たった231円 FMラジオ・組立キットから音が出た

 たったの231円でした。郵送料込みでした。あまりの安さに、思わずAMAZONをポチリとしてしまいました。
 FMラジオの組み立てキットです。本当に音が出るのだろうかと半信半疑でした。
 小さな音でしたが、スピーカーから女性アナの声が聞こえました。はるか昔となった中学生のころ、紙箱の上に組み立てた2球真空管ラジオが鳴り始めたときの感動が蘇ってきました。

 4月1日にAMAZONで発注。到着予定は今月末から来月初めの間ということでした。それが昨日、到着しました。
 小さな封筒にビニール詰めのパーツが入っているだけでした。

 いずれ中国か台湾辺りから送られてくるのだろうと思っていました。袋にはMade in Chinaとありました。
 なんと送付元はカリブ海のドミニカ共和国の首都、サント・ドミンゴ(ドミニカ共和国国家地区)にある業者でした。それが船便で迷子にもならずにわが家にやってきました。改めて書きますが、送料込みで231円です。

 マッチ箱くらいの大きさのプリント基板と抵抗、コンデンサー、スイッチなどのパーツが入っています。

 心臓部のICチップ、Hex3653です。16本足のゲジゲジか何かのようです。

 取扱説明書や組み立て解説書の類は何もついてきませんでした。
 ネットで探すと英文マニュアルが見つかりました。プリントアウトして組み立て手順を確認しました。

 プリント基板を固定して、ICチップの16本の足をはんだ付けしました。

 細かな作業です。眼鏡(遠近両用)を老眼鏡に取り換えて作業しました。
 1.2mmほどの間隔を、隣と接触しないように気を付けてはんだ付けする必要がありました。

 他のパーツはそれほど難しくはりません。表からパーツを差し込み、裏側をはんだ付けです。

 ボリュームや選局に使用するプッシュ・スイッチなども付けました。

 1時間もかからずに組み上がりました。でもすぐには音は出ませんでした。

 ネットの情報から緑色のインダクターというパーツを疑いました。これを取り去り、銅線をクルクルと巻いたコイルを付けました。
 ラジオ(受信機)といえばコイルとバリコンの組み合わせで同調させることに慣れ親しんだ世代です。このコイルが、広い空間から電波を拾い集めててくれるというイメージを膨らませてくれます。 

 銅線をドライバーの軸に巻き付けてつくりました。

 さて、受信に成功した証拠の画像です。聞こえているのはFM845(京都リビングエフエム)です。他の局は聞こえませんでした。
 仮アンテナは、緑色のクリップから窓際に延びたコードです。わたしの部屋は北西を向いています。そのため京都の放送局しか受信しなかったのでしょう。
 実用には程遠いですが、充分に遊ばせてもらいました。

 【追記】
 南向きのベランダで試しました。MBSラジオ(FM補完放送)の甲子園中継など数局が鮮明に聞こえました。
 

兵庫芸文 大阪バッハの「マタイ受難曲」を聴く 2025

 J.Sバッハのマタイ受難曲を、兵庫県立芸術文化センターの大ホールで聴きました。演奏時間は3時間を超える、文字通りの大曲です。3時に始まった演奏は、休憩をはさんで終わったときには辺りは暗くなっていました。
 奥さまも所属する大阪バッハ合唱団の演奏です。畑儀文さんの指揮兼エヴァンゲリストやイエス役のバリトン、与那城敬さんらの迫力あるノリノリの様子を、前から5列目ほどのかぶりつきで存分に楽しみました。奥さまは喉の調子が悪くて声が出ず、横の席で聴いていました。
 カーテンコールの畑さんは、洗礼を受けられてから初めてのマタイに感激のご様子でした。信者でもないわたしですが、バッハがカントールをつとめたライプチッヒの聖トーマス教会での感動の夜などこのブログに記録が残っているだけで13回目となりました。スペイン・カミーノ巡礼も3回、歩きました。「イエスの死」のコラール、「いつの日か私が死ぬ時 主よ離れないでください」をお終いの枕辺で聴けたらいいだろうなと聴き入りました。

 これまでのバッハ・マタイ受難曲

目ん玉・キューブをつくる その2 仮音出し

 MDF合板をボンドで固定した「目ん玉・キューブ」は、すぐに音出しまで可能となりました。
 わたしの2つ並べたデスクの左側の壁面です。古いテレビの両端から目ん玉2つがこっちを見ています。
 下の二回りほど大きな箱は、米国製のAuratone 5C ‘Super Sound Cube’です。レコーディング・スタジオでミックス確認用に使われました。これとの音を比較してみました。

