福山・リーデンローズ 反田恭平2023夏ツアーを聴く

 「反田恭平プロデュース ジャパン・ナショナル・オーケストラ2023夏ツアー」を追いかけて、はるばる広島・福山のふくやま芸術文化ホール リーデンローズ大ホールまでクルマで走ってきました(31日)。
 夏ツアーは全国7会場を巡りますが、どうしたことか関西での公演はありませんでした。一番近いのが福山でした。
 開演直前までスタインウェイが調律されていました。

 奥行きが広いプロセニアム形式のホールです。3層のバルコニーがあり、2000席を超えます。
 わたしの席は、舞台から5列目のほぼ中央と、最上のポジションでした。

 モーツァルトのピアノ協奏曲15番という初めて聞く曲でした。もちろん、反田くんの弾き振りです。ハッとさせられる美しい弦の響きに、反田くんのこれまた繊細に輝くピアノが重なりました。これまでに聴いたショパンやスクリャービン、ラフマニノフらのロシアものとは違う軽くてキラキラとする美音がひときわ冴えわたりました。
 チャイコフスキーのロココの主題による変奏曲は、水野優也くんのソロでした。かのロストロポーヴィッチの芳醇な演奏のLPで聴き馴染んだ曲です。水野君も若々しくも大家に迫る演奏で、エンディングに向けての盛り上がりに大拍手でした。
 後半はモーツァルトの人気ナンバー1のシンフォニー40番でした。反田くんが指揮棒を右手に振るのを初めて見ました。フルートが、オーボエが、ホルンが、そして弦が存分に駆け巡り、楽しく乗せられて息つく間もありませんでした。

 会場で売り出されたCDを購入しました。水野くんのチェロ、反田くんのピアノです。最高の記念となりました。

 開演前にホール併設のカフェ「リドテリア」でカレー(から揚げ、サラダ付き 880円)をいただきました。
 わたしにも辛さはほどほどのおいしいカレーでした。
 

 奥さまは、簡単にパンと紅茶でした。

 同じパンがホールでも売られていて、カフェが満員で食事できなかった人らが買ってました。

 福山はJFEスチール(旧NKK日本鋼管)の企業城下町です。税収が豊かだった時代に建ったのでしょう。地方都市にしてはびっくりするほど立派なホールでした。

 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
 広島県福山市松浜町2-1-10

京都・アルティ 弦楽アンサンブルと前田珈琲の名物ナポリタン

 京都府民ホール アルティで「スォーノ・リッコ・アンサンブル京都」の第2回定期演奏会を聴きました。
 スォーノ・リッコとは、豊かな音という意味らしいです。これは弦楽アンサンブルを主宰(コンサートマスター)する村瀬理子さんにひっかけているのでしょう。京都市立京都堀川音楽高校で長くヴァイオリンを教えてこられました。奥さまの友だちです。
 ヘンデル、ヴィヴァルディ、J.S.バッハ、テレマンとバロックの楽しい曲が続きました。理子さんの愛弟子が入れ替わりでソロヴァイオリンを弾き、立派に成長した姿を披露していました。生で響く弦の音色を堪能しました。

 開演前に、アルティにある前田珈琲府民ホール アルティ店で「名物ナポリタンスパゲティ」(980円)で腹ごしらえをしました。アイスコーヒーをセット(+200円)しました。
 ふにゃりとした太い麺に、こってりとケチャップ味がまとわりついています。これぞ昭和の懐かしい味です。

 スプーンもついてきましたが、わたしはいつもフォーク一丁で食べます。昔からそうです。

 「京都人に愛され半世紀」というのがキャッチコピーです。今やアルティのほか、文博(文化博物館)、京博(国立博物館)、マンガミュージアム、文芸(文化芸術会館)、明倫店(文化センター)と、文化施設に集中的に出店しています。
 明倫店でも、文芸会館店でも、名物ナポリタンを食べてます。
 

 前田珈琲 府民ホール アルティ店
 075-432-2340
 京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町590-1 府民ホール アルティ内

ブローチをつくる 野良着屋「白椿」のワンピースを飾る

 「ブローチをつくってほしい」とのオーダーでした。「丸くて、金色に光っているのを」
 丹波篠山にある野良着屋 白椿のワンピースのキット材料を購入し、手仕事塾で習ってきた布を前に、奥さまは手縫いでちくちくとお裁縫の毎日でした。
 店のディスプレーがつけていたブローチがご所望でした。イマイチ、イメージがわかないまま試作にとりかかりました。

 「太い木をスライスした円板を削ったそうよ」とはいうものの、そんな円板はありません。
 ホームセンターや百均をうろついて、これでやってみるかと見つけたのが、コルク製のコースターです。100(110)円なら失敗しても痛くありませんでした。

