伊勢参り その1 京を旅立つ

 お伊勢さんに、もう一度、参ろうと思います。
 きっかけは単純です。先日のNHK「ブラタモリ」の伊勢神宮再放送で、近江友里恵アナが「修学旅行のとき以来」と話していました。わたしは修学旅行以来、近くは通っても参っていません。
 古い写真です。京都市立葵小学校の6年生のわたしが写っています。内宮の前です。昭和36(1961)年のことです。ちょうど60年前ではないですか。ならば「還暦伊勢参り」とまいりましょう。折角ですから、わが足で歩いて。
 伊勢本街道は、大阪・玉造を出発して暗峠を越え、奈良、榛原、奥津と歩んでいきます。京都人ならまずは東海道を下ったのでしょうが、わたしは奈良街道を奈良まで行き、伊勢本街道と合流しようと思います。
 1日目は、宇治川にかかる観月橋をスタートして、城陽まで歩きました。

 「明治天皇御駐輦所(ごちゅうれんしょ)観月橋」の碑は、明治天皇が明治10(1877)年の関西行幸で訪れたことを記しています。
 鉄ちゃんとしては、並行してかかる近鉄京都線の観月橋(正式には澱川橋梁)に目が向きます。昭和3(1928)年に奈良電(現在の近鉄)のために架けられた、橋げたのない巨大トラス橋です。

 宇治川を渡ると、豊臣秀吉が巨椋池(おぐらいけ)を南北に貫いて築いた小倉堤を進みます。
 街道から路地をのぞくと、堤の上を歩いていることがわかります。

 大きな松の木が1本あるだけで、旧街道の趣があります。

 それにしても暑い1日でした。
 伊勢までは大阪・玉出から160キロ。京都からでもさして変わらないでしょう。スペインのサンティアゴ巡礼では毎日20キロ以上を歩いていました。もはやそんな元気はないですので、ゆっくりと、区切り区切りに歩みを進めたいと思います。

続きを読む 伊勢参り その1 京を旅立つ