「OPINEL(オピネル)」。120年余りの歴史を持つフランス生まれのナイフメーカーです。FaceBookに、そのフォールディング・ナイフ(折り畳みナイフ)に関する書き込みがありました。
そうだ、わたし持っていたはずと、道具箱を探しました。キャンプやアウトドアを楽しんでいた20年くらいは前に買って、以来、使っていなかったナイフが出てきました。
錆も浮いています。これをリニューアルすることにしました。
ピンを抜く作業から始めました。
ピン頭から抜くか、かしめたほうから抜くか。
ピンをヤスリで削り、センターポンチで押し込みました。
先が細くて長いピンポンチを買ってきて、ピンを抜くのに成功しました。この作業が一番、たいへんでした。
次はブレードを研ぎます。
錆が出ているので、電動のベルト・サンダーで粗削りしました。
次はサンドペーパーで仕上げます。180番から初めて、最後は600番でした。ホントは1000番くらいまで使ったほうが仕上がりがよかったみたいです。
刃を出すために、砥石で研ぎました。
ちょっとティーブレークではありません。
ブレードに黒錆を発生させるのです。黒い酸化被膜を作ることで、赤錆の発生を予防することができます。
切り取ったペットボトル、濃い目の紅茶4に、酢1の割合で混ぜます。そこに針金でつるしたブレードを沈めます。
こまかな泡が出てきます。急激に酸化が進んでいるようです。
1時間ほどで液体は真っ黒に変色し、取り出したブレードも真っ黒になってました。
自宅近くの生協に行って、食用のアマニ油を買ってきました。健康成分のα-リノレン酸が含まれていることで注目されていますが、料理のためではありません。
柄の木材の耐水性を高めるために、乾性油(空気に触れると固まる油)で処理したかったのです。
ピクルスでも漬けるように、ジップロックでアマニ油漬けです。
リニューアルしたOPIELで、冷蔵庫のニンジンを切ってみました。スパリと切れます。
さて、このナイフ、何に使いましょう。キャンプの予定はありません。
昔の話を思い出しました。
誘われて明石海峡のあたりに太刀魚釣りに出かけたことがあります。15年ほど前のことです。わたしは釣り道具を持っていなかったので、会社の釣り好きの同僚から一式を借りました。よく釣れたので、オピネルのナイフを添えて返しました。釣り上げた太刀魚の首をグサリとして、血を抜くのにちょうどよいと思ったからです。
わたしより年下だったその同僚は、しばらくしてくも膜下出血を起こして亡くなりました。オピネルを一度くらい、使ってくれてたのでしょうか。今となっては、確かめようがありません。