 厚さが足りないので、3枚を積み重ねて接着しました。

 カッターナイフで粗削りしました。
 電動のマイクロ・ベルトサンダーで整形しました。
 生地はコルクですので、表面はざらざらです。下地処理の第一段階として木工用パテを一面に塗り込みました。

 サンドペーパーで磨きました。400番の粗い目からスタートしましたが、思うように平滑にはなりません。
 パテを塗り、削る作業を何回も繰り返しました。
 塗装の下地に使うサーフェーサーがあったので、試してみました。

 これも数回、繰り返しましたが、小さな凹凸は消えません。生地が悪いのだから修正のしようがありません。

 「アクリルえのぐで塗ってられた」という話を頼りに、それも試しました。アクリルカラーは百均に並んでいました。
 これも刷毛目が残ります。磨いても光沢は出ません。
 

 最終手段としてカラースプレーのゴールドを吹き付けました。
 まだまだ不満は残りましたが、ひとまずここまでとしました。

 裏面にフェルトを張りました。

 ブローチ金具を接着剤で固定して完成でした。

 製作期間は2週間。費用は1000円未満。カラスプレーが700円ほどと最も高価で、あとは百均と手持ちでした。
 これには、わたしの時間給は含まれていません。

 試着するというので撮影しました。
 奥さまは大満足の様子なので、これで良しとしました。

 このブログを書くために白椿のHPを調べていると、こんな画像が見つかりました。わたしのイメージとはちょっと違いました。

 丹波篠山の市街からはちょっと離れた大山宮にあります。
 2年前の春、スプリングエフェメラル(春の妖精)のセツブンソウやセリバオーレンを見に行きました。わたしは撮影に夢中でしたが、奥さまは辺りを散歩していて見つけたそうです。
 うどん店もやっています。 

 Vネック前開きワンピース

 白椿
 079-596-0133 
 丹波篠山市大山宮293

 

若狭高浜のイカ刺しを、小浜産の柑なんばで

 「柑(かん)なんば」を探して福井・高浜まで足を延ばしました。
 高浜でゲットした赤いかを刺身にさばいていただきました。薬味は大葉とミョウガ、そしてオレンジ色の柑なんばです。
 柚子の香りと、唐辛子の辛さ、麹のまろやかさが混じったこれぞニッポンのスパイスです。
 昨夜の満足の一献でした。 

 おぼろ豆腐には、リスボン土産の塩を振りました。シンプルにうまいです。柑なんばもイケました。

 魚そうめんは、京都の夏の風物詩です。かまぼこの具をそうめん状にしています。薄い出汁でいただきます。

 柑なんばは、「小浜合衆国」の産です。小浜はオバマにかけてあり、元大統領が当選したときは町も話題となりました。

 何年も前に高浜の道の駅で柑なんばを買った覚えがありました。とりあえず車を走らせスマホで調べると、魚と旅するマーケット「UMIKARA」というのができていました。高浜の海岸沿いにありました。
 観光客向けのスーパーマーケットの趣の店に入ると、並んでいました。コレです。

 大きな生けすがありました。

 注文すると網ですくい揚げ、横の調理場でさばいてくれます。

 わたしは、こんなお安いジャンクフードを買いました。いまや高級魚と化したのどぐろのソーセージなんて、初めてお目にかかりました。

 「恐竜博士」という名の福井県のキャラクターです。
 青春18きっぷで訪れたJR敦賀のホームにもいました。

 うみから食堂
 福井県⼤飯郡⾼浜町塩⼟5-1
 
 

 新鮮な赤いかを刺身にしました。
 皮がおもしろいようにスルリと剥けました。

  JR高浜駅前のスーパーに並んでいました。

舞鶴 JR松尾寺の木造駅舎、RURUTEIの驛舎ねこのフロート

 お盆です。京都縦貫道はこれまでになく渋滞していて、舞鶴まで3時間ほどもかかりました。奥さまの実家の墓参りをして、JR松尾寺(まつのおでら)まで走りました。
 舞鶴の東端にそびえる若狭富士(青葉山)の麓、西国札所の松尾寺の名をいただく駅です。
 レトロな木造駅舎は国の登録有形文化財に指定されています。

 そこにある映えスポットが、駅舎内のカフェ「Salon de RURUTEI」です。人気は「驛舎ねこのフロート」(700円)です。
 かつて愛された猫駅長こと「ミーちゃん♀」が、クッキーになってトップにいます。この部分は、わたしは食べませんでしたのでお味は不明です。 