 容量1リットルほどのキューブの内部に吸音材を入れます。百均のダイソーをうろついて、エアコンの汚れ防止用のフィルターを買ってきました、

 キューブの内部に張り付けました。どれほどの効果があるんのかは不明ですが、一種のおまじないです。

 スピーカーケーブルをはんだ付けしました。

 背面にはターミナルをセット。アンプとつなぎます。

 さて、音出しです。結線を何度も変更して2つのスピーカーから出てくる音を比較しました。

 「空気録音」を試してみました。同じ音源を2つのスピーカーから出して録音、比較するのです。双方の音を即座に切り替えることができます。
 TASCAMのレコーダー、DR-07MK2を小さな三脚にセットしました。パソコンの音源を出力しました。

 目ん玉・キューブの音

 AURTONEの音

 いかがですか、差異は確認できますか。
 出だしのピアノや、後半のドラムスは、明らかに音の膨らみが違います。それにしても、発売当初はウン万円もした名器に対して、わずか500円ほどで作った(スピーカーは別)目ん玉・キューブは、予想以上に健闘といったところでしょうか。

 音源は、ジョン・レノンが歌う「IMAGIN」です。
 次はキューブを塗装するか、AURTONEのように薄い突板でも張って、もう少しミエをよくしてやります。

目ん玉・キューブをつくる その1

 「目ん玉・キューブ」の製作に取り掛かりました。
 10cmほどの立方体に小型スピーカーを取り付けて、ミニ・スピーカーにします。
 わたしが働いた新聞社や某テレビ局などのグループ企業は、「目ん玉マーク」をシンボルにしています。このところ、テレビ局はなんとも旗幟が悪いですが、スピーカーは元気に鳴ってくれるでしょうか。

 きっかけはYouTubeでした。そこで知ったスピーカーボックスの製作キットです。
 MDF(中密度繊維板)を立方体になるように裁断されています。
 ヤフオクの即決で落札して、たったの600円でした。送られてきたのは、お隣の大山崎町からでした。

 スピーカーを固定するバッフル板は、希望した寸法に開口されています。

 百均のダイソーで売られているMDFと同じ素材を使用しているようです。
 10cm四方で6枚入りのMDFをダイソーで買ったのが残っていました。6枚ありますが、すべてがこのサイズでは立方体は作れません。
 サイズは若干、違っていました。

 10数年前のステレオ雑誌に付録でついていたスピーカーです。永らくホコリをかぶって寝ていました。これを活用しようと思いつきました。 

 板材を直角に接着するためのクランプを使用しました。2つしかないので、ボンドが乾くのを待っていると、時間がかかりました。

 同じ作業を4回、繰り返しました。

 2枚が直角に固まったのを合体させました。

 裏板を接着しました。

 表板のバッフル板を接着する前に、スピーカーを固定する木ネジの補強のために桟を固定しました。

 バッフル板を接着しました。本日の作業はここまでです。

QUAD22邂逅(9) 化粧直しで見栄えを回復

 

古い英国製のプリアンプ、QUAD22の修復は最終コーナーに達しました。
 機能や音質はともかく、最大の課題が前面パネルの欠損しているボリューム・ツマミでした。なにせお顔の中心です。ここが決まらなくてはー。

 適当なツマミをネットで探しました。これならという製品もありましたが、3000円以上もしました。アルミ無垢の削り出しとはいえ、ちょっと手が出ません。
 ハードオフのジャンク売り場で、これなら使えそうというツマミがついた壊れたDVDアンプを見つけました。1000円でした。ツマミだけ取って、本体は大型ごみの日に処分しました。

 プラモデルのラッカー塗料の茶色と白、黒を購入しました。3色を混ぜました。

 むかし、ナローゲージの鉄道模型を作っていた時に使ったスプレーガンが健在でした。
 配合したラッカー塗料を、銀色のツマミに吹き付けました。塗り上がったのが、最初の画像です。もう少し暗い色でもよかったですが、これでひとまずはOKとしました。

 音質を大きく左右する結合コンデンサーです。
 修復直後に新品に代えました。でも待て、オリジナルではダメだったのかと、取り外した同容量の4本のうち、測定結果がまあまあだった2本を戻しました。
 コンデンサー1個で、一気にオリジナルの音に戻った気がしました。でもLPを聴き込むと、高音は素晴らしいですが、中高音が薄っぺらでした。ダメだ!

