリエーションに感嘆しました。
プログラムの最後は、バッハの有名なコラール第147番「主よ 人の望みの喜びよ」でした。動画に納めました。
午前中は自由に入れた教会ですが、ロープで仕切られていました。
「フリー・ドネーション」の箱がありました。10ユーロを入れてきました。プログラムにも各国語で、日本語もあって、「10ユーロの寄付」を求めていました。
正面の主祭壇です。
中央にマリアさまがおられます。
脇におられるマリアさまは、2019年に訪れたときにも撮影しました。奥さまのコーラス・グループのCDの表紙に使ったことがあります。
教会を出ると、タイミングよくフィアカー(観光馬車)が走り去りました。
グラーベン通りのペスト記念柱です。
まだ4時頃ですが、暗くなりつつあります。イルミネーションが素敵です。
シュテファン大聖堂に雪が降り積もります。
向こうがペーター教会です。
ウィーンは雪となりました。ホテルの窓から眺めるリンクは、みるみる真っ白になりました。
オペラ座からケルントナー通りをシュテファン大聖堂まで歩きました。ペーター教会にも行ってみて、早々にカフェ休憩です。
ケルントナー通りの途中にあるカフェ・ハイナーに落ち着きました。
店の名を冠したハイナートルテとメランジェ(コーヒー)です。
ひと口いただきました。流石の甘さです。これは2人に1つで十分です。
メランジェには砂糖を入れます。舐めるように、ゆっくりといただきました。
ウィーンの流儀です。必ずお冷がついてきます。しかもスプーンがのっています。
奥さまはティーです。丼のような大きなカップに、熱々の湯が満たされています。ここにティーバッグを入れます。
美しいケーキが並びます。
奥さまのチョイスがこちらでした。
メランジェは5ユーロほどでした。
お勘定には、わずかですかチップを上乗せしました。
通りに面した2階は、いっぱいです。
わたしたちは、奥の静かな部屋でいただきました。
ケルントナー通りは、こんな天気でも観光客らでにぎわっています。
シュテファン大聖堂に雪が舞っていました。