 トロリと濃厚なクリームです。

 かき氷は、ちょっと粗目でザクザクとしています。抹茶の清々しい甘みが口に広がると、やがてガツンと冷たさが襲ってきました。暑い日にはたまりません。

 松尾寺の門前にあった茶店「流々亭」が引っ越してきたそうです。

 舞鶴で採れる茶葉を使った煎茶を中心に、ラテなどが並びます。トッピングもいろいろあって、頼むのに迷うほどです。ただしコーヒーはありません。

 ショップにはとりどりの日本茶なんかが並んでいます。

 奥さまは緑茶のティーバッグをお買い上げです。

 1日に上下それぞれ11本しか列車がやってこない西舞鶴と敦賀を結ぶ小浜線のひなびた駅です。

 見上げると掲示板があります。
 「専貨」の「実績」とは、貨物の取扱量のことです。旧国鉄時代には、福知山鉄道管理局では最大の貨物取扱量を誇っていた貨物駅だったそうです。

 かつての線路図も残っています。
 現在は1面1線の棒線駅ですが、かつては何線もの広い側線があったようです。
 ここから湾岸部の海軍火薬廠まで専用線も延びていました。戦後は日本板硝子の工場が誘致され、専用線として使われていました。

 検札のない改札口を出てみます。

 北向きの陽ざしが遮られた涼し気な待合です。

 ホームへの階段を上がると、コンクリートに数字が残っていました。1959年1月につくられたということでしょう。

 列車がやってこないレール上に降りてみました。

 改修されてますが、駅が開業した1922(大正11)年に立てられた木造駅舎です。

京都・五条 河井寛次郎記念館でひと時の涼を

 京都はきょうも暑い一日でした。ふと思い立って「河井寛次郎記念館」を訪ねました。
 大正・昭和にかけて活躍した陶工、河井寬次郎の住まい兼仕事場をそのままに公開しています。
 「建物のみならず、館内の家具や調度類も寬次郎のデザイン、あるいは蒐集によるもので、それぞれ個性を発揮しつつも、不思議な統一感を生み出しています」(河井寬次郎記念館のHPより)

 中庭から吹き抜ける涼やかな風にひと息つきました。

 炉を前にして、丸くてかわいい椅子が並びます。

 2階の書斎の窓際です。これまたかわいい、いや現代人からすれば小学生がちょこっと腰かけるくらいの小さな机と椅子です。

 背もたれのデザインがすごいです。

 寝そべった猫が、床と同化しています。

 書斎の大うすのテーブルです。割れ目がまるで金継ぎのように補修されています。

 展示物ですが、座り込んで休むこともできます。

 陶房の前の休憩室です。並べられてミニチュアのようなかわいい椅子たちです。

 素焼窯の前にも、焼き上がるのを待つためのように並んでいます。

続きを読む 京都・五条 河井寛次郎記念館でひと時の涼を

京都・出町 「みつばち」の宇治氷とあんみつ

 暑い京都の昼下がりです。ちょっと冷たいものをと、京都府立医大病院から河原町をちょっと上がった「みつばち」に寄りました。「京のちいさな あんみつ屋」です。
 わたしのセレクトではありません。奥さまは10数年前のわたしの入院時に、独りでやって来たことがあるそうです。
 「宇治氷(柳桜園さんの抹茶)」(850円)をいただきました。きめ細かなかき氷です。口に含むと、たちどころに消え去ります。冷たさと、濃厚な抹茶の香り、甘さが残ります。

 寒天と赤えんどうが別皿です。

 南房総産の天草(てんぐさ)を使ってじっくりと煮込んだこだわりの自家製寒天です。弾力がある口触りで、磯の香りすら感じるほどです。

 追い蜜をかけて、最後まで変わらないお味でした。

 奥さまはシンプルなあんみつでした。

 抹茶の柳桜園は、二条通御幸町にある茶道三千家の家元御用達の老舗です。

 女性たちでいつもにぎわっているのは知ってました。独りでこの暖簾をくぐる勇気はありませんでした。

 店先に木槿(むくげ)が一輪、大きな花を咲かせていました。

 みつばち
 075-213-2144
 京都市上京区河原町今出川下ル梶井町448-60

 河原町を渡った出町輸入食品を久しぶりにのぞきました。ちょっと買い物をすると、コーヒーのサービスがありました。

 ポテトチップスも一片を味見させてもらいました。

 スペイン産のポットチップスが並んでいました。気になりました。

 コーヒーが好きだった母が、ここのブルーマウンテンを愛飲していました。よく買いに来たものです。

 出町輸入食品 本店
 京都市上京区河原町通今出川下ル栄町359-2

 定期検診のほうは、CT、RI検査ともに異常はなく、腫瘍マーカー値も下がってひと安心でした。

反田恭平ピアノリサイタル2023を聴く

 奈良・橿原の県立橿原文化会館大ホールで、「反田恭平ピアノリサイタル2023」を聴きました(13日夜)。
 1000人を超す大きなホールです。それがソールド・アウトの満席でした。大阪や京都などからもファンが詰めかけていたのです。
 開演直前まで、念入りに調律が行われていました。