 ネットで評価の高かった新品を購入しました。
 弦が「オオ、素晴らしい!」のもつかの間、ピアノの音はバシャバシャしていました。

 手持ちのコンデンサーと交換すると、ほぼ及第点が見つかりました。上の双信製のポリカーボネート複合フィルム・コンデンサーです。

 パネルに電源ONを表示するパイロットランプがついているのに気づきました。調べると豆球が断線していました。
 懐中電灯(画像後部の赤い物体)の球で代用できないかと調べましたが、電圧が一致しませんでした。
 家電量販店で購入しようとすると、「もうLEDしかありません」。ということは懐中電灯は、球が切れたらお終いです。まあ、蛍光灯すら製造中止になる時代です。

 ありあわせのLEDランプをつけました。ちょっと光量不足のようでした。

 パイロットランプにはQUADの文字が明るく光るはずでした。
 「薄紅」をひいた風情も、これでよしといたします。

「教皇選挙」の白い煙まで

 アカデミー脚色賞を受賞した話題の映画「教皇選挙 CONCLAVE」を、枚方のTOHOシネマズ くずはモールで観ました。
 ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の外界から遮断された空間。ワンフレーズですが門外不出だった秘曲「ミゼレーレ」も流れます。そこで繰り広げられる次期ローマ法王(教皇)を決める選挙を描いています。
 枢機卿という最高職の聖職者の集まりではあります。でもそこには保守対革新、人間の欲、過去、陰謀、その他のあらゆる要素が入り乱れて、何度も「黒い煙」が立ち上ります。
 ストーリーの早い展開に、息もつかせぬ2時間でした。そして、想像だにしなかった結末が待ち受けていました。事前知識は何もなく見た映画でしたが、コンクラーベの仕組みから「白い煙」の正体まで、充分に楽しみました。

 海外旅行でもどこでも、大きな顔をして「over sixty」と言えるようになったきっかけは、映画のシニア割だったかもしれません。

生搾りオレンジジュース自販機 スーモ・デ・ナランハを思い出す 

 車で5分ほどのホームセンター、コーナン高槻上牧店でラワン合板を買い、指定のサイズにカットしてもらいました。その後、作業室を借りてジグソー(自由ノコギリ)で切り欠きを作りました。ちょっとした作業ですが汗ばみました。
 ベンダーが並ぶコーナーに生搾りオレンジジュース自販機があるのは知ってました。喉も乾いていたので、モノは試しと350円を投資してみました。

 コインを投入すると、内部でオレンジが動いているのが見えました。ジュース(270ml)1杯で丸ごと4個を使用しているそうです。

 45秒待つと窓が開いて、ラップで蓋をした紙コップが現れました。

 中を見ようと、ラップをはがしました。オレンジの皮などの固形物もそれらしく残っています。
 お味は、甘いです。ただし砂糖は不使用という説明には納得できる自然な甘さです。確かに搾りたてのオレンジそのままなのでしょう。おいしく飲み干しました。

 IJOZE(アイジュース)は、シンガポール発の企業のようです。

 ネットで調べる限りでは、まだそれほど多くはないようです。
 それにしても新鮮なオレンジの補給がどのようにしておこなわれているのかが不思議です。

 わたしの主食はオレンジジュース??
 オレンジジュース搾り器あれこれ

 スペインのサンティアゴ巡礼では、巡礼路沿いのバルで飲むスーモ・デ・ナランハが最高でした。もう一度、飲みに行きたい懐かしいお味です。

 

QUAD22邂逅(8) 憧れの美人にはまだ遠く

 英国製の古いコントロールアンプ、QUAD22の修復は終盤を向かえいます。
 最後の調整では、イコライザー回路に20pf(ピコ・ファラッド)の小さなコンデンサーを追加するだけで、高音の伸びがガラリと変化するうれしいハプニングもありました。電気回路の整備はほぼ終了しました。
 残るは見た目です。ケースに戻しました。

 欠品となって手に入れたボリューム・ツマミをどうするかが残された課題です。ありあわせの銀色のツマミと取り付けています。ここが決まらなくては、若い日に憧れた美人にはちょっと遠いです。

