「よい時に来られました」と、煎茶のお相伴をあずかりました。
JR京都駅地下街の「ポルタギャラリー 華」で開かれている「市川正人 木工芸展」です。
京都・宇治にある黄檗山萬福寺の茶礼から発展した茶道、黄檗売茶流をたしなまれる木工芸作家の市川正人さんが、煎茶をふるまったくださいました。
裏千家の茶道なら、亡母の仕草を見ていましたが、煎茶は初めてです。
季節らしく桜が載った薯蕷(じょうよ)饅頭といただきました。
まずはお茶を。かすかな渋みと、ほのかの甘みが混ざったうるわしい口当たりです。二煎目は、落ち着いた味になってました。
「その箸のようなものは、何ですか?」と同席者。実演してくださいました。
急須の後始末用でした。それにしても、びっくりするような鮮やかな玉露の葉が出てきました。
木目が美しい市川さんの作品です。
日本伝統工芸展でも表彰されています。
こんな緻密な細工が施されているのです。
わたしの部屋にもアクリルパネルにはさんで飾っている棟方志功の「釈迦十大弟子板画柵」(倉敷・大原美術館蔵)です。別物のように素晴らしい装丁となっています。
この五稜箸で「今夜の一献」と参りたいものです。
素晴らしい作品が並びます。
突然、わが家のお正月です。
木製漆塗りのランチョンマットは、何年も前に市川さんに作っていただきました。愛用しています。
お屠蘇に使う銚子のふたの摘まみは外れていました。漆を使って修理していただきました。
市川さんの漆の師匠と、わたしの母が小学校の同級生だったという縁で、お知り合いになりました。
「市川正人 木工芸展」
4/3まで
ポルタギャラリー 華(JR京都駅地下街)