 前から4列目の中央の席でした。
 目の前のスタインウェイのふたの裏側が、弦を反射して光っているのが印象的でした。

 プログラム(一部変更あり)は、近代ロシアのスクリャービン、ラフマニノフとショパンの影響を受けた2人から始まりました。
 わたしは、その日に病院で受診した2つの検査で疲れていたのか、不覚にもこっくりとする瞬間もありました。
 後半のショパンは、これは圧巻でした。雷が落ちたのかと思わせるほどの爆音が、ホールに鳴り響く場面もありました。でもそれは一瞬のこと。心にグイグイと迫ってきたのは、圧倒的な弱音!でした。これまでに聴いたことがない最弱音に息をのんでいると、その音色はいく重にも変化して、一音一音がしみわたりました。そのバリエーションの豊かさに驚きました。
 拍手にスタンディングにブラボーが途切れません。5曲もアンコールを弾いてくれました。
 その極みが、アンコールで弾いてくれたラルゴでした。何度も聴いています。でも、この夜のラルゴが、ショパンの母国・ポーランドに対する思いを、これまでになく静かに熱く表現しているように思えました。聴くたびに限りなく進化する反田くんでした。

 なんだか反田くん一座がどさ回りしているような案内です。

 ホール前には「増長天」が飾られていました。、

 近鉄・大和八木から歩いて5分ほどのところにありました。

 近鉄特急で帰宅しました。

 大和八木のホーム内にあるコンビニで、缶を買って乗り込みました。ガラガラの車内で、余韻とともに楽しみました。

「哲&友号」 大川で浸水せずに進水

 山の友だちの「天満の哲」さんが、ヘンなことをしでかしました。
 ペットボトルをつないでボートをつくり、大阪湾に漕ぎ出すという奇想天外、いや気宇壮大な計画です。
 進水式を挙行するという知らせに、わたしも大阪・大川に駆けつけました。
 結果は無事に浸水、ではなくて進水。なんでもやってみようーの遠い昔のロマンが戻ってきたように、みんなの笑顔がはじけました。

 大阪・天六に近い哲さんのスタジオ「音太小屋」に集合しました。哲さんとその仲間たちです。「だれも欠けずに帰って来られるかな」の声も。

 分解したボートを台車に載せて歩いて出発です。

 早速に荷崩れを起こして、前途多難の様相です。

 大川(淀川の支流)の源八橋下流にある大阪ふれあいの水辺にやってきました。


 
 テープを張って組み立てです。

 浮かびました。「哲&友号」と命名されました。
 早速、哲さんとSさんが乗りこみます。

 岸をゆっくりと離れました。沈没するようなことはないようです。

 初航海を終えて、どや顔の2人です。

 対岸には帝国ホテル大阪や高層マンションがそびえます。どこを航海しているのかと思わせます。

 思わず笑顔がこぼれます。

 哲さんは、へっぴり腰で立ち漕ぎに挑戦です。

 水を漕いで、様になってます。

 警備員も見に来ましたが、お目こぼしにあずかりました。
 オトナの遊びは、撤収も完璧でした。

 都島橋を帰ると、わが母校の大学ボート部が練習中でした。あんな風に大川の本流を進み、大阪湾まで漕ぎ出るのはやり絵空事だったのでしょうか。

 音太小屋に戻って乾杯しました。哲さんの夢に便乗させていただき(ボートには、怖くて乗りませんでした)、ありがとうございます。

京都・桂 中村軒の宇治ミルク

 きょうの京都は、最高気温が36.8度にも達しました。暑かったです。帰り道に桂の中村軒に寄って、かき氷をいただきました。
 「宇治ミルク」(940円)です。奥さまが頼んだ「あんみつ」の金時(あん)も回ってきました。宇治金のできあがりです。

 ほおばると、すぐに溶けるきめ細かなかき氷です。冷たくて、甘いです。
 若いころは「あんこ、怖い」でしたが、し好が変わったようです。

 「あんみつ」もおいしそうです。

 ねっとりとした白玉を口に含みながら、氷を流し込みます。たまりません。

 追いシロップです。食べ進んでも、変わらずに濃厚味です。

 床の間には、祇園祭の長刀鉾の扇が飾られていました。

 坪庭が涼し気です。

 祇園祭のミニチュアが展示されていました。

 これまでの中村軒

 御菓子司 中村軒
 075-381-2650
 京都市西京区桂浅原町61