 鉄製のケースは、一部に錆がでたのか、塗装が盛り上がっていました。荒れた肌は、電動サンダーにワイヤーブラシをセットして磨きました。

 サンドペーパーで仕上げました。

 シンナーで油分を除き、サーフェーサーという下地塗料を吹き付けました。
 仕上げにシルバーのラッカースプレーを吹き付けました。

 ラッカースプレーは、百均のダイソーで買ってきました。220円でした。これまでは110円だったのですがね。
 内容量が100mlから160mlには増えて、缶がひと回り大きくはなってます。でも使う量はわずかなので、なんだか値上がりした気分です。これも時勢ですかね。 

 オリジナルよりは派手な仕上がりとなりました。

 

奈良県橿原文化会館 反田恭平&JNOコンサートツアー2025

 奈良・橿原の近鉄・大和八木近くにある橿原文化会館で「反田恭平&ジャパン・ナショナル・オーケストラ コンサートツアー2025」を聴きました。
 終演後、反田くんのサインをもらって奥さまは満足の様子です。プログラムの左下は印刷ですが、右上はインクも乾かないほどの直筆です。
 サイン会は反田くん登場とあって大混雑。長い行列ができました。それにしても終演後に、ホッとする間もなくにこやかな笑顔を絶やさずにペンを振るうのもご苦労なことです。

 モーツァルトがずらりと並んだプログラムです。
 圧巻はピアノ協奏曲26番「戴冠式」。反田くんの弾き振りも慣れてきたようで、さすがに堂々としたピアノでした。
 アンコールの弦楽ディヴェルトメントは、ジャズのインプロビゼーションさながらにヴァイオリンやヴィオラのソロが奔放に歌いました。クラシックでは珍しく曲の途中なのに拍手がわき上がりました。ティンパニは派手な連打の果てにバチを投げ出してしまうほどの熱演でした。すぐ横に座ってくつろいでいた反田くんも、びっくりの表情でした。
 締めくくりの「トロルドハウゲンの婚礼の日」は何度も聴いてます。ピアノやピアニッシモがこれまでになく美しく響きました。

 席は6列目でした。ちょっと前過ぎて、オケも直接音が勝りました。メンバーの顔もよく見えないのが残念。真正面にホルンの鈴木優ちゃんがいたのに、譜面台で遮られてお顔を拝見できませんでした。

 JRー近鉄と乗り継いで1時間半。ちょっと遠かったです。

QUAD22邂逅(7) シンプル化で電気回路は完了

 3月になって1週間というのに、極寒の日々が続きます。エアコンを効かせた部屋で熱い半田ごてを握っているのが極楽です。
 古い英国製のプリアンプ、QUAD22の改修はボチボチと進み、電気回路はほぼ完了しました。
 わたしのオーディオ装置の音の基準となっているネビル・マリナー&アカデミーのモーツァルト・ディベルティメントK136のLPが、合格点のハーモニーを響かせました。

 このQUAD22が誕生した1960年台初頭は、モノラルやステレオのLPが存在していました。入力されるカートリッジのゲインもさまざまです。それらのイコライザー特性を合わせるために、回路がユニット化されて差し替えられるよになっていました。左下の「PU」と記された丸い筒のパーツです。

 分解してみました。片チャンネルに抵抗1本、コンデンサー2本が入っています。
 測定してみると、コンデンサーの値が1割以上も少ないのが見つかりました。
 回路が、複雑なセレクタースイッチやソケットを経由して長々と引き回されていることも気になりました。

 イコライザー回路を構成する設計値に近い部品をベーク基盤に集結させました。

 リード線を回路に沿って結び、ハンダで固定しました。

 本体に取り付けて、配線しました。元々ついていたパーツは、ほとんどをスルーするようにシンプル化しました。
 そんなことならたくさんのツマミやプッシュスイッチがついたOUAD22は不要だったともいえます。でもそこは永年のブランド信仰の名残です。

 音出しに満足したわが家のオーディオ装置です。
 左上のDENONターンテーブルにLPを載せ、同じDENONのMCカートリッジ、DL-103を静かに降ろします。
 信号は隠れているMCトランスを経て右のQUAD22に入り、イコライザー回路のみを通してすぐに出力。左下のコントールアンプで音量調整して、右の300Bシングルのメーンアンプへ。最後はTANNOY ⅢLZというこれまた古い英国製スピーカーにつながります。

 隠れているMCトランスです。MCカートリッジの微弱な信号を増幅します。タムラ製のマイクトランスを流用しています。
 これがラインアップです。わたし自身へのきょう時点での備忘録でした。