JR新幹線とSL北びわこ号に乗って、びわ湖一周の大回りの旅を楽しみました。大都市近郊区間の運賃計算の特例を使って、往復でたった2500円ぽっきりでした。
特例の特例として、新大阪-米原間の新幹線も特急券さえあれば乗車できます。SL北びわこ号といった臨時列車も、座席指定券があればいいのです。
最寄り駅の島本で買ったのは湖西線の大津京まで500円の乗車券です。
実際に乗車したのは、京都で新幹線に乗り換えて米原まで、そこからSL北びわこ号で木ノ本まで、さらに近江塩津まで行き、湖西線の新快速で大津京までです。これだけ乗っても、運賃計算は最短の山科を通って大津京に至るあたり前のルートです。
【2017/10/15 08:10】
島本から出発です。予定していた電車より早くにやってきました。いつものことです。
【08:31】
京都で下車すると、隣のホームに忍者列車「SHINOBI-TRAIN(シノビトレイン)」が停車してました。忍者の里、甲賀、伊賀を走る草津線のラッピング列車です。
新幹線との乗り換え口です。最初の関所です。
まずは右側の自動券売機で米原までの自由席特急券を買いました。
有人改札口を通ります。女性駅員に、自由席特急券と島本で買った乗車券を見せました。ちょっと怪訝な表情の駅員に「大回り乗車です。大津京まで行きます」と説明。駅員は、島本-大津京の運賃が500円なのを確認して「どうぞ」と通してくれました。
なんと、次の米原に停車する「こだま」は半時間以上ありません。
「こだま642号」が到着しました。
自由席はガラガラです。この車両に座っていたのは7人でした。
車掌が通り過ぎましたが、車内検札はありませんでした。
【09:29】
米原で下車しました。
次の「ひかり」でも接続したのですが、米原でしたいことがありました。
SLが到着するホームに降りてみると、ELに引かれたSL、C56160が待避線に入線してきました。
まるで「顔見世」です。
自力で後退していきました。
ホームでの楽しみはこれでした。駅そばを食べることです。自宅で朝食を食べてますから、まだ腹は空いてませんが、駅そばを食べるのは大好きです。それにホームの駅そばは、いまやあまり多くはありません。
お味の方は、フツーのそばです。
井筒屋は、米原駅の駅弁業者です。SL客を目当てに、駅弁の臨時売り場も設けてました。
【10:03】
ポーッツと汽笛も高らかに、白煙を噴き上げてSL北びわこ1号が入線してきました。
C56160は、JR西日本の京都鉄道博物館(旧梅小路蒸気機関車館)で動態保存されているSLです。
客車5両を引いています。
国鉄12系(スハフ)車両です。急行用に開発された冷暖房完備の比較的新しい車両です。
出発です。
隣のホームの駅員も手を振ってくれました。あちこちで手を振られました。
隣の席では、持ち込んだビールの栓を抜きます。テーブルの下に栓抜きが備えつけられています。
あちらでは、ビデオレコーダーを吸盤を使って窓に固定して、発車から到着まで車窓を流れる風景を録画していました。
雲の上に伊吹山がくっきりと見えました。
窓は上部が開きます。カーブになるとカメラを突き出してSLの雄姿を撮影しました。
シュシュシュと振動しながら爆走します。
最後尾車両に座ってました。
予想に反して空席がありました。小さな子ども連れや、鉄ちゃんばかりです。
前の席の学生風くんは、駅弁を開けました。おいしそうでした。
河毛-高月間にあるカーブは「河毛カーブ」と呼ばれ、SLを撮影する撮り鉄のお立ち台(撮影ポイント)として有名です。
【10:53】
終点の木ノ本に到着です。あっという間の45分間でした。
お役目を終えて、静かに休むSLです。
昭和14年製造です。まだ現役です。わたしより10歳年上です。
磨き抜かれた精悍な動輪です。
対面するホームまで行って、編成全体を眺めました。
客車の行先表示幕です。ぐるぐると回ってました。デジタルで一発表示とは違い、シーケンシャルにひとつづつ変わります。
秋田からシャッターを切りました。青森あたりから始まっていたのかもしれません。いつ終わるのかとシャッターを押し続けたら、まるで日本一周です。この客車の履歴書なのでしょう。
なるほど国鉄時代の車両です。JR西日本なら、営業範囲はこんなに広くはありません。
【11:26】
近江塩津行の普通がやってきました。
余呉です。向こうに余呉湖が広がり、賤ケ岳がかすみます。
【11:37】
2駅で近江塩津に到着しました。
反対側のホームにやって来た敦賀発姫路行の新快速に乗り換えました。最後の電車でした。
【12:56】
小雨の大津京に降り立ちました。ゴールです。
駅前で昼飯を食べて、帰りはまっすぐに京都行普通に乗車。山科で同じホームの向かいにとまる加古川行き普通に乗り換えて2時過ぎに帰宅しました。