奈良県文化会館の国際ホールで「Kyohei Sorita & Japan National Orchestra Concert Tour 2023」を聴きました。
ピアニストの反田恭平が、ピアノとの弾き振りからさらに飛躍して指揮者としての姿を見せてくれました。
ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番は、初めて聴いた曲でした。反田くんのダイナミックなピアノが、聴衆をわしづかみにするようでした。
その勢いにのってマーラーの交響曲第1番「巨人」(室内オーケストラ版)でした。
もちろん、反田くんの指揮です。うねるように繰りかえされる静かなメロディーが、ゆっくりと盛り上がってゆき、やがて大爆発を迎えます。室内版ですので管楽器も少なく、ホルンはフルオーケストラなら6本並ぶところが3本でした。それでも若い奏者の迫力に圧倒されるエンディングでした。
わたしの席は前から5列目の上手でした。いつもはあまり目に止まらない打楽器が目の前でした。後半にかけて大活躍する大小の太鼓、シンバル、トライアングル。それらを叩いてやるぞと待ち構えるやんちゃ坊主のような打楽器奏者の表情がおかしくて、一緒に固唾をのむ思いでした。
奏者をそれほどにノリノリにさせる反田くんの指揮は、ホンマモノです。
プログラムに反田くんや2人の奏者とのQ&Aがのってました。反田くんが初めて買ったCDは「だんご3兄弟」だったそうです。ちょと吹き出しました。
わたしが学生時代に最初に買ったLPは、マーラーの「巨人」だったはずです。押し入れの中を捜索すると、出てきました。レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨークフィルの思い出の1枚が。
そのころはマーラーやブルックナーなどの長大なシンフォニーが、ちょっとしたブームでした。何度も聴いたLPです。旋律が耳になじんでいます。ところが生オーケストラの演奏を聴いたのは、考えてみればきょうが初めてでした。50数年が流れています。
だんご3兄弟を聴いても立派な音楽家は育ち、マーラーを聴いてもタダの人です。
近鉄奈良の改札口には、JNOの掲示があります。奈良を本拠とするスポンサー企業の提供です。
これを見た知り合いが、LINEで送ってくれました。わたしは車でした。